政府の緊急事態宣言発出にともなって、やはり宝塚歌劇も4月26日から5月11日までの公演の中止を発表しました。
大変辛いです。
感染対策をしつつお稽古を頑張ってやってきたのに、公演を休止しないといけなくなってしまった生徒たちや劇団関係者の悔しさを思うとやるせないです。
5月12日からの再開を祈りつつ、楽しかった観劇の思い出に浸っています。
5年ぶりのエリザベートガラ・コンサート
『エリザベート』宝塚初演から25周年なのを記念して開催された『エリザベートTAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』』’09年月組ver.を、4月19日に東急シアターオーブに観に行ってきました。
私は前回の20周年の時にも瀬奈じゅんさんの出演する回を観劇しました。
その時は2002年花組ver.と2009年月組ver.の2公演観たのですが、今回はコロナ禍ということもあって、2009年月組ver.の1公演のみチケットを取りました。
5年前は同じ東急ですがオーチャードホールで上演されました。
今回はシアターオーブで、私はこちらの方が好きです。
S席でも割と後ろの方の席でしたが、後ろの席はかなりの傾斜があってとても観やすくなっているのがいいです。
2009年月組ver.のキャスト
私が観た回は2009年に月組で上演されたキャストがメインでした。
もちろん出られない人もいるので、そこは臨機応変にキャストが考えられています。
2005年の月組公演で出演したメンバーや他組でその役を演ったメンバーも入っていたりして、うまく考えているな〜という感じでした。
キャスト一覧(その役を在団中演った公演)
トート 瀬奈じゅん(’09月組)
エリザベート 大鳥れい(’02花組)
フランツ・ヨーゼフ 霧矢大夢(’09月組)
ルイジ・ルキーニ 宇月颯(’09月組新人公演)
ルドルフ 大空ゆうひ(’05月組)
ゾフィー 出雲綾(’96星組、’98宙組)
マックス 越乃リュウ(’09月組)
リヒテンシュタイン 紫城るい(’05月組)
少年ルドルフ 望月理世(’02花組)
マダム・ヴォルフ 嘉月絵理(’05月組)
トート:瀬奈じゅん×エリザベート:大鳥れい
大鳥れいさんは元花組トップ娘役なので、月組公演には出ていなかったのですが、あさこさん(瀬奈じゅん)が花組の時代に学年が一個下で戦友的存在でした。
退団した今でもすごく仲がいいので、この2人のコンビを観るのはファンとしても嬉しかったです。
きっと多くのあさこさんファンが喜んだと思います。
5年前のガラ・コンサートでも私が観た回はこのコンビでした。
トート:瀬奈じゅん×フランツ・ヨーゼフ:霧矢大夢
この2人の並びはは当時の月組ファンは皆んな大好きです。
下級生の時から一緒に切磋琢磨してきた間柄で、きりやん(霧矢大夢)はあさこさんが月組トップ男役に就任した時からずっと2番手として支えてきた同志です。
退団した今でももちろん仲良しで、お二人がインスタグラムやり取りしてるのを見るとほっこりします。
そんなあさきりが『最終答弁』の場面で丁々発止とやり合うのは尊かったです。
トート:瀬奈じゅん×ルドルフ:大空ゆうひ
同期で音楽学校時代からずっと仲良しの2人。
2005年の公演ではエリザベートとルドルフで母と息子の役でした。
2009年の公演にはゆうひさん(大空ゆうひ)は出ていないので、この並びは夢の並びです。
この2人の『闇が広がる』が観られてファンとしては狂喜乱舞でした。
トート:瀬奈じゅん×ルイジ・ルキーニ:宇月颯
この並びはご本人が嬉しかったでしょうね〜
としちゃん(宇月颯)は入団前からあさこさんのファンでしたから。
それもあさこさんが演じたことのあるルキーニ役を演れたこともすごく嬉しかったことでしょう。
在団中は本公演ではなく新人公演で演っただけでしたしね。
ファンとしても、おめでとう、よかったねという気持ちで観ていました。
そして、素晴らしいルキーニでした。
ゾフィー:出雲綾×マックス:越乃リュウ
たきさん(出雲綾)は月組の公演には出演していませんでしたが、退団前は月組の組長でしたので、当時副組長だった越乃リュウさんとの並びはとても懐かしかったです。
そして、久しぶりにたきさんの迫力ある美声を聴くことができて、耳が幸せでした。
他にも全公演出演するアンサンブルのキャストにも元月組生が大勢いるので、アンサンブルキャストを観ていても懐かしさに嬉しくなりながら観ていました。
瀬奈トートは当時のままのトートでした
登場した瞬間からトート閣下でした
このバージョンは当時の衣装を着るのではなくそれぞれが自前の衣装で、メークも宝塚メイクではなく薄めの舞台メイクでした。
ガラ・コンサートですので、セットも簡単なもので、舞台上にオーケストラがいて演奏しています。
そして、エリザベートガラ・コンサートではおなじみの3つの階段があり、その階段をセットに見立てて演者は登り降りします。
あさこトートは他の皆んなが『我ら息絶えし者ども』を歌い終わってから階段の上にせり上がって登場したのですが、その瞬間からもう鳥肌が立ちました。
当時の衣装でもメイクでもないのに、全くもってトート閣下でした!
(髪型だけは当時のトートのカツラと同じ様に、左のサイドを編み込みにしていました)
脳裏には宝塚大劇場で観たあの光景が蘇っていました。
瀬奈トートの歌もダンスも鳥肌ものでした
あさこさんのあの独特の歌い方も、迫力ある台詞の言い回しもほとんど記憶の中のままで、何度も鳥肌が立ちました。
それと、右眉を上げて左目を細める私の大好きな仕草も健在でした♡
瀬奈トートが舞台上に出てくるとどうしてもオペラグラスで追っかけるので、他のキャストが見られないのがジレンマなのですが、でもどうしてもあさこさんの表情は見逃せません。
少年ルドルフを後ろから虎視眈々と狙っている表情や、「猫を殺した〜」のところでの『おやおや』という表情、エリザベートに拒否されて傷ついたのに強がっている表情、などなど、どれも『そう、これこれ〜』と思いながらオペラグラスで覗いていましたよ。
歌に関しても、あさこさん独特のちょっとずり上げる感じの歌い方もそのまま。
フェイクの仕方やシャウトの仕方も他の人とは違う瀬奈トート独自のやり方で、全く変わっていなくて嬉しくなっちゃいました。
そして、なんと言っても『最後のダンス』ではキレッキレのダンスも見せてくれました。
20周年の時のダイジェスト映像で他の人のトートを見たのですが、他のトートは瀬奈トートみたいには踊っていませんでした。
きっと今回もあさこさんが一番キレッキレの『最後のダンス』なんだろうなと思っています。
そして『最後のダンス』の後は拍手が鳴り止まず、ショーストップの状態になっていました。
トートの3大台詞も健在でした
私がトートの台詞で大好きなのが3つあって、「死ねばいい!」と「死は逃げ場ではない!」と「違〜う!」なのですが、どれも私の大好きな瀬奈トートの言い方そのままで、あさこさんの中でずっと冷凍保存されていたんだな〜と感激でした。
あ、冷凍保存で思い出しました。
前回の20周年ガラ・コンサートの時、2009年月組ver.はフルコスチュームバージョンで当時と同じ衣装、同じカツラ、同じメイクでの公演だったのですが、在団中と全く変わらない美しさで、それを観たファンの間で瀬奈トートはずっと冷凍保存されていたと話題になったんでした。
今回もフルコスチュームであれば同じ様に冷凍保存されていたと話題になったことと思います。
一つ残念なことが…
トートが絶望したルドルフに向かって言う「死にたいのか?」の台詞がカットされていました。
ガラ・コンサートは本公演と全く同じではなくところどころカットされている場面や台詞があるのですが、その私の大好きな「死にたいのか?」もカットされていました。
前回もそうだったので、もうガラ・コンサートではこの台詞はカットと決まっているのでしょう。
あさこさんがゆうひさんに向かって言う「死にたいのか?」を聞きたかったので、それだけはすごく残念でした。
『昇天』の場面のトートとエリザベートの笑顔に号泣
トートとルドルフの死のキスはありませんでしたが、一番最後の『昇天』の場面でのトートとエリザベートのキスはちゃんとありました。
そして、トートとエリザベートの抱擁を見て、そのあまりにも幸せそうな2人の笑顔に涙が止まりませんでした。
トートとエリザベートというよりあさこさんとみどりさん(大鳥れい)として見てしまっていました。
みどりさんを抱きしめるあさこさんの笑顔が、本当に愛おしそうというか大事な仲間としての絆が見える笑顔に見えました。
20年も前に同志として一緒に歌劇団で戦っていた2人が、こうしてまた『エリザベート』という作品で共演できた喜びが見えた気がしました。
なんせ2002年の花組『エリザベート』ではルキーニとエリザベートですからね。
そして2005年の月組『エリザベート』では、みどりさんがあさこさんに自分が使っていたネックレスを提供したというエピソードもありますからね。
そんなことを思い出しながらこの『昇天』の場面を見ていました。
改めて『エリザベート』の楽曲の素晴らしさに感動
さて、今回再びガラ・コンサートを生で観劇して、改めて『エリザベート』という作品の楽曲の素晴らしさを痛感しました。
一番最初のバイオリンの不穏な一音を聴いただけで、すぐに『エリザベート』の世界に入っていけます。
セットは本公演とは全く違いますが、曲を聴いてるだけで脳裏にあのセットや情景が浮かんできます。
そんな作品はそんなには無いだろうなと思います。
そして、このガラ・コンサートはアンサンブルにも歌の上手な人ばかり出てるので、さらに聴いていて幸福感が増します。
今回2009年月組ver.の回を観劇できて懐かしい思いに浸れたのと同時に、『エリザベート』の素晴らしい楽曲に包まれたのも幸せでした。
読んで頂き、ありがとうございました。
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