凪七瑠海の夢が退団前に叶った大尊敬する紫苑ゆうさんとのデュエット(『夢の音楽会』)

私が大好きな番組の一つが『夢の音楽会』です。
ホストのタカラジェンヌにとってだけでなく、見ている私達にとっても夢の番組だと思います。

今回この『夢の音楽会』のホストを務めるのは公演中の花組公演で退団する専科のかちゃ(凪七瑠海)です。

以前はファン時代や下級生時代に憧れていたOGの方と番組で初めて会うということがほとんどでしたが、最近は昔からご縁のあるOGをゲストに招くことが多くなっています。
とくに専科生がホストになってから、せおっち(瀬央ゆりあ)はずっと一緒に舞台に立ってきた紅ゆずるさんを、そしてマイティー(水美舞斗)は子どもの頃から知り合いだった彩吹真央さんをゲストに選んでいました。

今回のかちゃも日頃からお世話になっている、そして大尊敬する元星組トップスターの紫苑ゆうさんをゲストに招きました。

紫苑ゆう・凪七瑠海のトーク

2人のご縁

まず顔を合わせるなり「抱き合いま〜す」と言いながらハグした2人。
この時点で2人の親しさがよくわかります。

お互い「エリカ」「シメさん」と呼び合っていますしね。

2人はかちゃ(凪七瑠海)がシメさん(紫苑ゆう)の親しい下級生の親戚だというご縁から、音楽学校を受験する前に宝塚ホテルで会ったのが最初なんだそうです。

それまでかちゃはシメさんの出ているビデオを見て「王子様って本当にこの世の中にいるんだ!」と思って憧れていたそう。
そして初めて宝塚ホテルで会った時に真っ赤な絨毯の上を向こうから歩いてくるシメさんのオーラとキラキラ感に衝撃を受けたと話していました。

シメさんはシメさんで、「なんて綺麗なお嬢さんなんでしょう!」「はい、この人(音楽学校に)通ります!」とかちゃを見て思ったそうです。
そんなご縁があったなんて初めて知りました。
その後はもちろん音楽学校の先生と生徒としてのつながりがあって、ずっとお世話になってきたということでした。

今回の『夢の音楽会』での共演については、1、2年程前にシメさんから「エリカとデュエットするのが夢やねん」と言ってもらったのが嬉しくて、このお仕事の話が来た時に今こそ夢が叶うと大喜びしたそうです。
お互いに夢が叶ったと喜んでいたのが本当に素敵でした。

音楽学校から下級生時代の凪七瑠海

子供の頃のかちゃは全く喋らず笑いもしない子だったそうです。
音楽学校の頃も感情の出し方がよくわからなかったって。

なので、先生のシメさんから「もっと感情を出して」とか「もっと出されへんの?」とかはっぱをかけられていたんだとか。

それが今ではこんなによく喋ってよく笑うタカラジェンヌに成長したね〜と(笑)

それから、月組の『エリザベート』にエリザベート役で特出した時の話も出ましたが、あの時はできれば男役をしてほしかった、新人公演主演をしてほしかったというのがシメさんの中ではあったそうです。

確かにエリザベート役は大きな役で名誉なことではあるけれど、その時点ではまだ新人公演で主演をしてなかったですからね。
かちゃ本人にとっても、周りの人にとっても衝撃的なことだったんだなと思います。

でもあのエリザベート役で広く認知されて、その後の『カサブランカ』での新人公演主演で大きく飛躍したと思うので、あれはあれでよかったんじゃないでしょうか。
きっとそうです。

紫苑ゆう・凪七瑠海のデュエット

「闇が広がる」(『エリザベート』より)

デュエット曲の1曲目は『エリザベート』の「闇が広がる」。

シメさんは『エリザベート』に出演したことはないけれど、2012年の『エリザベート スペシャル ガラ・コンサート』にトート役で特別出演しています。
そして、『うたかたの恋』でルドルフ役を演じたということもあってルドルフへの思いも強くて、好きな楽曲の一つだったとか。
かちゃと歌いたい曲にこの「闇が広がる」も入っていたということです。

シメさん曰くこの「闇が広がる」は歌ではなくお芝居だと思っているそう。
ガラ・コンサートをやった時に海外ミュージカルである『エリザベート』は楽譜通りにきちんと歌わなくてはいけないというのがわかったけれども、自分が個人で誰かと歌う時は歌詞ではなく台詞として歌いたいと思っているんだそうです。

確かにここでかちゃと2人で歌った「闇が広がる」は、これまで私が聴いた「闇が広がる」とはだいぶ違っていました。
お年のせいもあるのかもしれないですが、残念ながら音程が危うい箇所もあったように思いました。

しかし声の張りと声量は現役時代と変わらず、そして舞台セットとトートの衣装が見えるような心にグッと迫る「闇が広がる」でした。

かちゃもルドルフになりきっていて、『エリザベート』の世界観に入りこませてもらいました。

確かにこの「闇が広がる」はお芝居でした。
そして歌い終わってから2人で「夢が叶いました〜!」と声を合わせて言っていたのが印象的でした。

「熱愛のボレロ」(『ラ・カンタータ!』より

2曲目はシメさんの退団公演のショー『ラ・カンタータ!』の「熱愛のボレロ」でした。
シメさんにとって自分の当たり役というものが特別なくて、この「熱愛のボレロ」が唯一自分のものだと言える曲なんだそうです。

退団公演のお稽古の時に初めてこの曲を聴いた時の思い出も語ってくれましたが、本当に思い入れの深い曲のようです。

かちゃにとっても大好きな曲で、この番組でデュエット曲をリクエストする時にこの曲のこともよぎったけれど、あまりに恐れ多くて自分の口からは言えずにいたら、シメさんの方からリクエストされたんですって。

冒頭の「今日強く 君を愛す 昨日よりさらに深く 君を愛す」の部分はお互いが相手に歌ってほしくて、だいぶやり合った結果かちゃが歌うことになったという経緯があるとか(笑)

この曲はシメさんもかなり歌いこんでいると見えて、とても聴き応えがありました。
2人の声質もよく合っているなと思いました。
ロングトーンも素晴らしかった!

退団する凪七瑠海への素敵なご褒美になりました

今日11月10日に花組公演『エンジェリックライ』『Jubilee』が宝塚大劇場で千秋楽を迎えました。

かちゃの退団公演ですので、公演の最後には凪七瑠海サヨナラショーも行われました。
下級生の頃からずっと見てきたかちゃが退団してしまうのは今でも実感がわきません。
東京でかちゃの最後の男役姿を観たら実感するのでしょうか?

今回の『夢の音楽会』は退団するかちゃにとって大きなご褒美になりましたね。
音楽学校の頃から似ていると言われ、かちゃのことを本当に娘だと思って愛しく愛しく思っていますなんて素敵な言葉ももらっていました。

そして
「シメさんからいただいた愛をパワーに変えて、宝塚を愛して頑張っていきたいと思います」
と最後に言ってましたが、東京公演の千秋楽まで、そして宝塚を卒業した後も宝塚を愛し続けていってほしいです。

  

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