昨日11月1日に星組宝塚大劇場公演が千秋楽を迎え、今日のタカラヅカニュースでその模様が放送されました。
2番手で退団となる愛ちゃん(愛月ひかる)のサヨナラショーも一部放映されました。
星組 宝塚大劇場公演 『柳生忍法帖』『モアー・ダンディズム!』千秋楽
タカラヅカニュースでは千秋楽公演のダイジェスト映像と愛ちゃん(愛月ひかる)のサヨナラショーも流れました。
愛月ひかるサヨナラショーでは『うたかたの恋』も
2番手男役の退団公演なので、約15分のサヨナラショーも開催されました。
セットリストは新人公演初主演だった『誰がために鐘は鳴る』や初舞台公演の『シークレット・ハンター』、今年主演した『マノン』、星組生として初めて出演した『Ray』より「You Are My Sunshine」、初東上主演『不滅の棘』などから選ばれました。
そして、とっても印象的だったのが、なこちゃん(舞空瞳)と二人で再現した『うたかたの恋』のプロローグの場面。
ルドルフの衣装の軍服を着て、冒頭の台詞「マリー、来週の月曜日、旅に出よう」から始まってました。
タカラヅカニュースではカットされていましたが、最後の銃声と真っ赤な照明まで再現されたようです。
『うたかたの恋』のルドルフ役は愛ちゃんがずっとやりたい役として宝塚おとめに書いていた役です。
それを知った岡田敬二先生が今回のショー『モアー・ダンディズム!』で愛ちゃんにルドルフを思わせる真っ白な軍服を着る場面を作ってくれたんでした。
それがサヨナラショーでは、愛ちゃんの希望がかなってワンシーンですが演じることができたわけですね。
実際に演じたことがない役をサヨナラショーでやるのは異例なことではないでしょうか。
でもその姿をファンに見せたいと思った愛ちゃんのファンへの愛も感じますし、それを入れてくださった演出家の先生の愛情も感じます。
が、できれば公演で演じさせてあげたかったです…
愛月ひかるの退団ご挨拶
退団者6人の中で最後に大階段を降りてきた愛ちゃん。
同期からのお花私は宙組で一時期一緒だったキキちゃん(芹香斗亜)でした。
愛ちゃん(愛月ひかる)のご挨拶は
「宝塚に出会ってから、宝塚が私のすべてでした。こんなにも夢中になれる自分のすべてをかけたいと思える場所に出会えた私は本当に幸せ者です」
「憧れが強すぎるがゆえに葛藤することもたくさんありましたが、常に見失わなかったのは宝塚を好きだという気持ちです。その気持ちと宝塚の男役を極めたいという志がなければ、今の私は存在しないと思っております」
ととても宝塚愛に満ちたものでした。
そして、
「男役に完成はありません。東京公演の最後の日まで自分の男役像を作り上げてまいります。この大好きな宝塚大劇場とお客様に心から感謝の気持ちを込めまして、本当にありがとうございました」
と全く涙はなく最後まで晴れやかな笑顔でのご挨拶でした。
常に男役の品格を大事にし、男役を極めたいと進んできた愛ちゃんらしいご挨拶でした。
愛月ひかると礼真琴のやり取り
こっちゃん(礼真琴)は千秋楽のご挨拶で
「濃い時間を過ごしてきた仲間たちの卒業、悲しくないわけがありません」
と退団者を振り返って話しましたが、自分でも言っていたとおり涙は我慢していたようです。
その後のカーテンコールでも
「サヨナラショーの短い間でも『男役とは』というものを、見せていただいて学ばせていただけたのは幸せ。東京の千秋楽まで、愛さんの男役像を見て学んで少しでも多くのことを吸収したいです」
と愛ちゃんのことを語っていました。
なぜかオネエ言葉まじりでしたが(笑)
サヨナラショーの「You Are My Sunshine」で二人がハグしてたのも素敵な光景でした。
愛ちゃんが星組に組替えしてきた2020年の『眩耀の谷』『Ray-星の光線-』の時から、その前の専科生として出演した2019年5月の全国ツアーからこっちゃんと愛ちゃんは濃い時間を過ごしてきたんだろうなと思います。
これまでもお互いかけがえのない存在だという話をしていましたね。
トップスターに就任した直後にコロナ禍になって不安な時期を過ごしていたであろうこっちゃんにとって、2学年上級生の愛ちゃんが2番手としていてくれたことは本当に心強かったのではないかと想像します。
そして、愛ちゃんにとってもトップでありながらいつも自分を立ててくれるこっちゃんは大切な存在だったんではないでしょうか。
「星組生として卒業できることを誇りに思います」と言った愛ちゃんに向けたこっちゃんの感極まったような表情が全てを物語っていると思いました。
恒例の「星組パッション!」をやるこっちゃんの横ですごく嬉しそうにニコニコしていた愛ちゃんの顔が素敵でした。
タカラヅカニュースではカットされてしまってましたが、緞帳前にこっちゃんが出てきて
「スペシャルゲストです!」
と愛ちゃんを呼んでくれたそうです。
その後まるで漫才のような二人のやり取りが繰り広げられたそうです。
礼&愛月トーク
愛 「こっちゃんと踊ってると自分まで踊れている気がする。だからいつか骨折するかもしれない。『すっごい飛んでる』って思う。飛んでる?」
礼 「すっごい飛んでます!」
愛 「だからこっちゃん効果だ!」
礼 「違いますよ!」#星組 #礼真琴#愛月ひかる— サンスポ大阪 芸能班 (@sanspooskgeino) November 1, 2021
いつかスカイステージで千秋楽が放送される時に観られることを期待しています。
愛月ひかるの2番手退団に思うこと
2番手が必ずしもトップにならない時代
私が初めて宝塚を観た頃、日向薫さんや紫苑ゆうさんの時代には4番手くらいまで明確で、順番にトップになるのが当たり前でした。
天海祐希さんは例外中の例外でしたが、その天海祐希さんの退団後は久世星佳さん以降に順にバトンが引き継がれていきました。
それだけに、2010年に当時雪組の2番手だった彩吹真央さんの退団発表には衝撃を受けました。
新人公演でも小劇場公演でも何度も主演を務めていた彩吹真央さんは当然、トップに就任されるものと思いこんでいました。
その後、水夏希さんが退団発表で全身黒で会見に登場されたことも憶測を呼びました。
彩吹真央さんの『ソルフェリーノの夜明け』『Carnevale』は秀作でしたが、宝塚でも東京宝塚劇場でも劇場全体を異様な雰囲気が覆っていました。
その彩吹真央さんの退団公演で2番手男役のサヨナラショーが初めて開催されましたが、ファンにはそれを前向きに捉えることは難しかったです。
その後は、星組で涼紫央さんが2番手を務められました。
ここから上級生2番手(=2番手で退団)が、一つの形となっていきました。
月組の美弥るりかさん、花組の瀬戸かずやさん、そして今回の愛ちゃん。
もう2番手で退団することは珍しいことではなくなりました。
あの彩吹真央さんが2番手で退団された以上、その後の上級生2番手の退団は受け入れざるを得ないと考えるようになりました。
トップ就任を嘱望され番手を上げたスターが必ずしもトップにならない時代
それでも愛ちゃん(愛月ひかる)は特別です。
いささか失礼なのは承知の上で申し上げると、他の上級生2番手の方と愛ちゃんとは状況が異なります。
新人公演で4度も主演し、小劇場公演でも3度の主演を経験したスター中のスターです。
トップスター就任のジンクスを持つ『エリザベート』のルキーニ役も演じています。
あの時点で、愛ちゃんのトップ就任を期待しないファンはいなかったはずです。
それが、宙組から専科へ異動となりました。
これで、ファンには暗雲が立ち込めました。
専科が何を意味するのか、期待と失望が入り混じった異動でした。
そこから星組へ上級生2番手として異動が決まりました。
その時点で愛ちゃん自身は退団を決めていたと話していましたね。
今回の愛ちゃんの退団で、新らしく2番手の退団パターンが生まれたのではないでしょうか。
『ロミオとジュリエット』の「死」の役で圧倒的な存在感を見せてくれました。
星組2番手として大劇場公演3作のみでの退団はものすごく残念です。
できればもう少しこっちゃんを支えてほしかったです。
でも愛ちゃん自身は「一番充実している時期に、惜しまれて辞めたい」とインタビューで答えていました。
愛ちゃんにとっては、この公演で退団することがよいことだったんですね。
愛ちゃんがトップになれなかったのは、タイミングとか周りの状況が大きいと思います。
人気や技量では問題なかったと私は思っています。
トップになれなかったのは残念ですが、宝塚の2番手男役は選ばれた僅かな人たちの特別なキャリアです。
退団後もそのキャリアを活かしてこれからも活躍してほしいと思います。
と、ちょっと先走ってしまいました…
まずは東京公演で、もっともっと男役を極めて、素敵な男役像を魅せてもらいたいと思います。
私も東京宝塚劇場で観劇する予定ですので、とっても楽しみにしています。
読んで頂き、ありがとうございました。
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