先日、月組東京宝塚劇場公演『RYOFU』と『水晶宮殿』を観劇してきました。
宝塚の初日から大いに話題になっていたこの公演。
お芝居・ショーと全く違う世界観の作品ですが、どちらもずっと目が足りない見応え満載の公演でした。
初日以降、こんなちなつちゃん(鳳月杏)が見たかった〜とSNSでも盛り上がっていて、私も本当にそう感じましたが、もう一人おだちん(風間柚乃)の存在感に終始圧倒されました。
月組東京宝塚劇場公演『RYOFU』『水晶宮殿』観劇
『RYOFU』
『RYOFU』は終演後一本物を観終わったような満足感がありました。
開演前からパチパチと火が燃えるような音がどこからともなく聞こえてきて、ちなつちゃんの開演アナウンスがいつもと全く違って低い声で、そこからもう三国志の世界観に引き込まれます。
ちなつちゃん(鳳月杏)演じる呂布は三国志最強の武将で、主を2人も殺した裏切り者としても知られていますが、どうしてそうなったのかという過去も描かれていて、ただの悪人ではないんですよね。
最後は雪蓮との愛に死んでいく最期も壮絶過ぎて。
それでも、やっぱり主君である丁成の軍の兵士たちをバッサバッサと切っていくところや、赤兎馬に幻惑されてのご乱心の場面はあまりにも怖いです。
東京公演から追加されたという顔の返り血も迫力満点でした。(※SNSで顔の返り血は東京公演からというポストをいくつか見ていたんですが、本当は大劇場公演の途中からだと教えていただきました。すみません)
少年時代の呂布のきどくん(七城雅)と入れ替わりでせり上がってきた時の、返り血まみれの姿には背筋がゾクッとしました。
中国物なので、血生臭い場面だけでなく、きらびやかで華やかな場面もあります。
芸妓たちが銀橋に居並んで歌い踊るところや、貂蝉になりすました雪蓮が長い袖の衣装で舞うシーンは美しくて見応え満載でした。
ストーリー展開も、セットや映像を駆使した場面構成も素晴らしくて、栗田優香先生さすがだなと何度も唸らされました。
風間柚乃の董卓が恐ろしくてすごい!
呂布に比べて、おだちん(風間柚乃)演じる董卓はただただ残忍で恐ろしい人でした。
元は、人々のために新しい世を作るという理念を持っていたのに、権力を持つようになってから暴君となってしまった董卓。
カフェ・ブレイクで中井美穂さんがおだちんの董卓をロベスピエールの様と言ってましたが、なるほどと思いました。
朝廷を自分の思い通りにするために、言うことを聞かない何皇后と帝の劉弁を容赦なく亡き者にする暴虐の限りを尽くします。
自分にただ「しかし」と口答えをした部下の兵を無慈悲に斬り殺したり、粗相をしてしまった芸妓の腕を痛めつけたりという傍若無人ぶり。
そんな恐ろしい董卓をおだちんは色気たっぷりに演じていて、まさに色悪といった感じの役でした。
呂布のちなつちゃんと対峙する場面でも、8学年も差があるとは思えない貫禄と存在感。
もちろん歌唱も素晴らしい。
伸びやかな歌声で、聴いていて惚れ惚れ、台詞の口跡も素晴らしく、終始董卓のおだちんのお芝居に圧倒されていました。
董卓陣営の面々も魅力的
そんな董卓の陣営にいる面々も皆個性的で魅力たっぷり。
董卓に盲目的に心酔する李粛をぱるくん(礼華はる)が、これまた貫禄たっぷりに演じていました。
眉毛を釣り上げたお化粧がすごかった。
「笑止!」や「刮目せよ!」といった特徴的な台詞はつい真似したくなります(笑)
董卓の掲げる理念に共感して右腕となっている李儒はあみちゃん(彩海せら)。
暴君となった董卓に疑念を抱いていて、なんとかしなくてはと思っている様にあみちゃんの持ち味が活かされています。
『雨にじむ渤海』ではお互い思い合っていたぱるくんとあみちゃんが、この作品ではライバル関係。
それもぱるくんの李粛が、董卓から一目置かれている李儒に嫉妬しているという関係性です。
ぱるくんがNOW ON STAGEで「同担拒否ソング」と呼んでいた歌を2人で歌う場面も、2人の立場や董卓への思いの差が際立って面白かったです。
他に、何事にも我関せずの立場のうーちゃん(英かおと)演じる牛輔や、血気盛んな若者らしいしゅりんぷ(天つ風朱李)演じる華雄がいて、おだちんの董卓をさらに魅力的に魅せていました。
『水晶宮殿』
ショー『水晶宮殿』はギラギラの、最近の月組には珍しいファンタジーショー。
宇宙に散らばった6つのクリスタルを探しに、ちなつちゃん扮する流星の騎士メテオとじゅりちゃん扮するプリンセスジュリーが宇宙を旅するというストーリー性のあるショーです。
なんですが、突然恐竜が出てきたり、どこでメテオがクリスタルを回収したのかいまいちわからなかったりと、いろいろ考え出すとあれってなることも…(笑)
中詰めが水樹奈々さんメドレーで、他にもJ-POPもたくさん使われていて、まさに齋藤吉正先生ワールドでした!
頭で考えないで心で感じるタイプのショーですかね〜(笑)
このショーに関しては賛否両論あるようですが、私は癖になる感じで観ていてとても楽しかったです。
こちらの『水晶宮殿』でも、おだちん(風間柚乃)はデビル・フリーザーという悪役の通し役でした。
風間柚乃のデビル・フリーザー
なんと冒頭、オケボックスから銀橋に上がってくるおだちんデビル・フリーザー。
それで、「俺の名はデビル・フリーザー」って銀橋で歌うおだちんと同じ姿で舞台奥に映像が映っているのがまたすごかったです。
その後のシーンで満を持してちなつちゃん(鳳月杏)の騎士メテオが登場するんです。
トップさんが登場する前に2番手スターが登場することってたまにあると思うんですが、同時に映像で映るというパターンは珍しいんじゃないでしょうか〜
その後にもいろんな姿でデビル・フリーザーは登場します。
董卓と比べると愛嬌もある悪役ですが、こちらの悪役も存在感たっぷりで、圧倒されました。
マッチ売りの少女との恋
中詰めの後のシーンでは、デビル・フリーザーの過去が描かれて、そこではマッチ売りの少女との淡い恋が。
まだ悪になる前の青年フリーザーとりりちゃん(白河りり)扮するマッチ売りの少女が、大晦日の街並みで歌い踊る可愛らしいシーンです。
次のおだちん主演作品『稲妻開化譚-イナズマカイカタン-』でヒロインを務めるりりちゃんとの相性もばっちり、とても素敵でした。
このシーンの最後にそのマッチ売りの少女が命を落としてしまったことから、どうやらフリーザーは悪に染まってしまうようです。
その後のシーンでは、角まで生えたいかにも悪という感じの格好で出てきて、メテオの後ろからガブッと噛みついて倒してしまう。
その時のデビル・フリーザーは董卓ばりの怖さでした。
りりちゃんのマッチ売りの少女は実はクリスタルの一つのアメジストなんだそうで、NOW ON STAGEでおだちんが語っていたところによると、最初の場面からずっとデビル・フリーザーはアメジストのことを想っていたんだとか。
それで、最後にクリスタルパレスが再興する時にアメジストの姿を見て「あ〜、よかった」って思うんだそうで、それを思いながら見るとデビル・フリーザーってただの悪ではなくとっても切ないなって思います。
フィナーレは王道のカッコよさ
結局デビル・フリーザーは、やられてしまったメテオに代わりみとさん(梨花ますみ)扮するクイーンに倒されてしまいw、クリスタルパレスが復活してよかったよかったってなって、その後は宝塚らしい王道のフィナーレに。
ここではおだちんも“紳士S”になって、黒燕尾をカッコよく踊るのが素敵でした。
黒燕尾のお衣装に、ちなつちゃんの次にたくさんのキラキラが付いていて、背中にまでラインストーンの柄があったのには「おお〜♡」って感動しました。
風間柚乃のこれからがますます楽しみに
『RYOFU』という作品は、ちなつちゃんの実力があってここまでの作品になったとのは勿論ですが、やっぱりおだちんという2番手がいなくては、おだちんが董卓を演じなければ成し得なかっただろうなと、観劇して改めて確信しました。
また、この董卓という役は2番手の今だからこそできる役であって、この経験はおだちんにとって宝物のような経験になったんじゃないかな。
そして、ショーでも、もう押しも押されぬ2番手で、まだ次期月組トップコンビは発表されていませんが、いつトップになってもおかしくないなと感じました。
発表をワクワクしながら待ちたいと思います。
まずは、この公演の千秋楽までの完走を、そして次の主演作品『稲妻開化譚-イナズマカイカタン-』の成功を祈りたいと思います。
読んで頂き、ありがとうございました。
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