和希そら、雪組で拓く未来(雪組『夢介千両みやげ』『Sensational!』観劇)

先日雪組東京宝塚劇場公演を観劇してきました。

お芝居『夢介千両みやげ』は評判通りの「痛快娯楽時代劇」。
悪役も出てきますがどこか憎めなくて、最後はドタバタありホロリありでほっこりさせてくれるひたすら明るくて楽しい作品でした。
雪組の作品にしては珍しく誰も死にません(笑)

次から次にテンポよくいろんな事件が起こり、それをお金と人情で咲ちゃん(彩風咲奈)演じる夢介が解決していくのが小気味よかったです。あっという間に終わってしまいました。
最後は客席も一体となって三三七拍子で締められるのがまた楽しかったです。

ショーはお芝居とは打って変わってスタイリッシュでただただカッコいい場面の連続です。
中村一徳先生お得意の映像も駆使され、豪華なセットや洗練された衣装に目が楽しい場面がたくさん。
かと思えばシンプルなセットにシンプルな衣装で演者のパフォーマンスのみで魅せてくれるシーンもありました。
こちらもあっという間に終わってしまうショーでした。

そんな中、この公演から雪組生として出演している和希そらが大活躍していて、全く目が離せませんでした。

『夢介千両みやげ』では17歳を好演

お芝居の『夢介千両みやげ』では、そらくん(和希そら)は17歳のスリ、少年三太役です。
ずっと雪組生だったかのように着物の着こなしもキマっていました。

NOW ON STAGEやタカラヅカニュースのコーナーでも咲ちゃん(彩風咲奈)をはじめとした雪組生から「前からいたみたいに馴染んでいる」と言われていましたし、そらくん自身も「自分は順応性が高い」と言っていました。
ほんとうにずっと雪組にいたかのように馴染んでいました。

やんちゃに見えて実は大人な三太がはまり役でした

『シャーロック・ホームズ』のレストレード警部や『プロミセス、プロミセス』のシェルドレイク部長など、最近では渋いおじさんの役も演じるようになっていたそらくんが今17歳の役?と初めはびっくりしました。

しかし、下級生の頃演じていた役のような幼さや可愛らしさもありつつ、どこか人生を達観したような大人びたところもある三太を好演していました。

夢介とお銀の家で一人足を下ろして座りながら、ちょっと所在なげにすねた感じで両足をブラブラしている様子は17歳の男の子らしく可愛らしかった〜
一方で、幼い妹と弟を養うためにスリをしながらもたくましく生きている様が頼もしい三太は、その辺の大人たちよりしっかりしていて、そしてどこか色気もあります。

今のそらくんに見事にはまった役でした。

また三太が途中果たしていたストーリーテラーの役割では、そらくんの滑舌のよい口跡が心地よく耳に響きました。
基本がしっかりとできているなあとあらためて感心しました。

そして、夢介の咲ちゃんとお銀のひらめちゃん(朝月希和)のトップコンビと銀橋を渡りながら歌う場面。
ここではしっかりとした歌唱力と表現力そして心地よい声で魅せてくれました。

夢白あやとの並びがお似合い

幼なじみだったお糸ちゃん(夢白あや)を偶然助けたことで再会し、そこからお糸ちゃんの営むお蕎麦屋さんを手伝う三太。

そのお糸ちゃんのあやちゃん(夢白あや)とのやり取りや、最後のフィナーレでお糸ちゃんの肩を抱いて寄り添っている並びが実に素敵でした。

そらくんとあやちゃんは次の別箱公演『心中・恋の大和路』の主演コンビです。
『夢介千両みやげ』での二人の並びがとてもお似合いで、『心中・恋の大和路』も楽しみになりました。

『Sensational!』ではショースターっぷりを発揮

ショーの『Sensational!』でもそらくんは大活躍でした。
あらためてお芝居、歌、ダンスどれも一級品だと思い知らされました。

センターで皆を引き連れている場面に胸熱

さききわトップコンビ、2番手のあーさ(朝美絢)に次いで活躍の場面が多かったそらくん。
群舞でセンターで踊る場面があったのが胸熱でした。

周りの誰よりも激しくキレキレのダンスでした。

そのそらくんに引っ張られて周りの皆んなも必死に踊っているような印象を受けました。
雪組に新しい風を吹き込んでいる感じでした。

やっぱりプラズマ・オーロラの場面!

稽古場情報や稽古場レポート、突撃レポートなどでも素晴らしいと皆んなが言っていたプラズマ・オーロラの場面がやっぱり素晴らしかったです。

それまですごく豪華なセットや映像で凝った演出だったのが、この場面はシンプルなセットと衣装で演者のパフォーマンスのみで魅せる場面でした。

その最初がそらくん扮するプラズマ男Aの歌で始まるのですが、その歌声が素晴らしい。

そこから人数が増えてオーロラの場面につながっていくところが感動的です。

皆んなが座って、前にいる咲ちゃんと少し後ろにいるそらくんが二人だけ立って同じ振りを踊るところも鳥肌が立つほど素敵でした。

最後は愛すみれちゃんの歌に乗せて、舞台に残った咲ちゃん(彩風咲奈)とそらくんが二人で踊るところ、二人の熱量が最高潮になった感じがまたまた感動的。
この場面、2022年度の年度賞に選ばれるのではないかと思うほど素晴らしい場面だなと思いました。

踊り終わって二人でセリ下がっていくのを見て胸がいっぱいになりました。
咲ちゃん(彩風咲奈)は言うに及ばずですが、そらくんあってこそのプラズマ・オーロラの場面でした。

三拍子揃った和希そら、これから何が起きるのでしょう…?

宙組時代でも路線スターとして活躍していましたが、宙組は上がつかえていて、そらくん将来どうなんだろう?とちょっと心配していました。

でも雪組で将来への展望が開けたように思います。
まずは3番手として十分すぎるほどの存在感を見せてくれました。

パンフレットでも宙組の時より大きな写真で載っていました。
三太役のビジュアルでも載っているのを見て感慨深かったです。

まだ丸い3番手羽根ではないですが、黒に白の羽根の混じった肩羽根を背負っていたのも感激しました〜

そらくんを見ていると、歌・ダンス・お芝居と三拍子そろっていて、どれもすごくスキルの高いところがこっちゃん(礼真琴)を思わせます。

そらくんは音楽学校時代から一個上のこっちゃんを敬愛していてすごく慕っているとスカイ・ステージの番組でも話していました。
きっと今もこっちゃんを目標にして頑張っているんでしょうね。

ダンスのセンスの良さもこっちゃんに似ているなと思うのですが、そのセンスの良さが雪組生たちにいい刺激になっているように思われます。

次はシアター・ドラマシティと日本青年館ホールでの『心中・恋の大和路』、本格的な日本物です。
雪組の和希そらとしてすごく勉強になる公演となりそうです。

前回の主演公演の『夢千鳥』でも着物がすごく似合っていましたが、次の『心中・恋の大和路』では青天のカツラもかぶるので、どんなそらくんが見られるかな〜と楽しみでなりません。

宙組からの組替えが発表になった時は、ずんちゃん(桜木みなと)とのコンビも好きだったのですごく寂しく思いました。
だけど今、この組替えはそらくんの将来を拓くものになったと確信しています。

おめでとう、そらくん!

  

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