星組『1789』の東京の新人公演が8月3日に行われました。
宝塚大劇場の新人公演は残念ながら中止になってしまったため、一回限りの新人公演となってしまいました。
今回主演のロナン役を務めたのは105期のつんつん(稀惺かずと)で、今回が新人公演初主演。
劇場で観劇した方やライブ配信で観た方たちのすごく好評価の感想をたくさん目にしたので、タカラヅカニュースで見られるのを楽しみにしていました。
星組 東京宝塚劇場『1789』新人公演
まず主演のロナン役のつんつん(稀惺かずと)は真ん中がとっても似合ってました。
スター性はやっぱり抜群ですね。
キラキラしていました。
本役のこっちゃん(礼真琴)と比べると農民らしさは少ないかもしれません。
どうしても育ちのよさが出てしまうのかな?…(笑)
伸びのよい歌声で、ロナンの熱い気持ちを存分に歌い上げていました。
ヒロインのオランプはつんつんと同じ105期のうたち(詩ちづる)。
新人公演ヒロインは2度目ですが、この前の「Le Rouge et le Noir」でWヒロインという形だったので経験は十分です。
上演時間の関係でソロの曲がカットになっていたのが残念ですが、ロナンとのデュエット曲が素晴らしかったようです。
可憐な容姿もオランプにぴったりです。
新人公演トークで同期ゆえにキスシーンは苦労したと話してましたが、練習の成果があったと見えてw、とても自然でよかったです。
他の出演者も星組らしいエネルギーあふれる演技で、熱い熱い新人公演でした。
とくにペイロール役(本役:輝月ゆうま)の大希颯くんと、アントワネット役(本役:有沙瞳)の瑠璃花夏ちゃんは歌唱力も素晴らしく、堂々した舞台姿が新人公演離れしていました。
本公演のキャストがみんなあまりにレベルが高いので、あのレベルに到達するのは至難の業かと思いますが、どうしてどうして新人公演も感心させられる出来でした。
稀惺かずとの新人公演主演のご挨拶
今回新人公演の長は103期の瑠璃花夏ちゃんで、とてもしっかりしたご挨拶でした。
そしてその瑠璃花夏ちゃんから紹介されて主演のつんつん(稀惺かずと)がご挨拶をしました。
つんつんは相当緊張しているようで、こわばった表情で話し始めました。
宝塚大劇場での新人公演が中止になったこと、休演者がいるため全員で舞台に立つことができなかったことを言ったうえで、一度きりの貴重な機会をいただけたことへの感謝の気持ちを述べました。
そして、
「『1789』という大作で新人公演の主演をさせていただくことにとても大きな不安と責任で押しつぶされそうでした」
「不器用すぎる自分が嫌で、何度も何度も逃げ出したくなりました」
と声を震わせながら言ったのがすごく印象に残りました。
やはりつんつんにとって相当のプレッシャーだったんですね。
舞台では全然そんな風に見えなかったけど、ご挨拶をしているつんつんの様子からそれがよく分かりました。
先生方、上級生、同期、下級生への感謝の言葉とともに、本役のこっちゃんへ
「礼さんの温かいお言葉があって、今日を迎えることができました」
と客席のこっちゃんの方をじっと見つめながら言ったのもグッときました。
その後もまた
「幕が上がる瞬間までとても不安で怖かったのですが、幕が上がりお客様の温かい拍手と眼差しをいただいた時、その不安が喜びに変わる瞬間を本日体験させていただきました」
と涙声になりながらもとっても素敵な言葉で自分の心情を語りました。
編集で切れている部分もあるので分からない部分もありますが、言葉に詰まりながら話していたように見えました。
そしてつんつんが話している間、涙で頬を濡らせながらも包み込むような笑顔でつんつんを見つめていたうたち(詩ちづる)がとても印象的でした。
同期っていいな〜と思わせてくれる光景でした。
次に幕が開いた時にもやはりまだ緊張した表情だったつんつん。
この日新人公演を終えてホッとすると同時に、課題も見つかったそうです。
「ロナンのようにいつも困難にぶち当たりながら、不器用だけど必死に生きることしかできない私ですが、こうして支えてくださり感謝の気持ちでいっぱいです」
とここでもまた自分のことを「不器用」と言ってました。
途中で客席から拍手が起こり、それにまた泣きそうになったつんつんと、それを見てお姉さんのように笑ったうたちがあまりに微笑ましくて…
最後はホッとしたのか急に明るい声になって
「本日はまことにありがとうございました!」
と言ってカーテンコールのご挨拶を終えました。
稀惺かずとの将来がすごく楽しみです
つんつんは新人公演は今回が初主演ですが、別箱公演では早くから抜擢されていい役がついていました。
タカラヅカニュースの稽古場レポートなどにも何度か出演していました。
その時の印象ではすごく明るくて元気がよくて物怖じしない子だという印象を持ってました。
ですので、今回のご挨拶での緊張ぶりはちょっと意外でした。
でも音楽学校に入った時から松岡修造さんの娘、そして高祖父が小林一三氏だということで否応なしに注目され続けてきたでしょうから、ずっとプレッシャーの中で過ごしてきたことは想像に難くありません。
その注目の中で主演をすることに他の人以上に責任を感じて不安になってしまったのかなと、ご挨拶を聞いていて思いました。
自分のことを何度も「不器用」と言っていましたが、歌も芝居もとてもレベルが高かったと思います。
実に堂々した舞台姿でした。
おそらくこれからも新人公演の主演を重ねていくことでしょうし、本公演や別箱公演でもきっと大きな役を任されるでしょう。
これからのつんつんへの期待が大きくなった新人公演でした。
本公演でもロワゼル役で大活躍しているつんつん。
『1789』の後は天飛華音主演のバウホール公演に出演します。
もしかしたら2番手の役で出るんじゃないかな〜と期待しているのですが…
いずれにしてもこれからがとても楽しみです!
読んで頂き、ありがとうございました。
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