本日6月28日は星組東京宝塚劇場公演の初日です。
ようやく劇場で観られるというワクワクと、とうとうこの日が来てしまったという寂しさが入り混じった複雑な心境です。
こっちゃん(礼真琴)の男役集大成の舞台、私が観られるのはまだもう少し先なんですが、今日から毎日皆さんの観劇レポートを楽しみに過ごしたいと思います。
さて、先日今回がずんちゃん(桜木みなと)のトップお披露目の宙組公演『ZORRO THE MUSICAL』を観てきました。
こっちゃん達星組生や東京公演が終わったばかりのあーさ(朝美絢)をはじめとする雪組生はその少し前に観劇に来ていたようです。チケット買うのその日にしておけばよかった〜とかなり残念でした(笑)
とにかく素晴らしい公演でした!
宙組 東急シアターオーブ公演『ZORRO THE MUSICAL』観劇
シアターオーブは宝塚の劇場と違って舞台の横幅は狭いんですが高さがかなりあるんですよね〜
なので、その高さを活かしたセットになっていて、あと盆やせりがない分階段などのセットをスタッフの人が始終動かしていて、それがかえって新鮮に面白く感じました。
一幕と二幕の冒頭にタイトルが書いてある月のセットも、ところどころ映像が映し出されて、とても効果的に使われていたのにも感心しました。
こういう映像の使い方は谷貴矢先生上手です。
ストーリーは有名な怪傑ゾロの物語ですが、ゾロって映画やドラマ、アニメにもなっているけれどけっこう細かい設定や登場人物はそれぞれで違っているんですよね。
今回の『ZORRO THE MUSICAL』はゾロに扮するディエゴと、ゾロに倒されるラモンは実の兄弟という設定。
それだけになんとも切ないやるせない気持ちになってしまう結末でした。
ディエゴとゾロは桜木みなとにぴったりな役
子供の頃はヒーローに憧れる少年だったけれど、父にスペインに勉強に行かされてからすっかりぐうたらな遊び人になってしまったディエゴ。
でもその根っからの明るさと優しさでジプシーたちから慕われているところはずんちゃん(桜木みなと)にぴったりでした。
元々持っている正義心からルイサ(春乃さくら)の願いを聞いてカリフォルニアに戻り、兄ラモンを懲らしめるためにゾロになったところは本当にカッコいい。
マントを翻して剣を捌くゾロのカッコよさよ♡
そして、ラモンを欺くためにラモンの前では従順で馬鹿な弟を演じている時も生き生きと演じていて、それがまたずんちゃんが以前に演じていた役を思い起こさせて、これまたぴったりだな〜と思ってしまうんです。
ラモンだけでなく愛するルイサも欺くことになってしまって、そのことに悩み憂いているずんちゃんのお芝居も見られます。
そんな風にいろんなずんちゃんが見られて、どれも見ていて楽しいのが素晴らしくて、この役はずんちゃんに本当にぴったりだなと思いました。
他のキャストも新たな境地を
春乃さくら:ルイサ
ルイサ役のさーちゃん(春乃さくら)は、何事にも怯まない強い女性の役で、これまでにあまりない役どころでした。
ゾロの出現に感化されて民衆を率いてラモンに対抗すべく蜂起しようとするナンバーはめちゃくちゃカッコよかったです。
ラモン:瑠風輝
そして、今回完全なる悪役のラモンを演じるもえこ(瑠風輝)もこれまでほとんど演ったことがない役柄で、新たな境地と言えますね。
お父さんの育て方が間違ってたよねと同情の余地はあるものの、あまりに冷酷非道で、救いようのないタイプ。
それでいて鏡の自分にうっとりするナルシストなところはちょっとかわいいなと思ったりして。
父に愛される弟に嫉妬してそんな風にひねくれてしまったんだろうなと思うんですが、実は自分も父親から愛されていたのにね。
なんともやりきれないです。
最後はそのずっと嫉妬していた弟に自分を止めてもらいたいと思ったんだろうな〜
切ない最期でした。
その他のキャスト
功労者の一人はじゅっちゃん(天彩峰里)演じるイネスでした。
ディエゴが好きなのかと思いきや、姉弟のような友達同士のようなそんな間柄だったんですね〜
途中からディエゴとルイサの恋を応援したり、ガルシアとの淡い恋が芽生えたり。
姉御肌の役がカッコよかったです。
お話のいろんな局面でイネスが鍵となっていました。
そのガルシアのひなこ(風色日向)もいい役でした。
ラモンを怖がって従っている弱いところからイネスへの恋を知って強くなっていくところ、よかった〜
愛する人を失ってからラモンを裏切ってゾロを逃がすところのお芝居が泣かせました。
なるくん(泉堂成)演じるホアキンもいい役でした。
ストーリーテラー的な役割もあり、常にイネスと一緒に行動していて笑いも担当し、ソロの歌もあったり、すごく目立っていました。
なるくんにとっても新境地となる役だなと思います。
上記のメインの役以外のキャストはそれぞれ二役や三役をやっているんですが、ソロの歌唱があったり役的に見せ場もあったりと、下級生まで目立つ場面が与えられていたのがすごくよかったです。
子役の3人(美星帆那、梨恋あやめ、ゆり遥)も何度も出番がありましたし、印象に残りました。
お芝居上手かったな〜
圧巻なフラメンコとコーラス
そして、この作品の一番の見せ場と言えるのがフラメンコです。
ジプシー達の明るい楽しい場面だったり、ラモンの圧政に怒りをみなぎらせる民衆の場面だったり、いろんなところでフラメンコの群舞になります。
それが本当に圧巻ですごかった!
サパテアードと言われる足のステップや、パルマと言われる複雑な手拍子、娘役のスカート捌きも美しくて、これは相当練習したんだろうな〜と感心しながら集中して見ていました。
ずんちゃんが言っていた通り、これはお客さんは手拍子する気にはなれませんね〜
こっちも真剣に見てしまいますからね。
そして、やっぱりすごいのが宙組のコーラスです。
響きが本当に美しい。
メインの役以外の人はいろんな場面でいろんな役で出ているので、本当にすごいな〜と思います。
最後のパレードで全員が出てきた時に、『え〜、これだけの人数しかいなかったのか〜』とびっくりしましたからね。
真ん中で踊るずんちゃんのフラメンコもすごくよかったです。
アドリブ場面も全開(笑)
全体的にはシリアスなお話ではありますが、ずんちゃんディエゴの飄々としたお芝居や、ジプシーのみんなの場面など明るくて楽しいところもたくさんあります。
そして、ここはアドリブなんだろうなと思える場面もいくつか。
ディエゴとラモンの再会の場面
スペインから帰ってきたディエゴ(桜木みなと)がラモン(瑠風輝)に会いにくる場面。
ディエゴはすでにゾロになっているけれでも、その正体を知られないように愚かな弟を演じるのがおかしいんです。
私が観た回は兄さんのお世話をするよと言うところで、洗濯物をパンパン叩く仕草をしていて、ラモンから「あまり上手ではないな〜」って言われちゃったり。
ブーツを磨くところでは、最後に「あっちに百足くらいあるぞ」と言われて「え〜〜」ってなったり。
かなり笑いが起きていました。
「笑ってはいけない懺悔室」
めちゃくちゃ笑いが起きていた場面が、SNSで「笑ってはいけない懺悔室」と呼ばれている場面。
悪夢を見るようになったラモンが教会の神父様のところへ懺悔しに来る場面です。
神父役の雪輝れんやくんが毎回いろんな喋り方でラモンの相手をするんですが、私が観た回は言葉の最初に一々「あ〜ん」をつけて話していました。
客席は大笑いなのに、よくもえこ(瑠風輝)は笑わないで我慢しているな〜と感心。
でも、これまでに笑ってしまった回もあったらしいです(笑)
ラップ調で喋る回や、語尾に必ず「ん」をつける回などあったとか。
この神父と入れ替わったゾロも同じ喋り方をしないといけないので、ずんちゃんも大変だな〜と思うのですが、ここは客席も大笑いしながら観ていました。
ともすれば暗くなりがちのお話で、フラメンコの場面やこういうアドリブで笑いが起こる場面があると箸休め的で、とてもいいですね。
今後の宙組が楽しみです♪
今回雪輝れんやくんの芸達者ぶりも知ることができましたし、いろんな下級生のことも知ることができました。
ずんちゃん(桜木みなと)がトップになって新生宙組になり、この下級生たちがどんどん活躍してくれるだろうなと、今後の宙組も楽しみになった今回のプレお披露目公演でした。
読んで頂き、ありがとうございました。
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