永久輝せあ主演『冬霞の巴里』は「To be continued」(『冬霞の巴里』大千秋楽)

永久輝せあ主演の『冬霞の巴里』が4月14日に東京建物 Brillia HALLで大千秋楽を迎えました。

初日以降大変に評判がよかったこの作品、4月2日に行われたライブ配信が観られず、観劇された方々の感想をTwitterなどで読みつつ作品の世界観を想像していました。
今日のタカラヅカニュースで流れた千秋楽のダイジェスト映像で『冬霞の巴里』にほんの少し触れることができました。

花組 東京建物 Brillia HALL公演『冬霞の巴里』千秋楽

『冬霞の巴里』千秋楽ダイジェストを観て

大千秋楽の映像では、シアター・ドラマシティでの初日では流れなかった場面もたくさん入っていたのが嬉しいです。

明確な結末や正解は示されずに余韻の残る終わり方になっているというのを読んでいたのですが、最後オクターブとアンブルが体を寄せ合って舞台奥へ消えて行く場面、ハッピーエンドともバッドエンドとも言えないなんとも余韻のある終わり方になっているのがよく分かりました。

指田先生の描く復讐劇、特異な世界観、短い映像にもその素晴らしさが表れていました。
生の観劇はチケットが無理だとしても、せめてライブ配信は観たかったな〜とニュースの映像を観て改めて残念に思いました。

永久輝せあ

ひとこちゃん(永久輝せあ)演じるオクターヴは常に眉間にしわを寄せて憎しみや怒りの表情を浮かべています。
最初の復讐の相手ブノワを殺した後に「まずは一人」とつぶやくところが怖くて…

Twitterで見ていて気になっていた台詞でしたので、カットされないでよかったです。
あとは姉アンブルにだけ見せる甘えた顔がキュンとさせます。

星空美咲

この作品のヒロインであるアンブルを演じた星空美咲ちゃんは、3度目の小劇場作品ヒロインで、確かな演技力と歌唱力、存在感を示していました。

Twitterなどで話題になっていたアンブルがオクターブのリボンタイを結ぶシーンの包容力、ひとこちゃんより8学年も下なのに姉にしか見えませんでした。

聖乃あすか

それと2番手役のヴァランタンを演じたほのかちゃん(聖乃あすか)は、左の眉毛の傷をはじめあの綺麗な顔にものすごく攻めたメイクをしていて、狂気をはらんだ演技にもこれはほのかちゃんの新境地に間違いないなと思いました。

怪しげな下宿の住人や復讐の女神たちの宝塚らしからぬゴシックホラーのようなメイクやおどろおどろしい衣装などを見て、この作品の特異さを感じることもできました。

永久輝せあの千秋楽ご挨拶

千秋楽のカーテンコールはまずは花組組長に就任された美風舞良さんのご挨拶から。
専科からご出演の一樹千尋さんとゆりちゃん(紫門ゆりや)を紹介してから

「それでは、主演の永久輝せあが皆様にご挨拶申し上げます」

とひとこちゃんを紹介しました。

正解はそれぞれの中に

ひとこちゃんの

「花組の永久輝せあでございます」

に客席から長〜い盛大な拍手が起きました。
ひとこちゃんファンの方たちが主演を待ち望んでいたのが分かりますね。

ひとこちゃんはこの作品が終わってしまったことが寂しいという気持ちがこみ上げてきたようです。
そして、

「何が正解だろうかと模索しながらお稽古を重ね公演を重ねてまいりましたが、結果受け取ってくださるお客様がいてこそこの作品は完成するのだと」

お客様の心の中だけに正解があるのであって、私たちはこの作品を精一杯必死に生き抜くことが自分たちの答えだったように思います」

と語りました。
正解を示さない余韻のある結末ゆえの言葉なんでしょうね。

観劇した人がそれぞれに答えを導き出す、そういう作品ということなんですね。

この作品は「To be continued」

そして

「この作品はハッピーエンドでもバッドエンドでもサッドエンドでもなく、『To be continued』なんだな〜とそんな気がしております」

って。
なんとも上手いこと言いますね〜

毎日ずっと公演が終わらなければいいのにと願っていたそうで、「この作品に触れてくださった皆様の胸の中でずっとずっと終わりがなく続くものであってほしい」と心から思っているそうです。

それを「To be continued」という言葉で言い表したひとこちゃん、さすがです。

最後はカミカミで可愛い永久輝せあが(笑)

「作品の中でオクターブはあの冥界の海に落ちて行きますが、私は本当にたくさんの愛をいただいてありがたみの海に溺れそうでございます!

とお茶目に言ったのに対して一樹千尋さんがずっこけたり、美咲ちゃん(星空美咲)が口に手を当てて笑ったり(笑)
その後「寂しい、寂しい」って言うひとこちゃんも可愛くて…
次に幕が上がった時に

「次の大劇場公演の作品も巴里が出てまいります。巴里が出てまいります」

って言う時に噛んじゃって2回同じことを言っちゃったりして。

「ぜひ楽しみに大劇場公演もお越しください。お待ち申し上げております」

って言う時もカミカミで、自分のほっぺたを叩いてました(笑)
最初はしっかりとした粋なご挨拶をしていたひとこちゃんが、途中からちょっとグダグダになっちゃったのが可愛らしかったです。

その後感慨深げにため息ついて自分の場所に戻ったひとこちゃんに、両隣のほのかちゃんと美咲ちゃんが示し合わせていたのか同時にピョンとひとこちゃんに飛び寄りました。

びっくりしたひとこちゃんを見て笑う二人と、それにまた笑うひとこちゃんというめちゃくちゃ微笑ましい図も見られました

最後は

「本当にたくさんの温かい思いをありがとうございました。皆様お気をつけてお帰りください。またお目にかかれるのを楽しみにしております。本日は本当にありがとうございました!」

と笑顔で締めたひとこちゃんでした。
ハードでシリアスな作品ですが、カーテンコールでほっこりできるのがいいですね〜

『冬霞の巴里』は今後に続いて行きます

この『冬霞の巴里』という作品に出演したひとこちゃんや美咲ちゃん、ほのかちゃんをはじめとした皆んなにとって、次につながる経験になっただろうなという確信が生まれた千秋楽映像でした。

そして、デビュー作の『龍の宮物語』に続いてこの作品も指田珠子先生の実力を示す作品になったようです。

指田先生の大劇場公演デビューも楽しみでなりません。

ひとこちゃんが言った通り『冬霞の巴里』は「To be continued」、今後に続いていくんですね〜

それにしても劇場でもライブ配信も観られなかったのが本当に残念です。
なるべく早くスカイ・ステージで放送してほしいなと思います。
今回円盤化がされなかったので、半年後くらいには放送されるんじゃないかなと期待しています。
【追記】2022年4月22日
本日公式サイトで『TOP HAT』と共に『冬霞の巴里』のBlu-ray発売が発表されました。
ひとこちゃんファンの皆さんにとって嬉しいニュースですね〜

【追記】2022年4月19日
本日花組の次の大劇場公演での退団者が発表されました。
飛龍つかさ、若草萌香、音くり寿、芹尚英の4人が2022年9月4日付で退団するということです。
つかさくん(飛龍つかさ)はこの『冬霞の巴里』で素晴らしい演技力と存在感を示していたので、これほど早い退団はビックリです。
音くりちゃん(音くり寿)も『TOP HAT』でのマッジ役があまりにも素晴らしくて、もっともっといろんな役で観たい娘役さんなので退団はあまりにも残念です。
最後まで勇姿をしっかり見届けたいと思います。

  

読んで頂き、ありがとうございました。

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