先週5月15日には星組宝塚大劇場と雪組東京宝塚劇場で2つの新人公演が上演されました。
今日のタカラヅカニュースでは両方の新人公演の模様が放送されました。
星組 宝塚大劇場 新人公演 『阿修羅城の瞳』
今回の新人公演は主演の病葉出門役を『1789-バスティーユの恋人たち-』以来2回目の新人公演主演をするつんつん(稀惺かずと)が演じ、ヒロインの闇のつばき役を次期トップ娘役のうたち(詩ちづる)が演じるということで、かなり話題になりました。
実力満点のスーパートップのこっちゃん(礼真琴)の最後の役を、小林一三先生の玄孫であるつんつんが担うというのは深い意味を感じます。
そしてヒロインのつばきに関しては、次期トップコンビのありちゃん(暁千星)とうたちが本公演と新人公演で同じ役を演じるというのが面白いです。
ダイジェスト映像では、これまで歌唱が課題かなと思っていたつんつんの歌がものすごく上手くなっていてびっくりしましたし、ところどころでこっちゃんかと聞き間違うほど台詞回しが似ていて、よく研究したんだな〜と感心しました。
殺陣やコメディ要素の部分も素晴らしい出来だなと思いました。
また他のメンバーではつばきのうたちの歌のレベルの高さ、そして邪空役のあいみちゃん(大希颯)の貫禄にもさすがだなと。
あとSNSでも話題になっていましたが、桜姫役の乙華菜乃ちゃんの振り切り度合いに驚かされました。
稀惺かずとの新人公演ご挨拶
この新人公演の長でもあるつんつん(稀惺かずと)のご挨拶から始まりました。
つんつんは新人公演主演は2度目ですが、前回の『1789-バスティーユの恋人たち-』は2年も前でしたし、あの時は東京の1回だけの新人公演だったからか、ご挨拶の最初からかなり緊張している様子が伺えました。
先生方や上級生の皆さん、スタッフの方たち、そしてお客さんへの感謝の言葉を述べたつんつん。
「本日までの日々は本当にあっという間でした。山積みの課題に、未熟な私たちにはいくら時間があっても足りなくて、間に合わないのではないかと何度も何度も思いました」
と神妙な面持ちで話します。
「しかし尊敬してやまない礼さんのご卒業公演というこの大切な作品で、新人公演メンバー全員が礼さんの背中を、そして尊敬する上級生の方々のまなざしや舞台に対する姿勢を目に焼き付けさせていただき、舞台と向き合うことの厳しさと尊さを学ばせていただく日々でした」
と。
そして
「まだ東京に向けてたくさんの課題が残っていますが、明後日からの本公演も、そして東京の新人公演に向けて自分たちの限界に突っ走っていきたいと思います」
と一言一言噛み締めながら話して、最初のご挨拶を締めました。
次のカーテンコールでは
「出門の自分の運命(さだめ)に真っ正面からぶつかっていく姿に、幾度となく私は気づかぬうちに救われていました」
「皆様にいただく温かいお言葉に自分は本当に応えられているのだろうか、そして自分に託していただいた運命を全うできているのか、何度もその思いが頭によぎりました」
と時々言葉につまりながら話し、涙がツーっと頬を伝います。
その後
「しかし…しかし…すみません…しかし」
と次の言葉が出てこず3回も「しかし」と言ってしまい、客席から笑いが起こったことで、つんつん自身からも少し笑いが漏れました(笑)
で、
「やらないわけにはできない!」
と力を込めて言ったところでまた笑いが…
これでだいぶ落ち着いたのか、その後は
「自分の限界に突っ走ろうと、それが私たち新人公演メンバーにできる精一杯のことだと、今回身に染みて学ばせていただきました」
と続けて、最後は
「東京公演、東京の新人公演と明後日からの本番も全員で誠心誠意頑張ります。本日はまことにありがとうございました」
と力強くご挨拶し、やっとやり切った清々しい表情になったつんつんでした。
こっちゃんの最後の役を任せてもらったことに相当のプレッシャーがあるのかもしれません。
その大役に自分はちゃんとやれているんだろうかと葛藤もあったんでしょうね〜
そして、ずっと背中を追ってきたこっちゃんがこの公演が終わるといなくなってしまうことへの焦りや寂しさもあるのかな〜
様々な思いが如実に表れたカーテンコールの涙だったんだろうと思います。
今回の新人公演でもとても高いレベルのものを見せてくれていましたが、東京ではさらに進化した姿が見られるだろうなと期待しています。
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