星組東京公演の感想と気になる次の全国ツアー公演

先日東京宝塚劇場に星組公演『めぐり会いは再び next generation』『Gran Cantante!!』を観に行ってきました。
昨年から宝塚を観始めた友人と観ました。
『めぐり会いは再び』はシリーズ第3弾ですから少し心配しましたが、十分楽しんでいました。

お芝居『めぐり会いは再び next generation』について

何も考えずに楽しめるハッピーラブコメでした

2011年の第1弾、2012年の第2弾に続く『めぐり会いは再び』シリーズ第3弾として作られた今回の『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人-』。
第2弾で登場したオルゴン伯爵家の次男ルーチェ(礼真琴)を主人公にして、前回は名前だけ登場したガールフレンドのアンジェリークとの恋模様を描いた作品です。

NOW ON STAGEでこっちゃん(礼真琴)が言っていた通り「ルーチェとアンジェリークの口喧嘩が元になって国を巻き込んだ大事件になり、その大事件の末二人が仲直りする」というお話です。

ルーチェ以外にも前の作品に登場したユリウス(天寿光希)、ブラン(白妙なつ)、レオニード(音波みのり)、フォーマルハウト(美稀千種)、マダム・グラファイス(万里柚美)がそのまま出ています。

他の出演者にも前の作品で出ていた役に縁のある役がたくさんあるのもシリーズファンにとっては嬉しい点です。

「コスモ王国(宙組)の王になったエルモクラート先生(真風涼帆)」や「同じくコスモ王国へ行ったケテル(芹香斗亜)」といった台詞も楽しかったですが、今回が初見の人にとっては何のこっちゃ?という感じだろうな〜とは思いました(笑)

でもそんな伏線を全く知らなくても、主演コンビが紆余曲折の末に幸せになるというハッピーラブコメディで、何も考えずに楽しめました。

作品としては若者のモラトリアムからの脱却と成長というテーマがありましたが、それを含めてハッピーエンドになる展開がよかったです。

ちょっと気になったのは、あまりに役が多すぎて予備知識なしに観るのは少し辛いものがあるかもな〜ということと、花婿選びの場面や最後の立ち回りの場面がかなりワチャワチャしていてちょっと長すぎるな〜という印象があったこと。

でもこういう場面も何度も観る人にとっては、今日はあそこの人たちを観ようとか、今回はどんなことをやってくれるかな〜といった楽しみ方があるんだろうなと思いました。
まあ、とにかくルーチェ(礼真琴)とアンジェリーク(舞空瞳)の二人が可愛いのと、歌やダンスの見せ場もあって大いに楽しめる作品でした。

退団者へのはなむけシーンもたくさん

この公演で天寿光希音波みのり華雪りらの3人が退団します。
その3人へのはなむけ的なシーンもたっぷりありました。

華雪りら

こりらちゃん(華雪りら)は役名としてはプリンセス・ネージュという花婿選びに参加する仮のプリンセスの一人で、それほどは目立っていませんでした。

でもお芝居冒頭の17年前のシーンで、ルーチェの母であるオルゴン伯爵夫人を演じていて、のちにルーチェのトラウマとなる母の臨終という重要な場面を任されていました。

音波みのり

はるこちゃん(音波みのり)は第1弾から登場しているレオニード役。
今回恋愛指南役としてルーチェとアンジェリークの恋の行方に一役買う重要な役です。

終盤に男性に変装するところで、第1弾で着ていた衣装をそのまま着ていたのが小柳奈穂子先生の粋な計らいという感じでした。

そして、その格好でアンジェリーク(舞空瞳)に助言する場面がありました。
これまで長く星組を支えてきたはるこちゃんが、トップ娘役のなこちゃん(舞空瞳)に星組の未来を託しているような感じに見えて胸が熱くなるシーンでした。

天寿光希

てんてんも第1弾から登場しているオルゴン家の執事ユリウス役です。
このユリウスがまたいい役です。

第2弾でもこっちゃん(礼真琴)のルーチェとのお芝居がありましたが、今回も銀橋をルーチェと二人で渡りながらルーチェを諭し励ます場面がありました。

冒頭の母親を亡くした子供の頃からルーチェを見守り続けてきた執事のユリウスが、大人になろうとしているルーチェの背中を押すというのが、普段のてんてんとこっちゃんの関係を思わせます。

サヨナラ番組で、ここの場面は毎回泣いてしまいそうになるとてんてんが話していました。

二人で話しながら銀橋を渡りきった後、なぜか上手の花道で二人で小芝居しているのにはちょっと笑っちゃいましたが…(笑)

舞台上の下手の方でアンジェリークとレオニードがやり取りしている間、ずっと二人が小芝居しているんです。
壁に頭を押し付けて落ち込んでいる様子のルーチェを励ましている風だったり、そうかと思ったらユリウスまで壁に頭を押し付けていたりするのがすごく気になりました。
ここでいったい何を話しているのか、どんな小芝居をやっているのか聞いてみたいです(笑)

第4弾もありそう!?

お話はアンジェリークの秘密が明らかになり、宰相オンブル(綺城ひか理)の国家を揺るがす企みが暴露されて、なんやかんやあって解決します(笑)
その解決に至る展開はちょっと強引な感じもしましたが…

そして、最後に次につながる伏線が思いっきり張られてお芝居が終わったのにはかなりびっくりしました。
「え〜っ、これは第4弾に続くってこと〜!?」
と思いました。

そういえば最初の方から何度も大怪盗ダァトの名前が出てきていました。
結局そのダァト本人は出てこないんですが。
第4弾でそのダァトが活躍するお話になるのかな〜と思いました。

もしかしてもうすでに第4弾の予定が決まっているんでしょうか?
それとも第4弾を作りたいな〜という小柳先生の願望?

第1弾と第2弾のようにもし来年第4弾が作られるとしたら、大怪盗ダァトはありちゃん(暁千星)がやるのかもと想像しちゃいました。
それとも今回出ている誰かが主演になって大怪盗ダァトと対決するお話を何年か後にやったりして。

なんていろいろと想像がふくらむ幕切れでした。

ショー『Gran Cantante!!』について

『Gran Cantante!!』は文句なく楽しめるショーでした

スペイン語で「素晴らしい歌い手」というタイトルがピッタリなこっちゃん(礼真琴)の美声が思いっきり堪能できるショーでした。

こっちゃんだけでなく専科の美穂圭子さんの歌声も素晴らしい。

二人のデュエットはずっと聴いていたいと思うほど耳福でした〜

そして歌だけでなくトップコンビをはじめとしたダンスシーンもすごいの一言!
歌とダンスを堪能している間にあっという間に終わってしまいました〜

瀬央ゆりあが大活躍

そんな礼真琴のためのショーという感じの『Gran Cantante!!』ですが、せおっち(瀬央ゆりあ)が大活躍していました。
正式な2番手扱いをされていないせおっちですが、このショーでは間違いなく“2番手”でした。

まずプロローグでは皆んなが白い衣装の中せおっちは濃い紫の衣装で一人違う色のマントを振ります。

そして、プロローグの後の「セビーリャの春祭り」の場面ではカッコいい馬に扮してセンターで「ニンジン娘」を歌い踊ります。

中詰めの宝塚スペインメドレーでは一人で銀橋を渡りながら『哀しみのコルドバ』の主題歌を歌い、群舞でもキレッキレのダンスで魅せてくれました。

そうかと思うと、こっちゃん扮するマタドールを誘惑する牝牛トロSになって妖しくこっちゃんに迫ったりして。
最後に角でこっちゃんを突き刺して殺した後のニヤリとした顔にゾクゾクっときました。

その後すぐに男役に戻って登場してきたのですが、あまりの早替りにビックリ!
こっちゃんも何度か早替りの場面があったんですが、それ以上に短い時間での早替りにせおっちすご過ぎるって感動しちゃいました。

中詰めの最後では、トップコンビとせおっちの3人で銀橋を渡って、3人で肩を組んだりするところもあって、そこにも感動。

衣装も他の男役と同じようなものでもせおっち一人だけキラキラの飾りが付いていて、そこでも2番手扱いよね〜と思って見ていました。

パレードの階段降りももちろん2番手男役の位置で降りてきました。

ただ例の物議を醸した半分だけの羽根はなこちゃん(舞空瞳)のと比べてもやっぱり小さかったです。
そこで、正式な2番手男役ではないんだな〜と実感しちゃいました(涙)

それでも、これだけせおっちが大活躍するのを見られたのは嬉しかったです。

退団者も大活躍

もちろん退団者3人のはなむけシーンも用意されていました。

こりらちゃん(華雪りら)は冒頭から祭りの妖精的な役で通しで出ていましたし、はるこちゃん(音波みのり)はダンスでこっちゃんをはじめいろんな男役さんと組んでいました。
そして、てんてん(天寿光希)はマタドールの親方マエストロとしてソロで歌う場面もありました。
パレードではなんとエトワールも!

これにはてんてん自身も先生の愛情を感じたと話していましたし、てんてんのファンの人にとってもものすごく嬉しいことだったでしょうね〜

そして、グッと胸に迫ったのは終盤で退団者の3人がせりの上に並んでスポットライトを浴びたシーンです。
あそこはやはりウルウルきてしまいました。

全国ツアー『Gran Cantante!!』はどうなる?

さて、この『Gran Cantante!!』は9月1日からの全国ツアーでも上演されます。

退団者の3人はもちろんいませんし、バウホール公演の『ベアタ・ベアトリクス』のメンバーもいなくなります。

そして、月組から組替えしてくるありちゃん(暁千星)がこの公演から星組生として参加します。
かなり様相が変わることでしょうね。

『ベアタ・ベアトリクス』で主演するしんくん(極美慎)が中詰めの最初にせり上がりして一人で銀橋を渡るという名誉なシーンを与えられていましたが、そのシーンはきっとありちゃんが任されるのではないかと思います。

そして、おそらくてんてんがやっていたソロの場面も、もしかしたらエトワールもありちゃんになるのかもしれません。
そうするとパレードの階段降りでの番手ぼかしができますね(苦笑)

あと気になるのは羽根がどうなるのかということです。
せおっちの羽根はきっと変わらないと思うので、ありちゃんの羽根がどうなるかということですね〜
もしエトワールなんだとしたら羽根はなしになるのか、小さな3番手羽根を付けるのか。
こればっかりは始まってみないとなんとも言えません。

まだ東京公演も終わっていないのに、早くも全国ツアーのショーのことが気になってしまいました。

  

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