和希そらと安蘭けいさんでスカイステージ新番組『夢の音楽会』第一回

OG

スカイ・ステージは7月1日から新しい期になり、さっそく新しい番組が始まりました。

その一つ、現役生がOGをゲストに招いて、トークをするだけではなくデュエットまでやるという番組が『夢の音楽会』です。

その第1回は雪組のそらくん(和希そら)が元星組トップスターの安蘭けいさんをゲストに招きました。
番組は

二人のトーク→デュエット♪→トーク→デュエット♪→トーク→そらくんの感想(一言)

という構成でした。

これまで『スカイ・ステージ・トーク』など現役生徒がOGをゲストに呼んでトークする回はありましたが、一緒に歌うというのは初めてではないでしょうか。

安蘭けい・和希そらのトーク

二人のトークはお互いの呼び名を決めるところから始まりました。

そらくん(和希そら)がとうこさん(安蘭けい)に「とうこさんとお呼びしてもよろしいでしょうか?」と訊き、とうこさんは「もちろん。なんなら“とうこ”って呼んでくれてもいいぐらい」って(笑)

そういうところ本当にさすがです、とうこさん。

そらくんのことは“そらちゃん”と呼ぶことになりました。
初対面なのに一気にフレンドリーな雰囲気になったのはとうこさんのトーク力のおかげですね。

お互いの印象

和希そら→安蘭けい

そらくんのところにこの番組のお話が来て、デュエットしたい人を選んでいいと言われた時に真っ先に思い浮かんだのがとうこさんだそうです。

そらくんが本科生の時にとうこさんの退団公演があって、音楽学校の教室で朝自主練習する時に退団公演の『ア ビヤント』の「またね」という曲をずっとかけていたんだとか。

劇団に入ってからもとうこさんの曲をダウンロードしてプレイリストを作ったり、とうこさんの歌う「エル・クンバンチェロ」にしびれてしまったほどとうこさんの歌声に憧れていたそう。

その話は初耳でしたが、そらくんの芝居心のある魅力的な歌声はとうこさんの影響もあったんだ〜と納得しました。
私もとうこさんの歌声は現役の時からすごく好きで、単に歌が上手いというだけではない芝居心を感じさせる歌声だと思っていました。
話を聞いて二人の歌声の共通点にあらためて気が付きました。

安蘭けい→和希そら

とうこさんも今回この番組の話が来た時に「もちろんいいですよ」と即答したほど、以前から舞台を観てそらくんに注目していたそうです。

「山椒のように小粒でピリッと辛いスパイスの効いた男役さん」だなと思っていたとか。

周りのOGに番組でそらくんと一緒に歌うという話をしたら「あの子すごくいいよね〜」と言われたとも話していました。
お互いに相思相愛だったというわけですね〜
素敵な話です。

作品の中での歌唱について

そらくんからの質問ということで、「とうこさんが作品の中で歌う時に意識していること」を尋ねました。

そらくん曰く、とうこさんの発声の仕方はまるで喋っているかのようで、ナチュラルに気持ちが歌になっている感じが大好きだそう。
自分も歌う時にはとうこさんならどう歌われるかなと想像して歌っているんだとか。

とうこさんはミュージカルが苦手な人がよく言うのが「急に歌い出すのが気持ち悪い」ということを挙げて、自分はそういうふうにならないように意識していたと答えていました。
台詞を話すように歌い出すのを心がけていたそう。

男役の時は歌の音域と台詞の音域が似通っていたのがよかったとも言っていました。
最近ミュージカルで活躍する俳優さんがそういう話をしているのを聞きました。

「歌は台詞を話すように、台詞は歌を歌うように」ということが大切だと。

とうこさんも宝塚時代からそれを意識して歌っていたんですね〜
なかなか難しいことなのかもしれません。
下級生の頃には自分のキーもわからないし、台詞のトーンも安定しないからということみたいです。
上級生になって自分のいい声帯のポジションがわかってくれば歌への導入も自然になってくると思うというお話でした。
そらくんもちゃんとできていると思うので、だからそらくんの歌も聴いていて気持ちがいいんですね。
とっても深い話でした。

安蘭けい・和希そらのデュエット

そらくんがデュエットする曲をリクエストする時にすぐに思いついたのが「Blues Requiem」と「ひとかけらの勇気」だそうです。

2曲とも公演以外にもいろんなイベントやディナーショーなどでこれまでにたくさん歌われてきた曲です。

そらくん曰く、とくに「ひとかけらの勇気」はイベントなどではたくさんの人が歌いたいと取り合いになるそうです(笑)

「Blues Requiem」(雪組公演『凍てついた明日』より)

「Blues Requiem」は1998年の香寿たつきさん主演の『凍てついた明日』でとうこさん(安蘭けい)演じるジェレミーが歌っていた曲です。

劇中で当時専科の矢代鴻さんと一緒に歌うシーンでは、毎回舞台上で感動で泣いていたほど大切に歌っていた曲だそうです。

『凍てついた明日』は何年も前に一度スカイ・ステージで観たことがありますが、この「Blues Requiem」という曲はうっすら記憶がある程度です。

あらためて聴くといい曲ですね〜
作・演出の荻田浩一先生の歌詞が素敵です。

とうこさん曰くこの曲を歌うにあたっては歌い上げすぎずにメロディと歌詞をお客様に届けるということを意識したそう。

二人で歌うのを聴くと、とうこさんが言うとおり二人の声の相性がいいです。
違う感じの声ではあるけれど、お互いの声を邪魔しないというのが納得です。
ハモりの部分も聴いていてすごく気持ちよかったです。

「ひとかけらの勇気」(星組公演『THE SCARLET PIMPERNEL』より)

「ひとかけらの勇気」もとうこさんといえばという曲です。

ブロードウェイ・ミュージカルの『THE SCARLET PIMPERNEL』が宝塚で2008年にとうこさん主演で初演された時に、宝塚用にフランク・ワイルドホーン氏によって書き下ろされた曲です。

潤色・演出の小池修一郎先生が宝塚の公演での主題歌としてワイルドホーン氏に依頼したのは有名な話ですが、とうこさんがその時の裏話を教えてくれました。

最初はニューヨークから音源だけ届いたそうですが、その後ワイルドホーン氏が来日してピアノ演奏しながらとうこさんの歌うのを聴いて、とうこさんの声質などに合わせてアレンジしていってくれたそうです。

「僕は行く 君のために」の「き〜み〜の」のところはその時に「み〜」を伸ばすことになったんだとか。

新しく楽曲を作っていく現場に立ち会えたことにすごく感動したと話していました。
あの名曲はそんなふうに出来上がったんですね〜

二人のデュエットでは途中まで交代に歌い、最後は二人で一緒に歌いました。
一人ずつ歌ってるのを聴くと全く違う声だなと思います。
でも一緒に歌うとピッタリ合うのが不思議です。

本当に相性がよくて気持ちがいいので、もっと聴いていたくなりました。
とうこさんが言っていたように、2曲だけでは物足りなかったです。

今後もこの番組が楽しみです

今回は現役時代歌唱力に定評があった安蘭けいさんと、歌・ダンス・芝居と三拍子揃った和希そらくんとの共演で、とても質の高い番組だったなと思います。

今後も歌の上手なタカラジェンヌとOGとのデュエットが見たいです。
月組のちなつちゃん(鳳月杏)とか宙組のキキちゃん(芹香斗亜)とか。
トップスターでもOKならこっちゃん(礼真琴)でも見たいです!

ゲストにはぜひ香寿たつきさんや春野寿美礼さんはどうでしょうか。

これからもこの『夢の音楽会』という番組が楽しみです。

  

読んで頂き、ありがとうございました。

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