本日12月4日、月組全国ツアー公演がライブ中継・ライブ配信されました。
千秋楽は12月7日(水)ですが、平日なので日曜日の今日になったんですね~
今回の全国ツアー、お芝居は1994年に花組の安寿ミラさん主演で上演された作品の再演、そしてショーは今年はじめに月組新トップコンビの大劇場お披露目公演で上演されたものの再演です。
演目が発表された時にできれば観たいな~と思ってチケット取りを頑張ったんですが残念ながら取れず…泣
なので、ライブ配信を楽しみにしていました。
『ブラック・ジャック 危険な賭け』は正塚作品らしい作品
初演の『ブラック・ジャック 危険な賭け』は1994年に宝塚市立手塚治虫記念館開館記念公演として上演されました。
安寿ミラさんが主役のブラック・ジャックを演じられましたが、東京公演は安寿ミラさんがロンドン公演に行かれたので、途中まで2番手男役の真矢みきさんがブラック・ジャックを演じました。
私は何年か前に安寿ミラさん主演バージョンをスカイ・ステージで見たことがあります。
大体のストーリーや役柄は覚えていましたが、今回あらためて実に正塚晴彦先生らしい作品だな~と思いました。
もちろん原作は手塚治虫さんの漫画ですが、宝塚版のストーリーは正塚先生のオリジナル。
登場人物も主役のブラック・ジャックとピノコ以外はすべてオリジナルです。
お話の冒頭にとある小国でのクーデターが起こったり、MI6の諜報部員が出てきたり、裏で暗躍する武器商人のグループがちょっとおまぬけだったり、ヒロインが自立したカッコいい女性だったりとこれまで観てきた正塚作品の要素がたっぷりでした。
会話のやり取りも、相手が喋ってる途中でも気持ちがたかぶってさえぎって話し始めたりする場面も何度かあって、その度にあ~正塚先生らしいな~と思って観ていました。
あと、役が少ないところも正塚作品らしい(笑)
そのために上級生であってもいろんな役で登場していました。
でも、人数が約半分になっているため、下級生に活躍する場面が与えられていて、ブラック・ジャックの影の一輝翔琉くんやピノコ役の美海そらちゃん、ローラ役の花妃舞音ちゃんがいい役で目立っていたのがよかったです。
月城かなとのブラック・ジャックがブラック・ジャックでした
れいこちゃん(月城かなと)のブラック・ジャック、ポスター画像を見た時から顔に傷があっても美しいな~と思ってました。
そして、あの黒髪と銀髪が半々のカツラも真っ黒の衣装もすごく似合っています。
登場シーンは舞台奥のセットの上に後ろからライトが当たってシルエットで現れて、それがもうめちゃくちゃカッコよかったです。
ですが、男役としてただカッコいいというだけじゃないのが正塚作品らしいところ。
実に人間らしいというか人間臭いというか、わがままな部分や融通が効かない部分があったりするのが、アニメのブラック・ジャックを見ているようでした。
最後の場面でおだちん(風間柚乃)演じるケインとベンチに座って話している途中でいびきをかいて居眠りしちゃったりするのも人間らしくていいです。
海乃美月のアイリス
うみちゃん(海乃美月)演じるアイリスは英国情報部の職員で、ケイン(風間柚乃)の元同僚で愛し合ってるという役どころ。
なので、アイリスの方はブラック・ジャックのれいこちゃんとは恋愛関係ではありません。
もう一つの役の如月恵が今は亡きブラック・ジャックの恋人だった人なので、回想シーンでのみブラック・ジャックとの関係がすこしだけ描かれますが。
この作品はトップコンビが恋愛関係にないというところがちょっと寂しい気もしましたが、それはそれで面白かったです。
れいこちゃんとうみちゃんのこういう関係の役は珍しいですが、うみちゃんにアイリスのような自立した強い女性の役はとっても合ってました。
二人のけんけんがくがくなやり取りは見ていて新鮮でした。
風間柚乃と礼華はるのコンビ
初演のケインとジョイは真矢みきさんと愛華みれさんがやっていて二人のコンビ感が好きでしたが、今回のおだちん(風間柚乃)とぱるくん(礼華はる)のケインとジョイコンビもいい感じでした。
NOW ON STAGEでれいこちゃんがこの二人のコンビの場面を見るのが楽しいと言ってましたが、確かに楽しいです。
とくにぱるくんがこれまで演じたことがないような能天気で明るい少年役というのが面白いです。
体の大きなぱるくんが子分役というのもデコボココンビで楽しかったです。
『FULL SWING!』は新しいショーになってました
ショーの『FULL SWING!』は大劇場公演から人数が約半分になった分、場面場面の出演メンバーが大幅に変わって、それから以前とガラッと変わっている場面もあって、また新しいショーとなっていました。
風間柚乃・礼華はる・夢奈瑠音が大活躍
大劇場公演に出演していたちなつちゃん(鳳月杏)とありちゃん(暁千星)が今回いません。
なので、プロローグのれいこちゃん(月城かなと)・ちなつちゃん(鳳月杏)・ありちゃん(暁千星)・おだちん(風間柚乃)が4人で出ていたところは、
れいこちゃん・おだちん・ぱるくん(礼華はる)・るねくん(夢奈瑠音)になっていました。
その他にもちなつちゃんがセンターの場面はおだちんが代わりに頑張り、ありちゃんがセンターの場面はぱるくんやるねくんが代わりとなって活躍していました。
ちなつちゃんもありちゃんも歌唱力に定評がありますが、その二人の歌うところを歌うこの3人はものすごくお稽古頑張ったんでしょうね。
すごくきれいな声で安定感のある歌唱で聴きごたえがあり、すごく感心しました。
唯一のアドリブ?
全国ツアーってご当地ごとにその地にちなんだアドリブがあることが多いです。
最近では星組と花組の全国ツアーで、毎回違ったアドリブがあって、それを観劇された方がレポートしてくださるのが楽しみでした。
ですが、今回月組の全国ツアーではそういったアドリブの場面がないようです。
唯一、終盤の男役黒燕尾の場面で、れいこちゃんとおだちんが二人で絡んで踊るところがあり、そこで毎回違った絡み方をしていたそうです。
今日のその場面、なんとれいこちゃんがおだちんのおでこに自分のおでこをぶつけてました。
その瞬間、おだちんはびっくりして目をまん丸にしてましたが、あまりの顔の近さに見ているこっちもドギマギしてしまいました。
れいこちゃんは確信犯的に目をまん丸にしたおだちんを見てニヤッとしてたのにもハートを鷲掴みにされちゃいました。
この時のこと、いつか何かでれいこちゃんとおだちんに話を聞いてみたいです。
カーテンコールは博多バージョン(笑)
ご当地出身者紹介
カーテンコールでは全国ツアー恒例のご当地出身者の紹介もありました。
福岡市民会館での公演なので、福岡市出身者としてみうみん(美海そら)一人だけが紹介されました。
まず
「皆様、そしてライブ配信をご覧の皆様、どげんやった~?」
と博多弁をまじえて話した後、突然隣の組子かな?「トゥルルル~」と電話の着信音のような音を出し、それに「ガチャ」と電話に出た後、
「テンテ~、今配信中なのよ~。もうちょっとで終わるから待っててね。じゃあね」
というような事を役のピノコになりきって言ったので、客席も舞台上も大ウケでした。
れいこちゃんも大笑いしながらブラック・ジャック先生になってうなずいていました。
その後は
「千秋楽まで頑張るけ~ん」
とまたまた博多弁でご挨拶するという芸達者ぶりでした。
月城かなとのご挨拶
すごく盛り上がった空気の後、気を取り直してという感じで光月るう組長から紹介されたれいこちゃん
「皆様、本日は月組公演に起こしくださいましてまことにありがとうございました。月組の月城かなとば~い!」
とみうみん(美海そら)に負けじと博多弁でご挨拶したので、今度も客席は大盛り上がりでした。
その後は、劇場の皆さん、ライブ中継・ライブ配信を観ている皆さん、それからブルーレイをお買い上げの皆さんにもお礼を言っていました。
「これからもよい舞台をお届けできるように愉快な仲間たちと精一杯頑張ってまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします」
「本日は本当に、ありがとうございました~!」
と元気よく叫んでカーテンコールが終わりました。
最後まで楽しい楽しい時間を過ごすことができ、幸せなライブ配信視聴でした!
読んで頂き、ありがとうございました。
ブログランキングに参加しています。クリックして頂けるとうれしいです。
クリック先はブログランキングなので、他の宝塚歌劇のブログをご覧になれます。