朝美絢が憧れの杜けあきさんから雪組のバトン(『夢の音楽会』)

大好きな番組『夢の音楽会』が、昨年11月のちなつちゃん(鳳月杏)が大空ゆうひさんをゲストに招いた回から久しぶりに放送されました。

今回は雪組2番手男役のあーさ(朝美絢)が元雪組トップスターの杜けあきさんを招き、トークとデュエットソングを繰り広げました。

杜けあき・朝美絢のトーク

朝美絢の杜けあきへの想い

あーさ(朝美絢)が杜けあきさんをゲストに選んだ理由は、宝塚ファンになった小学生の時に杜さん出演の舞台の映像を観て、その包み込むような温かい歌声に感銘を受けて以来憧れの存在だったからだそうです。

最初に観た『ベルサイユのばら』のアンドレの、歌声はもちろん、オスカルを包み込む目線や仕草から溢れる包容力に画面越しにでも射抜かれたんだとか。

それを聞いた杜さんは「年代の違う下級生に良い影響を与えられたのならすごく幸せなこと」と言っていました。

今回2人はこの番組で初対面だったようです。

小学生の頃に画面の中に観ていた憧れの人が目の前にいることに興奮して頬を赤らめているあーさがなんとも新鮮です。

『宝塚カフェブレイク』の「J toブレイクしよっ」のコーナーで全く照れずにカメラに向かってキザれるあーさとはあまりに違う姿に新鮮な驚きでした(笑)

杜けあきからのアドバイス

あーさからの「杜さんが舞台に立つ上で一番大切にされていることは?」という質問に対する答えが、とても意外ながらなるほど~と思える答えでした。

「簡単なようで難しいことなんだけど、起きた時に必ず毎日生まれたてになっていること

ということでした。
お稽古で台詞も歌も完璧に体に入っているけれど、それ故に朝起きた時には今日もまた生まれた!と思うことによって、それ以上に重なっていく可能性があるというお話でした。

あーさもいつも新鮮にやることが大切と思いながらも新鮮って何だろう?という疑問があったそうで、杜さんのその話に目からうろこという感じで、ものすごく納得していたのが印象的でした。

他にもお芝居についての考え方など杜さんからのアドバイスがあーさの心に響いていたのが見えて、今回のトークはあーさにとってとても有意義なものだったようです。

杜けあき・朝美絢のデュエット

今回あーさがリクエストしたのは最初に観たという『ベルサイユのばら』より「愛あればこそ」、そして杜けあきさんといえばこの曲という『忠臣蔵』より「花に散り雪に散り」でした。

「愛あればこそ」(『ベルサイユのばら』より)

杜さんがトップとして『ベルサイユのばら』に出演したのはトップになって2作目、なんと研10の時だったそうです。

私は劇場では観ていないですが、当時NHKのBS放送で放送されたのを観ました。
杜さんのアンドレと一路真輝さんのオスカルが本当に美しくて素晴らしかったです。

その杜さんも初演の雪組の麻実れいさんのアンドレに憧れていたんですって。

自分がトップになってアンドレ編を植田紳爾先生に書いてもらって、憧れのアンドレを演じることができた時に運命だったんだなと思ったそう。

杜さんがやったベルばらは平成初のベルばらで、今年雪組で上演するのは令和になってから初めてのベルばらになるわけですね。
それもなんてご縁なんだろうと思います。

昭和のベルばらの麻実れいさんに杜さんが憧れ、平成初のベルばらの杜さんにあーさが憧れて、そうやって繋がっていくのがすごいなという気がします。

まだ咲ちゃん(彩風咲奈)のフェルゼン以外の配役はわかっていないんですが、こうなったらあーさにはアンドレをやってほしくなってきました。
本当はオスカルなんじゃないかなと思っていたんですがね。
配役発表が待ち遠しいです。

「花に散り雪に散り」(『忠臣蔵』より)

杜けあきさんの退団公演としてあまりに有名な『忠臣蔵』。
私も大好きな作品ですし、「花に散り雪に散り」はつい口ずさんでしまう曲です。

『忠臣蔵』といえば最後の「もはやこれで思い残すことはござらん」という台詞が有名ですが、ここで杜さんからそれにまつわるエピソードが披露されました。

元々「花に散り雪に散り」を歌って見栄を切って終わりだったのが、杜さんが柴田侑宏先生に最後に何か言いたいと言ったそうです。

そこで宝塚への思い、雪組への思い、役に対する思いなど散々ディスカッションした翌日に、柴田先生が「かりんちょ、これでどうだ!」とレポート用紙に書いたその台詞を見せてくださって。
杜さんはそれを見て無言で先生に抱きついたそう。
「私の思いがすべてここに詰まっています。先生ありがとう!」って。

この話はこれまでにインタビューなどで目にしていたので私は知っていましたが、あーさは知らなかったのか感動して涙ぐんでしまってました。
杜さんから「泣いてる〜」と言われて泣き笑いしていたあーさがあまりにピュアでした。

最後は「バトンを渡したよ!」と握手

デュエットはどちらの曲も2人の声の相性がよくて、素敵でした。

杜さんから「良い声ですね~、練れた男役の声で」と褒められてあーさが感激していたのにもほっこり。
そして、久しぶりにこの2曲を歌う杜さんを見られたのも嬉しかったです。

あーさも言っていましたが、「花に散り雪に散り」を歌う時の杜さんは重心が低くなって腰が入っている感じ。
「愛あればこそ」を歌う時と全く違う印象だったのはさすがだなと感心しました。

最後のトークの時に、杜さんからタカラジェンヌはOGになってもいつまでもピュアでいられる、それを今回年代の違う人と一緒の時間を過ごして改めて感じたという話が出ました。

「もう宝塚大丈夫って心から思えた」

って。

「これからスターのプロセスの中で大変なこと、考えなきゃいけないことはたくさんあるけど、役を生んで育てる喜びは必ずあるので、それを楽しみに歩んで行ってもらいたい」

という言葉も温かいなと思いました。

「雪組を紡いで来られた杜さんとお話できる貴重な機会に感謝しています」

と感激して話すあーさに

「しっかりとバトンを渡したよ!」

と言いながら握手する杜さんに、あーさと同じくらい感激しちゃいました〜

次期トップスターの発表はまだですが、もう次の雪組トップはあーさになるのは目に見えていますからね。
往年のトップスターの杜さんから雪組の将来を任せたよと言われたように思えました。

 

う〜ん、やっぱりいい番組ですね、『夢の音楽会』って!
昨今の花組の公演中止や星組の新人公演中止、そして宙組の『FINAL FANTASY XVI』の上演見合わせなどの辛いニュースに心が塞いでいましたが、この番組を見て本当に癒やされました。

次はどの生徒がどのOGをゲストに迎えてくれるのか…
楽しみに待ちたいと思います。

  

読んで頂き、ありがとうございました。

ブログランキングに参加しています。クリックして頂けるとうれしいです。
クリック先はブログランキングなので、他の宝塚歌劇のブログをご覧になれます。

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

 


宝塚歌劇団ランキング