暁千星の飛躍と成長を感じた星組『RRR』(東京宝塚劇場)

今日昼過ぎにまた宝塚公式からLINEが来て、花組公演の3月8日からの再開が発表されました。
やはり新型コロナの陽性者が複数名いたようです。
おそらく代役公演もできない程の人数だったんでしょうね。

3月2日~7日の公演が中止となってしまったのは本当に残念ですが、再開が発表されたのはよかったなと思います。少しほっとしました。

さて、先日東京宝塚劇場で星組公演『RRR』『VIOLETOPIA』を観てきました。
なんと生まれて初めてのSS席!
残念ながらSS席の中では後ろの席だったんですが、それでもオペラグラス無しで表情まで見えるのは嬉しいです。

それに通路からとても近い席だったので、客席降りの時すぐ横に星組生が来て踊りながらニコニコしながら顔を見てくれたりと特別な経験ができました。

今回は『RRR』の感想、とくにラーマ役を演じたありちゃん(暁千星)についての感想を書いておこうと思います。

星組『RRR』1回目観劇での感想

お芝居の『RRR』は年末に原作の映画を観ていました。
あの3時間超の映画を約1時間半にどうやってまとめたのかと興味深く観ましたが、音楽など映画そのままの場面に感動したり、布や照明で火や水を表現するなど舞台ならではの演出もあり、とてもよくできているなと感心しました。

どこをカットしたのかわからなかったという感想を目にしていたのですが、さすがにそれはなかったです(笑)

まずラーマが暴動を起こしたインド人を逮捕する場面とビームが仲間と猛獣たちを捕獲するシーンはまるまるカットでした。
あれはやはり舞台でやるには無理があり過ぎますもんね〜(笑)

でも逆にこっちゃん(礼真琴)演じるビームが虎の頭のセットから登場して銀橋を渡りながら主題歌を歌う初登場シーンはものすごく宝塚的で、「来た来た〜!」って感じで興奮しました。

そしてその後のラーマの登場場面で同じ主題歌を歌詞を変えてこれまた銀橋を渡りながら歌うありちゃん(暁千星)!

こっちゃんビームのオーラとカリスマ性はもちろん素晴らしかったですが、ラーマのありちゃんのオーラにも圧倒されました。
おまけにこの2人のバディ感がすごくいい!

今回トップコンビのラブが少なめだったのがちょっと残念な点ではあるのですが、星組ワンツーの男同士の友情や葛藤が色濃く描かれていたのはすごくよかったです。

暁千星のラーマ役について

映画ではラーマとビームの2人が主役で、その中でもラーマの方に重きを置かれている印象でした。

でも宝塚版ではそこをビーム視点に直して描かれていますが、それは冒頭で連れ去られるマッリを連れ戻すという使命が主役としてわかりやすいということと、「コムラム・ビームよ」の場面で鞭で打たれながらも歌い続ける姿が主役のカリスマ性を感じさせるからだと思いました。

「コムラム・ビームよ」の場面のこっちゃん(礼真琴)は歌声、芝居も含めて本当に素晴らしかったです。
あとはヒロインのジェニー(舞空瞳)との関係を思うとやはりビームが宝塚版の主役としては相応しいなと。

とはいえ、ラーマ役にもビームに匹敵する実力とオーラが要求されますよね。
ありちゃん(暁千星)は見事にそれに応えていたと思います。

初めて舞台上に登場した時、イギリス警察隊の警官が並んでいる一番後ろの端っこにいたんです。

他の警官役の子たちとまったく同じ衣装にも関わらず、一目で『あ、あれがありちゃんだ』とわかるほどのオーラがありました。

それから「生死は問いますか?」の第一声の貫禄と威厳に胸を射抜かれる思いでした。
思わず『カッコいい〜』って心の中で叫びました。

その後のこっちゃんのビームと同じ主題歌を歌う場面での歌唱力の高さにも惚れ惚れ。
こっちゃんに負けてないな〜って。

ビームと出会ってからは、ビームからは「アニキ」と呼ばれて慕われるわけですが、ちゃんとアニキに見えました!
学年が3つも下のありちゃんがアニキに見えるのか最初は心配していたんですが、全然大丈夫でした。

体格がありちゃんの方がいいというのと、こっちゃんが永遠の少年キャラで弟キャラだというのもあるのですが、やはりありちゃん自身の成長が大きいと思います。

充分貫禄があって、ビームの恋の手ほどきをするスマートさもありちゃんに合っていました。
ちゃんとラーマでした!(笑)

圧巻のナートゥダンス

ナートゥダンスでも素晴らしいダンスを見せてくれました。

こっちゃんの身体能力が抜群なのは誰もが認めるところですが、ありちゃんも負けていません。
あのナートゥダンスの場面は星組の全員のパッションの賜物であると思うのですが、やはりことありの2人が真ん中で引っ張っているからこそだな〜というのを感じました。

おまけに「ナートゥをご存知か?」と言いながら前にやってくるラーマ、しびれました!

それとビームを応援するジェニーに気づいてわざと先に倒れ込むお芝居が映画と同じで、あれにも感動しましたよ。

暁千星が見せた葛藤する姿

芝居の月組育ちというのもあってか、ありちゃんのお芝居の上手さも感じられました。

とくに親友のアクタルが実は自分が追っていたビームだと知り、毒蛇の毒に苦しみながらも寝ていたソファから立ち上がる時の表情にはドキッとさせられました。

そして、自分の使命のためにビームを捕らえ、大衆の前でムチを振るうところの葛藤もこちらにいやという程伝わってきました。

火事の場面や最終決戦の場面での礼真琴との最高のバディ

そして一番しびれたのが、こっちゃんのビームと力を合わせて少年を救出した火事の場面や、最後の森での最終決戦での2人の相性の良さでした。
最高のバディでした。

映画とはまた違った迫力満点の場面になっていたのは2人の身体能力の高さ故だと思います。

2人が出会ってどんどん親友になっていく「ドスティ」の場面でもなんてぴったりな2人なんだろうと思って見ていました。

星組へ来てからの暁千星の飛躍と、将来はカリスマ性のあるトップへ

月組時代からそのダンスの実力と見た目の華やかさは誰もが認めるところでしたが、童顔で押し出しが少し弱いところがネックだなと思っていました。
もらう役も可愛い弟的な役が多くて、どちらかというと後輩のおだちん(風間柚乃)に美味しいところを持っていかれている印象でした。

それが組替え直前の『ブエノスアイレスの風』で憧れの柚希礼音さんも演じたニコラスを演じて一皮むけた感じがあります。

その後星組に来てからはこれまで演じたことがなかったような色濃い役もやるようになり、さらに成長したようです。

『1789』ではなんと休演したこっちゃんの代役を務め、博多座の『ME AND MY GIRL』では専科のマイティー(水美舞斗)と共にカンパニーを引っ張りました。
その成長ぶりには目を見張ります。

奇しくもこっちゃんもありちゃんも憧れの上級生は元星組トップスターの柚希礼音さん。

元々こっちゃんの方は下級生の時からリーダー性があって、ダークな役も演じられる役者でしたが、今回のラーマ役を見てありちゃんもこっちゃんの様になってきたなと思いました。
手足の長さを生かしたダイナミックなダンスが踊れるのも強みです。

将来は憧れの柚希礼音さんのようなダイナミックでカリスマ性のあるトップスターになれるんじゃないかと大いに期待がふくらんだ今回の『RRR』でした。

  

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