極美慎の初バウ主演『ベアタ・ベアトリクス』公演に3つの期待

星組は東京宝塚劇場公演が始まっています。
私は東京で観劇するので、タカラヅカニュースの稽古場情報やその他の公演に関する情報を見ながら観劇の日を心待ちにしています。

ところで、星組の東京公演後の別箱公演についてもちょこちょこと情報が出てきつつあります。
極美慎初バウ主演の『ベアタ・ベアトリクス』のポスター画像も解禁されました。

しんくん(極美慎)の初バウ主演作で、熊倉飛鳥先生のバウホールデビュー、そして躍進目覚ましい若手の共演、興味深い題材と楽しみな要素がてんこ盛りな公演です!!

極美慎への期待

初バウホール主演

9月8日から9月19日の日程でバウホールで上演される『ベアタ・ベアトリクス』は星組極美慎の初バウホール主演作品です。

しんくん(極美慎)は2017年の研4の時に「ベルリン、わが愛」で新人公演初主演。
100期生では一番乗りでした。
2019年の「霧深きエルベのほとり」では2度目の新公主演。
そして、2020年2月には各組1名ずつの万博アンバサダーに選出されました。

しかしその後、同期の聖乃あすか風間柚乃、そして一期下の縣千といった同じ万博アンバサダーの面々がバウホール主演を果たしていったのに、しんくんにはなかなか回って来なくてちょっとやきもきしていました。
いま考えれば、星組は別箱公演で轟悠さん主演の公演が2つもあったので仕方がない面もあるのかもしれませんが…
それだけにしんくんのバウ主演が発表された時はすごく嬉しかったです。

ポスター画像を見て思う

つい先日『ベアタ・ベアトリクス』のポスター画像が公開されました。

少し前に公開された先行画像と同じ衣装ですが、先行画像のしんくん(極美慎)がにこやかに笑っていたのに比べて、ポスター画像の方は雰囲気のあるシリアスな表情です。
後述するように作品の内容はシリアスなようですので、ポスターの表情の方が作品に合ってるのかもしれません。
それにしてもどちらのしんくんも本当に美形です。

また19世紀半ばのイギリス風の衣装と長髪のカツラがすごく似合っています。
私はこの表情にしんくんの表現力の豊かさを感じました。

下級生の頃は明るくて美形だけれどなんとなく押し出しの弱さを感じていたしんくん。
ですが、ここ最近は『柳生忍法帖』の香炉銀四郎役や『王家に捧ぐ歌』のウバルド役など大きな役を任されていましたし、演技力にも磨きがかかってきたように思います。
とくに香炉銀四郎役はサイコパスな感じがすごくよかったです。

ロセッティ役はしんくんがこれまで積み上げてきた経験が活かせる役になるのではと、ポスターの表情を見て思いました。

熊倉飛鳥先生デビュー作品への期待

熊倉飛鳥先生のこと

この公演は熊倉飛鳥先生の演出家デビュー作品でもあります。

熊倉先生は2016年に宝塚歌劇団に入団し、その後2019年の花組『A Fairy Tale』、2021年の月組『桜嵐記』、2022年の宙組『NEVER SAY GOODBYE』で新人公演の演出を担当されました。

明日海りおさんと珠城りょうさんの退団公演と、一本ものの大作の新人公演を任されるところ、劇団からの期待の大きさが感じられます。

調べて見たら、慶應義塾大学の演劇サークル創像工房 in front of.で脚本・演出をされていたそうです。
その創像工房 in front of.で上演された『ねじられた周波数』という作品は評判になったみたいで、どうやらけっこうすごい先生みたいです。
役者としても舞台に立たれていたらしいです。
宝塚のお稽古場での写真を見ましたが、なかなかのイケメンでした(笑)

実在した人物たちの愛憎劇が面白そうです

『ベアタ・ベアトリクス』は19世紀半ばのイギリスの美術界を舞台に、実在の画家であり詩人でもあるロセッティの波乱の人生や人間模様を描く挑戦的なミュージカル作品ということです。
そのロセッティが代表作の『ベアタ・ベアトリクス』を描きあげるまでの愛憎劇だそう。

ロセッティについて史実を調べてみると、心身を病んで自殺を図ったりとかなり波乱の生涯だったようです。

公演解説に名前が出ているエヴァレット(ジョン・エヴァレット・ミレー)とウィル(ウィリアム・ホルマン・ハント)と「ラファエル前派」の活動を始めるも決裂してしまったりして、友人との間の嫉妬や軋轢があったり…

そして、ロセッティの芸術に深く関わったリジー(エリザベス・シダル)とジェイン(ジェイン・バーデン)という二人の女性との関係もかなり複雑で面白い。
このロセッティやその周りの人たちのことを少し調べただけでもものすごく興味深いです。

この題材に目をつけた熊倉先生はさすがだなと思いました。
すごく面白そうな作品になる気がしてめちゃくちゃ楽しみです。

近年デビューした演出家たちの活躍

最近では、2019年に雪組『PR×PRince』で町田菜花先生、星組『龍の宮物語』で指田珠子先生、2021年に花組『PRINCE OF ROSES』で竹田悠一郎先生、2021年に宙組『夢千鳥』で栗田優香先生がバウホールデビューされています。
どの作品も若い演出家の先生の新しい感性が感じられました。

とくに指田先生の『龍の宮物語』と栗田先生の『夢千鳥』は衝撃的でした。
私はどちらも何度でも観たくなるほど大好きな作品です。

指田先生は今年3月〜4月に上演された2作目の永久輝せあ主演『冬霞の巴里』でも好評価でした。
そして、栗田先生は2作目の桜木みなと主演『カルト・ワイン』が始まったところですが、SNSではすでに評判で、私も観劇を楽しみにしているところです。
熊倉飛鳥先生の『ベアタ・ベアトリクス』もそのような作品になってくれたらいいなと思います。

古典的な作品も大好きですが、将来の宝塚を考えると若い感性が光る作家の意欲的な作品の登場は必須です。
それを繰り返してこられたからこそ、宝塚はずっと続いてきたわけですから。

他のキャストへの期待

今のところ配役が発表されているのは慎くん(極美慎)のダンテ・ガブリエル・ロセッティのみです。

礼真琴舞空瞳トップコンビが出演する全国ツアー組に組長副組長やベテラン勢、路線スターの多くが振り分けられています。

ですので、『ベアタ・ベアトリクス』の出演者は95期のヒーロー(ひろ香祐)を長とする、若手の組子で構成されています。

注目株は新人公演主演経験者の碧海さりおくん(101期)と天飛華音くん(102期)ですね。

この二人が公演解説に名前が載っているエヴァレットとウィルのどちらかになると思われます。

そして、娘役でヒロイン経験者は小桜ほのかちゃん(99期)と水乃ゆりちゃん(102期)と瑠璃花夏ちゃん(103期)の3人。

この3人のうちの二人がロセッティと深く関わるリジーとジェインになるのではないでしょうか。

天飛華音

しんくん演じる画学生のロセッティは同じロイヤル・アカデミーの学生のエヴァレットとウィルと一緒に活動を始めますが、神童と呼ばれロセッティが嫉妬するエヴァレットの方が重要な役なのかなと思います。

ということで、このエヴァレット役が天飛華音くんではないかと予想します。

かのんくん(天飛華音)は『龍の宮物語』の火遠理役ですごく印象に残ったのですが、その後も『エル・アルコン-鷹-』のキャプテン・ブラック役や『マノン』のレスコー役で目を引きました。

そして、『柳生忍法帖』の新人公演で演じた主演の柳生十兵衛役で確かな実力を感じました。
間違いなく星組の次の世代を担う若手男役ですね。

しんくんとはスカイ・ステージ・トークで一緒にMCをやっていて、しんくんの弟的な関係性だと思いますが、ライバル的存在のエヴァレットという役で新たな関係性が見られると面白いなと思います。

碧海さりお

もう一人の同級生のウィルの方は碧海さりおくんだろうなと思います。

ちゃりおくん(碧海さりお)は『ロミオとジュリエット』の愛役の印象が強いです。
新人公演では主演を演じた『眩耀の谷』以上に『柳生忍法帖』の芦名銅伯役の存在感に感心させられました。

『柳生忍法帖』の新人公演では長のご挨拶もしましたが、ものすごくしっかりとしたご挨拶で、頭の良さを感じさせました。

瑠璃花夏

ロセッティが恋に落ちる帽子屋で働く娘リジーはなんとなく若手の娘役さんがよさそう。

『柳生忍法帖』の新人公演でヒロインゆらを演じた103期の瑠璃花夏ちゃんかなと思います。

すごく舞台度胸があるなという印象でしたが、初々しさもあるのがしんくんのロセッティと恋に落ちる設定が合ってるかな〜

小桜ほのか、水乃ゆり

リジーという恋人がいながらロセッティが魅了されてしまう芝居小屋の女優ジェインは99期の小桜ほのかちゃんか102期の水乃ゆりちゃんのどちらかかなと予想しました。

ほのかちゃんはしんくんより上級生ですが、史実によるとジェインは「ファム・ファタル(運命の女)」と言われているそうなので、上級生でもしっくりくるかなという予想です。

ほのかちゃんはこれまで割と清楚な女性や可愛らしい女性の役が多かったですが、妖艶なファム・ファタル的な役も見てみたいです。

水乃ゆりちゃんは品がありながらも勝ち気な女性の役の印象です。
でも『マノン』で演じたエレーナ役がジェインを思わせました。
ゆりちゃんのこういう役も合うかなと思います。

いずれにしても、まずは配役の発表が待たれます。

この公演、バウホールのみで期間も短いので、きっと生での観劇は難しいですね…泣
今はまだライブ配信の予定は発表されていませんが、もしライブ配信されたらぜひ観たいです。
ライブ配信よろしくお願いしま〜す!

  

読んで頂き、ありがとうございました。

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