柚香光が真骨頂を発揮した花組『TOP HAT』(ライブ配信視聴)

花組梅田芸術劇場メインホール公演『TOP HAT』が昨日4月6日に千秋楽を迎えました。
この公演のライブビューイングとライブ配信は千秋楽よりひと足早く4月3日に行われ、私もライブ配信を観ました。

評判はTwitterなどで目にしていましたが、やはり素晴らしかったです。
柚香光の真骨頂を観たな〜と思いました。

花組梅田芸術劇場メインホール公演『TOP HAT』

小劇場作品では同じブロードウェイミュージカルの『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』を観た時に、そのダンスの素晴らしさにこれはれいちゃん(柚香光)の代表作の一つになるのではと思いましたが、今回の『TOP HAT』は全くそれ以上でした。

『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』もダンスナンバーが多く、れいちゃんのダンスがたくさん見られましたが、今回の方がよりレベルの高いダンスを見ることができました。

またキャラクターも『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』のジミーより『TOP HAT』のジェリーの方が誠実で、相手役のデイル(星風まどか)への愛情も深くて、こんな柚香光が観たかったという役でした。

同期のマイティー(水美舞斗)とのバディ感、そして専科から出演している同じく同期のまゆぽん(輝月ゆうま)との同期ならではの息ピッタリなやり取りでした。

濃い役に大挑戦したホッティー(帆純まひろ)とのアドリブ合戦も楽しかったですし、れいちゃん演じるジェリーとそれぞれの役との絡みが面白くて、シンプルなストーリーのこの作品を深めていました。

珠玉のダンスナンバーの数々

本来なら3ヶ月から5ヶ月かけてお稽古するほどのナンバー数らしいですが、それを1ヶ月でやったとは思えないほどの出来でした。

さすがダンスの花組ですね。
上級生から下級生まで素晴らしいダンスを魅せてくれました。

大勢で踊るショーナンバー

プロローグと1幕終わりのロンドンでのショーの場面でキャストが大勢出てきてタップダンスを踊る場面が素晴らしいです。

さすがダンスの花組という感じで、皆んなのステップが揃っているのが見ていて気持ちいい。

マッジとしては2幕でしか出てこない音くり寿ちゃんが、1幕のショーの場面で真ん中で踊っているのがカッコよかったな〜
あそこは男役も娘役も同じ燕尾服とハットとステッキで踊るのがすごく素敵です。

柚香光一人のタップダンス

大勢でのタップダンスの場面で真ん中で踊るれいちゃんももちろんカッコいいです。
でも一人で踊るタップがまた素晴らしい。

とくに好きだったのがホテルのホレスの部屋で帽子掛けを相手に踊る振りが本当に洗練されてておしゃれでした。

NOW ON STAGEで話していたジェリーの影役の泉まいらくんと同じ振りで踊るのも素敵です。
二人で何度も何度も練習したって言ってましたが、手足の角度や醸し出す雰囲気まで揃っていたのが素晴らしかった。

もう一つ好きだったのがデイルがいる下の階に響かないように灰皿の砂を撒いてから踊った「サンドダンス」で、下の階にいるデイルを愛しく思う気持ちが伝わってなんとも素敵でした。

れいちゃんは尊敬するフレッド・アステアに少しでも近づきたいと話していましたが、れいちゃんのステップも所作の美しさも、まさに和製フレッド・アステアと言えるほど素晴らしいなと思います。

星風まどかとのデュエットダンス

嵐の場面の二人のタップダンスでナンバーの間にどんどん二人の関係性が変わっていくのも素敵でしたし、フィナーレでのデュエットダンスも見どころ満載でした。

でも一番感動したのはやはり「Cheek to cheek」でした。

宙組での初演よりもオリジナルの振り付けに近づけたということでしたが、映画で見たあのシーンの感動が蘇る感じでした。

れいちゃんがまどかちゃんを持ち上げるところやリフトなど、まどかちゃんに体重が無いのかと思うほど軽やかでびっくりするやらウットリするやら…

NOW ON STAGEで二人が映画のあの場面を見ながら「これはいったいどうなっているのか?」と仕組みを研究したと話してましたが、私もこれはどうやったらこんな風に踊れるんだろう?と不思議に思いながら観ていました(笑)
それほど素敵でした。

柚香光とメインキャストとの絡みも最高

メインの役は6人だけで、他の出演者は一幕と二幕で役が変わったりいろんな役で出ていたりします。

そして柚香光演じるジェリーとメインキャストとの絡みがどの場面もセリフがおしゃれでしたし、アドリブも楽しかったです。

デイル:星風まどか

ジェリー(柚香光)がデイル(星風まどか)に一目惚れして始まる二人の関係ですが、嵐の場面でデイルもジェリーに惹かれるようになります。

ところが、デイルがジェリーを親友の夫のホレスだと勘違いしたことから騒動になっていく流れがドタバタなんだけどすごく面白いんです。

仲良くなったところでちゃんとお互いが名乗っていれば騒動にならなかったのにと思うところではありますが(笑)

クレームに来たデイルに一目惚れして会う度に惹かれていくジェリー、それからデイルになじられて沈んでいるジェリーの心情がものすごくよく分かるれいちゃんのお芝居がすごくよかったです。

最後デイルの誤解が解けて仲直りし、愛おしそうに両手でデイルの頬を包んでキスするところはドキドキしてキュンキュンしました

ホレス:水美舞斗

れいちゃんのジェリーとマイティーのホレスが二人の場面がすごく多かったですが、二人の同期ならではの息ピッタリなやり取りが楽しかったです。

ショーの成功のためジェリーの言いなりなホレスという関係も面白い。

スイートルームでホレスが一生懸命隠れている場面でのれいちゃんジェリーのなんともいたずらな顔が笑えました。

デイルの勘違いのせいでとんでもない目に会うホレスですが、それを見て楽しんじゃっているジェリーが、普段のれいまい二人の関係性も垣間見える感じでした。

ベイツ:輝月ゆうま

れいまい同期コンビにもう一人同期のまゆぽんが入って、またさらに面白い場面になっていました。

まゆぽん演じるベイツはホレスの付き人なのにホレスに当たりが強い(笑)

で、ジェリーのことは気に入っていて当たりがソフトなんです。
3人の場面はめちゃくちゃ笑えました。

ある意味キーマンとなるベイツを演じるまゆぽんが芸達者で、れいちゃんが言っていたとおりすごく安心感がありました。
この作品でこの95期のトリオが揃ったのは本当によかったなと思います。

アルベルト・べディーニ:帆純まひろ

デイルの衣装を担当しているイタリア人デザイナーのべディーニをホッティー(帆純まひろ)が演じていました。
宙組版で愛ちゃん(愛月ひかる)が演じて、その後につながる大挑戦だったと言っていた役ですね。

ホッティーもパジャマになる場面などアドリブをすごく頑張っていました。
あのパジャマはいくつか種類があるようですね〜
あまりにもクオリティが高くてびっくりしました(笑)

そのべディーニとジェリーがやり合うシーンも秀逸でした。

お互いウエディングルームが自分の部屋だと言い張るところで持ってる鍵を見せ合う場面。

ここは毎日のアドリブになっているようで、ホッティーのアドリブにれいちゃんが乗っかるのがすごく上手くて、お客さんにとってもお楽しみの場面の一つみたいです。

マッジ:音くり寿

マッジは二幕から登場するので、一幕ではおとくりちゃん(音くり寿)はいろんな役で出ています。

で、二幕からしか出ないのにマッジは強烈な印象を残します。

ジェリーと親友のデイルをくっつけたいマッジは、デイルにジェリーのことをすごく素敵な人だと褒めちぎります。
それを聞く度に『確かにね〜』と思ってました(笑)

ジェリーとマッジの絡みはそれほど多くはないですが、おとくりちゃんが本当に芸達者で二人の場面もおとくりちゃんの方が上級生に見えるほどで。
この二人の関係性も面白かったです。

れいちゃんとの場面ではないのが残念でしたが、最後のホレスとマッジ夫妻の「それ以外はI LOVE YOU」の歌すごく好きでした〜

小劇場作品ならではの魅力たっぷりな公演でした

大劇場公演でもショーでれいちゃんのダンスを堪能できるのですが、小劇場公演だと出演者の人数が少ない分よりれいちゃんの出番が多くなりますし、舞台が小さいので間近にれいちゃんのステップの素晴らしさを感じられる気がします。
それだけによりれいちゃんのダンスの素晴らしさを楽しめました。

画面を通してもそれを感じたので、劇場で生で観たらもっとだったでしょう。

また、今回メインの役は6人だけでしたが、それ以外の人もびっく(羽立光来)と若草萌香ちゃんに歌の見せ場があったり、りりこちゃん(華雅りりか)とはなこ(一之瀬航季)がデュエットダンスで魅せてくれたりと活躍していました。

副組長のキョンさん(航琉ひびき)は一幕のおネエキャラで、ジェリーに最後まで名前を覚えてもらえないというアドリブで笑いを提供していました。

下級生たちもそれぞれに目立つ場面があって、そういうところは小劇場公演ならではだなと思います。
コメディ作品ということでアドリブがたくさんあるのも魅力の一つですね。

昨日は千秋楽ならではのアドリブがいろいろたくさんあったようで、タカラヅカニュースの千秋楽の映像を見るのが楽しみです。

  

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