和希そらの男役最後の姿を目に焼き付けて来ました(雪組『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』『FROZEN HOLIDAY』観劇)

先日雪組東京宝塚劇場公演を観劇してきました。
宝塚大劇場での千秋楽をライブ配信で観たので、2回目の『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』と『FROZEN HOLIDAY』でした。

2回目でしたが、劇場で生で観るとライブ配信で観た時より新たな発見がいろいろあって面白かったです。
とくに2階席でしたので、お芝居のドイルの書斎の床がはじめてホームズが登場した『緋色の研究』が掲載された『ビートンズ・クリスマス・アニュアル』の表紙なのもよくわかりました。

ショーで下手と上手にあるドアのセットの上部の窓の部分に日付が出るのにも初めて気が付きました。

いろいろ細かいこだわりを発見できるのは生観劇の醍醐味ですね~
そして、この公演でそらくん(和希そら)が退団しますが、その勇姿をしっかり目に焼き付けてきました。

和希そらの見せ場がたくさんの公演でした

この公演の集合日に発表された退団者の名前の中にそらくん(和希そら)の名前があった時は本当に驚きました。
宙組から組替えしてきて雪組の3番手になって約2年、これからどんどん活躍してくれるだろうなと思っていたので、残念でなりません。

それだけに今回の観劇ではそのそらくんの男役最後の姿をしっかりと見届けたいと思っていました。
ライブ配信で観た時にも思いましたが、お芝居もショーもそらくんの見せ場がたくさんの公演で嬉しかったです。

『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』

ハーバート・グリーンハウ・スミスという役について

お芝居の『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』でそらくんが演じたのは、咲ちゃん(彩風咲奈)演じるドイルが執筆する「シャーロック・ホームズ」シリーズを連載するストランド・マガジン社の編集長ハーバート・グリーンハウ・スミス。
「シャーロック・ホームズ」という作品を見出し、ドイルが作家として売り出すきっかけを作った実在の人物です。

あーさ(朝美絢)演じるホームズ000が非現実世界のドイルの相棒であるのに対して、現実世界での咲ちゃんの相棒的存在ですよね。
最後にトップスターの咲ちゃんと深く関わるいい役をもらえたなと思いました。

そらくんも
「近年よくあった何か重いものを抱えているという役ではなく、ただ自分の夢やロマンを追い求める役なので、ぴょんぴょんとどこかに飛んでいってしまう感じで演じている」
と話していましたが、それがそらくんにとてもよく合っているなと思って観ました。

銀橋で歌う歌の歌詞

お話の最初にまだドイルと出会う前のハーバートが編集部のみんなの前で歌う歌がありました。

そらくんが一人銀橋に出て、舞台上の他の編集部員たちと歌うんですが、そらくんのソロの歌詞に

「俺にはでっかい夢がある」
「世界を虜にしてみせる」

というのがあるのがなんとも感慨深いな〜と思いました。

最後の編集部でのお芝居

ドイルがホームズの連載を終わらせてしまい、新しい小説も見つからない中、ハーバートが出版社を辞めて出て行こうとするところが退団するそらくんに重なって見えました。

「第二の夢を探しに行くので、今日限りで退社させていただきます」

と言って出ていこうとするのを、

「俺たちを置いて行くなんて許さない」

と他の編集部員たちに止められているハーバート。
でもホームズの連載を再開するためにドイルと妻のルイーザが戻ってきて

「せっかく帰って来たのにどこかへ行ってしまうの?」

と訊かれて

「どこへも行かね〜よ!」

と最後にハーバートが言うところはとってもほっこりしました。
でもそらくんもそう言って残ってくれたらいいのにな〜ってちょっと寂しくもなりましたが…

『FROZEN HOLIDAY』

ショーの『FROZEN HOLIDAY』の方はさらにそらくん(和希そら)の見せ場がたっぷりありました。
そらくんは通し役として神父様を演じています。

プロローグ

プロローグは咲ちゃん(彩風咲奈)が支配人を務めるホテルに次々とお客さんがやってくるシーンとなっていて、そらくんは神父様としてシスターたちと一緒にやってきます。

そこで歌う主題歌の「FROZEN HOLIDAY」の

「大晦日の夜に教会の片隅で思い出作ろう。新たな空へ旅立つ前に歌う希望の歌」

というそらくんの歌詞に最初からウルウルしてしまいました。

料理対決のロングトーン

それぞれのチームが順番にお得意の料理を紹介していく場面で、そらくんはブッシュ・ド・ノエルの歌を歌いますが、そこで素晴らしいロングトーンを披露します。

あまりの美声に客席から大きな拍手が起こると、ロングトーンをやりながらさらに拍手を煽るそらくんがかっこよかったです♡

神父→エンジェルの場面

そらくんの一番の見せ場が大晦日からの年越しの場面です。
そらくん扮する神父様が黒い衣装でシスター達と歌うんですが、ここの歌詞がまた泣けました。

サヨナラ番組でそらくんが明かしてくれましたが、野口幸作先生が大号泣しながら書いてくれた歌詞だそうです。

「新しい年が来る前に心を込めて伝えたい。ありがとう、私を愛してくれた人たちにさよならを言う前に笑顔を送りたい」

というような歌詞でした。
ところどころ「蛍の光」のメロディが入るのも泣かせます。

舞台上で神父の衣装から真っ白なエンジェルの衣装に早替えしてからソロで踊るのも、まるでトップさんの退団公演のようでした。
この振付も素晴らしくて、ここも森優貴先生が大号泣しながら振りを考えてくれたんですって。

この場面もですし、プロローグやパレードでのそらくんの歌う歌詞は野口先生の愛情がたっぷり詰まっている感じです。
そらくんも「自分がファンなら泣くかも」って言っていたほどですもんね。

そして、この場面の最後はそらくんが銀橋に一人残って、新年を迎えるカウントダウンになるという演出も素敵でした。

超越雪祭男子

昨年の夏の雪組コンサート『ODYSSEY』で“雪祭男子(SNOW FESTIVAL BOYS)”というグループが結成されましたが、今回それのHYPER版の“超越雪祭男子”の場面がありました。
『ODYSSEY』は元々1月に上演されるはずで、その時にはそらくんも出演する予定だったんですよね。

コロナで延期になってしまって夏に上演されたので、そらくんは別の公演に出て『ODYSSEY』には出演しないことになってしまいました。

なので、この“超越雪祭男子”のメンバーにそらくんが入っているのも感涙ものでした。

この場面の最後にメンバー全員で銀橋に来ますが、私が観た回はあーさ(朝美絢)とそらくんが肩を組んでしばらく見つめ合った後、そらくんが左手の人差し指であーさの右頬につんつんするというなんともキュンキュンすることをやってくれました♡

お芝居ではこの2人は全く絡まず寂しいなと思っていたので、ショーのこの場面でキュンキュンする絡みが見られたのはすごく嬉しかったです。

これより前のあやちゃん(夢白あや)のドレスに苺で飾り付けするところでも、あーさとそらくんが2人仲良くワキワキしながら歩いてくるというのも見せてくれました。

フィナーレ

フィナーレは「人生のメリーゴーランド」をバックに男役群舞やトップコンビのデュエットダンスなどがあります。
その中で男役群舞の最後に咲ちゃんとそらくんが二人っきりで踊るシーンがあり、これが本当に感動ものでした。

NOW ON STAGEで咲ちゃんがこの場面はただただすごく楽しくて、楽しく踊っていたらそらくんが袖にはける時に客席から大きな拍手が起こるので、それでそらくんの退団を思い出すと話していました。

パレード

パレードでそらくんが大階段を下りて来る時の歌詞も特別なものになっていました。
「我が心のふるさと、永遠に忘れはしない」
なんて涙を流さずにはいられません。

2月11日が千秋楽です

1月3日に始まった東京公演は2月11日に千秋楽を迎えます。

サヨナラ番組のナレーションで
「和希そらが退団すると発表された時の驚きと、多くの人がその退団を惜しむ声が忘れられない」
と言っていたのがすごく印象に残っています。

これまでのサヨナラ番組で、そこまで言ってるのを聞いた覚えがないです。
それだけそらくんの退団は誰にとっても驚きだったのかなと思います。

咲ちゃんやあーさたち雪組の組子たちが寂しがっているのと対象的にそらくん自身は清々しくやりきった顔をしているのもまた印象的です。

宝塚大劇場の千秋楽の退団ご挨拶で、
「最後の日まで男役の美学を磨き続け、前へ進んでまいりたい」
と話していたように、最後の瞬間まで男役として輝いてくれることと思います。

  

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