暁千星主演『夜明けの光芒』映画版をもとに配役を見てみる

ありちゃん(暁千星)主演の『夜明けの光芒』のすべての配役が先週出ました。
ヒロインは誰だろう?と思っていたら、103期のちなちゃん(瑠璃花夏)がちゃんと波線上に名前が載っていて、おめでとうという声が多数上がっていたのが嬉しいです。

配役も出たことだし、原作の「大いなる遺産」の映画を観てみました。
映画を元にそれぞれの役について考察したいと思います。

映画「大いなる遺産」を観て『夜明けの光芒』の登場人物を考察

『夜明けの光芒』はチャールズ・ディケンズの代表作「大いなる遺産」を原作に、鈴木圭先生が新たなミュージカル作品として作った作品ということです。

「大いなる遺産」は1990年に月組によって上演されたことがあります。
その時の主演は剣幸さん、ヒロインのエステラはこだま愛さんでした。

「大いなる遺産」はこれまで何度も映画化されていますが、今回私が観たのは2012年のイギリス・アメリカ合作映画です。

主人公のピップはジェレミー・アーバイン
他にヘレナ・ボナム・カーターレイフ・ファインズロビー・コルトレーンといった錚々たる俳優陣が出演していました。
原作について解説した記事も参考にしながら観ましたが、かなり原作に忠実に作られているようでした。

主人公とヒロインについて

暁千星:フィリップ・ピリップ(ピップ)

主人公は本名フィリップ・ピリップ、通称ピップです。
幼い頃に両親を亡くし、鍛冶屋を営む姉のジョージアナとその夫のジョー・ガージャリーに育てられています。

まだ少年の頃のある日墓場で脱獄囚に出会い、家から持ち出した食べ物とやすりを与えたところから物語が始まります。

その後裕福なミス・ハヴィシャムの屋敷に養女エステラの遊び相手として招かれ、一目で美しいエステラに惹かれて、彼女に釣り合う紳士になりたいと思うようになります。

成長して鍛冶屋としてジョーの徒弟となった頃、莫大な財産の相続人に指名されたと訪れた弁護士に告げられ、ロンドンで紳士になるためジョーの元を離れます。

ロンドンに立つ前にミス・ハヴィシャムへ挨拶に行った時にさらに美しく成長したエステラに再会して、強く思いを募らせるようになりますが、エステラからは冷たい態度を取られます。

ロンドンでは親友もでき、紳士になるための勉強をするうちに田舎者だったことを恥じるようになっていきます。

ロンドンにやってきたエステラに再び思いを告げますが、やはり冷たくあしらわれてしまいます。

遺産の贈り主の名は秘密で、詮索するなと言われていましたが、ある日ピップの元にその遺産の贈り主が訪ねて来て、そこからまた大変な事態に進展していくんですが…

映画を観てありちゃん(暁千星)にぴったりな役だなと思いました。
純粋な心と青年らしいやんちゃさを持ったピップをありちゃんで観るのが楽しみです。

少年の頃のピップは藍羽ひよりちゃんが演じます。

瑠璃花夏:エステラ

ミス・ハヴィシャムの美しい養女で、少女の頃にピップと出会います。

実は世の男たちに復習するために冷酷な性格になるように育てられたため、ピップに対しても終始冷たい態度を取ります。
出生に関してはエステラ本人も知らない複雑で劇的な秘密があり、物語の終盤にそれが明らかになります。

ピップの求愛を受け入れないのは、根底にあるエステラの優しさなのかなと思われました。

複雑な心情を表すお芝居が求められる役かなと思います。
ちなちゃん(瑠璃花夏)のお芝居が楽しみです。

少女の頃のエステラを演じるのは乙華菜乃ちゃんです。

その他の登場人物について

天飛華音:ベントリー・ドラムル

ベントリー・ドラムルはピップがロンドンに来てから知り合った裕福な家の息子で、冷酷な性格の持ち主です。
ピップのことを田舎者と蔑み、終始反目し合っています。

弁護士のジャガーズがエステラの相手にと選び、エステラの婚約者となります。

月組版『大いなる遺産』では久世星佳さんが演じていた役です。
今回かのんくん(天飛華音)が演じるということは、出番も多くさらに重要な役になるのではないでしょうか。

完全にありちゃん(暁千星)の敵役ですね。

稀惺かずと:ハーバート・ポケット

ロンドンに来てからのピップの親友です。

ミス・ハヴィシャムの親戚で、実はピップとは少年の頃にミス・ハヴィシャムのお屋敷で出会っていて、ハーバートがエステラの悪口を言った為に決闘をしたことがあります。

ピップにミス・ハヴィシャムの過去について教えてくれたり、紳士になるためのいろいろなことを教えてくれたりと、何かとピップを助けてくれます。

月組版『大いなる遺産』は1990年で涼風真世さんが演じられたということなので、二番手の役だったんですね。
今回つんつん(稀惺かずと)が演じるので、役の比重的にはドラムルの方が上になるのかもしれません。

でもロンドンに来てからは常にピップと一緒にいる役なので、とてもおいしい役だと思います。

美稀千種:ジョー・ガージャリー

ピップの姉ジョージアナ(澪乃桜季)の夫で、この作品の中での一番の善人です。

ジョージアナがしつけと称してピップに辛く当たるのに対して、ピップのことを「相棒」「親友」と呼んで、常にピップの味方でいてくれます。

ピップを鍛冶職人として一人前にして一緒に鍛冶屋を営んでいくことを願っていましたが、ピップがロンドンに行くことを認めてくれますし、ロンドンでピップから横柄な態度を取られて怒って帰ったりしても最後までピップを見捨てませんでした。

ジョージアナの死後はピップの幼馴染のビディ(綾音美蘭)と結婚します。

輝咲玲央:エイベル・マグウィッチ

物語の発端となった脱獄囚の一人です。

墓場でピップに会って、食べ物とやすりを持ってくるように命じますが、捕まった時には自分が盗んだとピップをかばいます。
コンペイソンに悪の道に引き込まれた為に罪を犯したんですが、実は優しい心の持ち主です。
たくさんの秘密がある役です。

前回の『RRR』のスコット総督がとんでもない悪役だったので、輝咲さんの演じる善人のマグウィッチは楽しみです。

七星美妃:ミス・ハヴィシャム

大きなお屋敷満足荘で隠遁生活を送っている独身の女性で、エステラの養母。

若い頃コンペイソンに騙され結婚式当日に逃げ出されてから、世の男たちに復習しようと思い続けている変人です。

ピップを屋敷に招いたのも、本当はエステラに悩まされるピップを見たいからということでした。
でもそのために25ギニー支払ってくれたので、ピップは遺産をくれる恩人はミス・ハヴィシャムだと思い込んでいました。

映画でのヘレナ・ボナム・カーターの怪演がすごかったので、七星美妃ちゃんがどんなミス・ハヴィシャムを見せてくれるか楽しみです。

朝水りょう:ジャガーズ

ピップに莫大な財産の相続人に指名されたと告げに来るロンドンの弁護士です。
ミス・ハヴィシャムの顧問弁護士もやっています。

一見非常に冷淡に見えますが、実は依頼人の希望を一番に考えて行動する人です。

紫りら:モリー

ジャガーズの家の家政婦で、殺人を犯したけれどジャガーズに助けられた過去があります。

この人にも重大な秘密があります。

夕渚りょう:コンペイソン

この作品での一番の悪人です。

コンペイソンのせいでミス・ハヴィシャムもマグウィッチもモリーも不幸になったというすべての元凶です。
最後まで悪いです(笑)

しも(夕渚りょう)にとってこれほど悪い役は初めてではないでしょうか。
挑戦の役となりそうですね。

配役にはない役も

『夜明けの光芒』の配役表にはなかった役も映画にはいくつかありました。

ピップの叔父パンプルチェックも配役表にはないですが、けっこう出番がありました。
ジャガーズの弁護士事務所の事務員のウェミックはロンドンでのピップの親しい友人で、とても人情的な人ですが配役表になかったです。
それとハーバートの婚約者クレアラもいました。

これらの役は1990年の月組版『大いなる遺産』ではあったので、役のついていない出演者が演じる可能性もありますね。

 

映画は観終わった後とても爽やかな気分になった作品でした。
最後はとても余韻の残る希望を感じる終わり方だったのもよかったです。

ピップとエステラの関係は王道の宝塚らしい主役とヒロインの関係性とは違うものではあるけれど、心の機微が感じられるなんとも言えない関係です。

ありちゃんとちなちゃんでピップとエステラを観るのが楽しみになりました。
チケットは取れなかったんですが、これはぜひライブ配信で観たいと思います。

  

読んで頂き、ありがとうございました。

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