真風涼帆・潤花・芹香斗亜、最高のゴールデントリオ(宙組東京宝塚劇場公演観劇)

8月21日に始まった宙組東京宝塚劇場公演も中日が近付いてきました。
Twitterでは連日のアドリブや先日のマイクトラブルのハプニングの話題で賑わっていて、それらを追ってるのも楽しいです。

宙組東京宝塚劇場公演の真風涼帆・潤花・芹香斗亜が素晴らしかった!

私はその宙組東京公演を始まって間もない先々週と、そして先週の2回観劇してきました。
一度観劇してもう一度観ると、お芝居もショーも伏線やら見逃していた場面やらを再度確認できてよかったです。

それにしても、やっぱり宙組生のコーラスは素晴らしいです。
大勢口の場面も影コーラスもレベルが高いので、耳が心地良いですし、より盛り上がるな〜と思って観ていました。

今回はお芝居の『シャーロック・ホームズ』を観て感じたことを書いてみたいと思います。

『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』の真風涼帆・潤花・芹香斗亜

『シャーロック・ホームズ』は言わずとしれた世界中にファンの多いコナン・ドイル原作の推理小説です。
シャーロキアンの間で正典と呼ばれる原作に対して数多くのパスティーシュ(二次創作)があり、宝塚版もこのパスティーシュですね。

作・演出の生田大和先生によると、原作の『ボヘミアの醜聞』『最後の事件』『ブルース・パーティントン型設計書』を軸にその他の短編長編から様々なエピソードや登場人物を取り入れたそう。
そして、ホームズの原作には出てこない実在の事件『切り裂きジャック事件』を発端にストーリーが展開されます。

盛りだくさんな内容にも関わらずとても上手くまとめられていて、各キャラクターの関係性も原作の枠からはずれず、シャーロキアンも納得の出来だったのではないかと思いました。
タカラヅカニュースに出演されたホームズ研究家の北原尚彦さんも絶賛されていました。

ポスターでもモチーフになっていた鎖が所々で重要な要素になっています。

モリアーティの一味が暗号に使っていたり、ホームズの夢の中の幻想シーンで登場人物たちが鎖を持って踊っていたり、最後のライヘンバッハの滝でホームズがモリアーティに鎖付きの手錠をかけたり。
そんなところもよくできてるな〜という感じでした。

そして、ホームズとモリアーティが滝壺に落ちた後のエンディングもどういう風になるのかなと思っていたら、とてもおしゃれな感じでまとめられてて、原作とは違っていましたがすごくよかったです。

稽古場情報で楽しい感じでって言ってたのはこういうことか〜と思いました。

あと、幕が降りる直前のシーンがすごく美しくて、素敵な余韻の残るエンディングでした。

真風涼帆:シャーロック・ホームズ

私は『シャーロック・ホームズ』の原作も何作か読んでいましたし、ドラマや映画など二次創作の物もたくさん見てきましたが、一番好きなのが英国グラナダTVのジェレミー・ブレットがホームズ役を演じた『シャーロック・ホームズの冒険』です。
今またNHKプレミアムで再放送されていますね。

ジェレミー・ブレットのホームズは原作のイメージそのままで、頭脳明晰だけど奇人変人で周りを振り回すし、事件解決に関する事以外には興味を示さない。
ゆりかちゃん(真風涼帆)のホームズもそんなところがよく表されていました。

考える時のポーズも同じだ〜とか、事件が起こらず退屈して壁にヴィクトリア女王を表すV.R.のアルファベットを拳銃で撃ち抜いたりしたのもドラマで見ていたので嬉しかったです。

それと、ホームズの異常な性格の数々をずんちゃん(桜木みなと)演じるワトスンが歌で列挙したのも楽しかった。

ただ、ジェレミー・ブレットのホームズと比べるとゆりかちゃんのホームズは常識的で良い人感が溢れていました(笑)

原作のホームズも正義を重んじるし、依頼人への思いやりを示したりもするので、宝塚版のホームズはそちらの面を強調した役作りになってるな〜という印象でした。
ゆりかちゃんらしいホームズでした。

Twitterでは221Bの部屋でホームズが「退屈だ〜」と言いながらやるアドリブがレポートされていますが、私が見た2回ともあまりアドリブらしいものは無かったので、それはちょっと残念でした。
貸切公演などでは凝ったアドリブがあるみたいですね。

潤花:アイリーン・アドラー

スカラ座のオペラ歌手で、実は裏では詐欺やスパイ活動も行っているという設定のアイリーン・アドラー。

原作では『ボヘミアの醜聞』の1回のみに出てきて詐欺師やスパイなどではないですが、二次創作ではそういう設定もあるようです。
今回の宝塚版でもそういう設定になったんですね。

じゅんはなちゃん(潤花)のアイリーンは幕開きからすっしーさん(寿つかさ)演じるウィリアムズ大臣を騙して潜水艦の設計図を盗むところなど、男を手玉に取る感じがとっても上手でした。

そして、モリアーティに脅されてホームズに助けを求めるところでは、女の強さと弱さを上手く演じていたな〜と思いました。

普段のフワフワしたじゅんはなちゃんとはまるで違って、お芝居になると化けるな〜という印象です。

それと歌も以前に比べると格段に上達したなと思いました。
元々ダンスは上手ですしお芝居も上手いので、これに歌唱がもっと上達すると完璧な娘役になりますね。

芹香斗亜:ジェームズ・モリアーティ

今回一番感心したのがキキちゃん(芹香斗亜)のモリアーティ教授です。

原作では老人ですが、キキちゃんのモリアーティはホームズと同年代に見えますし、髪の毛がシルバーなのでもっと年上にも見えます。

キキちゃん曰く年齢不詳を目指したそうです。

声は意識して高めにしているようで、それが余計にサイコパスな不気味さを出していました。

登場時の台詞が「こんなにワクワクしたのは初めてだ」で、終始悪いことが楽しくて仕方ないという感じで笑顔をたたえています。
それがまた怖いです。

キキちゃんは「ライヘンバッハの滝でホームズに手錠を掛けられるまでずっと楽しくてワクワクしている」と言ってました。

敵役はこれまでもやってきましたが、ただただ悪い役がずっとやってみたかったそうで、キキちゃん自身も楽しくて仕方ないという感じで演じているのが見て取れました。

その他の濃いキャラクターたち

メインの3人以外にも濃いキャラクターが揃っています。

まずはずんちゃん演じるホームズの相棒ワトスン。

原作のワトスンはもうちょっとホームズを邪険にするし、俗っぽいところもあるのですが、ずんちゃんのワトスンはひたすら可愛かったです。
そういう感じがまたずんちゃんに合っていました。

ホームズに振り回されながらも面倒を見て、ホームズが散らかした部屋を片付けて回るところも可愛らしかった。

そして、じゅっちゃん(天彩峰里)演じる恋人のメアリーとのラブラブ感が、緊迫するストーリーの中でもほっとする癒やしの場面でした。

そらくん(和希そら)演じるレストレード警部は、ホームズを苦々しく思いながらも実はホームズの能力をかっていて頼りにしちゃう、そしてちゃっかり手柄は自分のものにしちゃうところが原作のままでした。

ららちゃん(遥羽らら)のハドスン夫人がいい味出してました。

221Bでゆりかちゃんがやるアドリブはセットの裏でスタンバイしていて見えなくて、声を頼りに対応していると退団番組でららちゃんが明かしてくれました。
毎回どんなアドリブが出るかドキドキしているそうです。

私が観た回は、怒ってホームズの帽子を投げるのにその帽子がなかなか取れなくて、何回もぴょんぴょん飛んでたのが可愛かったです(笑)
この公演で退団してしまうのが惜しいです。

他にもホームズの兄のマイクロフト役のりんきらさん(凛城きら)や、モリアーティの兄のモリアーティ大佐役のしどりゅー(紫藤りゅう)もすごくよかったです。

あとはすっしーさんをはじめとする英国政府の重鎮たち、モリアーティ一味の幹部たち、レストレード警部の部下たちなどなど、たくさんの登場人物がいますが、それが皆個性的で存在感あって皆んなが活躍していました。
その個性的な宙組生たちがトップコンビと2番手のゴールデントリオを支えていますね。

真風涼帆・潤花・芹香斗亜はまさにゴールデントリオです!

NOW ON STAGEでも何度かゴールデントリオという言葉が出ていましたが、今の宙組のトップコンビと2番手のゆりかちゃん・じゅんはなちゃん・キキちゃんは本当にゴールデントリオだな〜と思います。

まずゆりかちゃんとキキちゃんが星組時代から一期違いで、下級生のときから一緒に切磋琢磨してきた仲で、今でも本当に仲がいいのが分かります。

そこに新しくトップ娘役になったじゅんはなちゃんが入った訳ですが、そのじゅんはなちゃんが良い意味で下級生下級生していなくて、二人と一緒になって楽しんでいるのがすごくいいな〜と思います。

これはショーの場面の話になりますが、

黒燕尾のタンゴの場面で組んで踊っているゆりかちゃんとキキちゃんが、毎回こっそりと二人だけの会話をしているとNOW ON STAGEで話したときのこと…

その会話は「毎回違うんですか?」と訊いたじゅんはなちゃんに「毎回違うよ」「違うよ」と答える二人。
それを聞いて、「は〜いいな〜」ともだえるじゅんはなちゃん(笑)
そういうじゅんはなちゃんを「この、リアクション女王」とからかうゆりかちゃんとキキちゃん。
3人の関係性がすごくいいことが伺われました。

お芝居でも3人の場面がありましたが、丁々発止の場面で緊迫感ある場面ながら、その3人の関係性が良い雰囲気を出しているのかなという印象です。

もう一つ『トライアングル・インフェルノ(幾何学模様)』という言葉も公演解説などで使われていますが、この3人を表す印象的な言葉ですね。

ラストシーンの3人を見てこの言葉が頭に浮かびました。

まどかちゃん(星風まどか)の時も素敵な三人でしたが、じゅんはなちゃんに代わってまた違う魅力が感じられます。

これからもこの3人で作品を観たいなと思いますが、次の別箱作品がトップコンビとキキちゃんは別なんですよね〜

その次の『NEVER SAY GOODBYE』がまた楽しみです。

  

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