鳳月杏主演『ELPIDIO』の爆笑カーテンコール

月組鳳月杏主演の『ELPIDIO』が12月11日にシアター・ドラマシティで千秋楽の幕を下ろしました。
11月21日にKAAT神奈川芸術劇場で始まってから、公演期間は短かったですがとても評判のいい作品でした。

今回はKAAT神奈川芸術劇場公演中の11月26日にライブ配信がありまして、私も観ることができました。

月組 鳳月杏主演 『ELPIDIO』千秋楽

今日のタカラヅカニュースでは、その 『ELPIDIO』の千秋楽の模様が放送されました。

予想以上に良作でした

この『ELPIDIO』という作品は宝塚OGで、振付家・演出家でもある謝珠栄先生のオリジナル作品です。

謝先生といえば宝塚では柴田侑宏先生の作品の演出を多くされていますが、オリジナル作品では『MAHOROBA』『眩曜の谷』に続いて3作品目です。
『MAHOROBA』は月組瀬奈じゅんさん主演のショーで、私はこの作品が今でも大好きです。

ですが、はじめてのお芝居作品だった星組の『眩曜の谷』はストーリーが暗かったのもあって賛否両論ある作品でしたね。
舞台セットの美しさとことなこコンビのダンスを堪能するにはいい作品だと思いましたが。

それで、最初にこの『ELPIDIO』のあらすじを見た時は、また暗い作品なのかなと思って失礼ながらあまり期待していませんでした。

稽古場レポートではじめてコメディ要素もあると知って、へ~それなら観てみたいと思ってライブ配信を観ました。

そしたら、スペインの植民地支配といった歴史的背景や軍の暴力、女性の社会的立場向上といった重いテーマを扱っているにもかかわらず、コミカルな場面をはさみながら軽快に物語が進んでいって、観終わった後に爽快感を感じられる実にいい作品でした。
そして主役のロレンシオを演じるちなつちゃん(鳳月杏)の演技が素晴らしい。

過去のありそうなミステリアスな雰囲気をかもしつつ、コメディ部分も担当していてその芸達者ぶりに感心しきりでした。

とくに専科から出演のまゆぽん(輝月ゆうま)と、アルバレス侯爵邸の執事役のれんこん(蓮つかさ)との場面は笑いの連続で実に楽しい場面でした。

それと、ヒロインのパトリシア役のみちるちゃん(彩みちる)とのお芝居がまたよくて。
アルバレス侯爵の替え玉となっていることが夫人のパトリシアにばれてから恋に発展していく様が本当に素敵でした~
そこのみちるちゃんの表情の変化もよかったです。

他にはセシリオ役のあみちゃん(彩海せら)、雪組時代からお芝居上手だなと思っていましたが、月組に来てまたさらに磨きがかかった印象でした。

あとは白雪さち花千海華蘭といったベテラン勢から下級生にいたるまで活躍の場が与えられていて、芝居の月組の面目躍如といった感じで、すごく見ごたえがありました。

あとは、振付家でもある謝先生のいい意味で宝塚らしくない振付がまた素晴らしくて、とくにフィナーレナンバーは感動するくらい素敵な振りの連続でした。

劇場で生で観劇したらもっと感動したと思いますが、ライブ配信ででも観られたのが幸せだったなと思える良作でした。

鳳月杏の爆笑千秋楽ご挨拶

まずは真面目に

まずはこの公演から月組の副組長に就任したさちかさん(白雪さち花)の力のこもったご挨拶から。
そして、

「我らが“希望”という名の男役、鳳月杏が皆様にご挨拶申し上げます」

とタイトルの副題「希望という名の男」にかけてちなつちゃん(鳳月杏)を紹介しました。
さちかさんや組子たちに「フ~~、フ~~」とはやし立てられてまあまあというように両手で制したちなつちゃん。
もうそこから劇場が笑いに包まれています。

まずは11月21日の神奈川での初日から一人も欠けることなく公演できたことへの喜びの気持ちを口にしました。

その後は、この作品を通して社会への問題提起と、お客様に自分たちの気持ちが届くように役に熱い魂と情熱を込めることが我々舞台人のミッションだと思って公演してきたと語りました。
それから

「宝塚という枠にとらわれずにたくさんの可能性を引き出してくださった謝先生にも心から感謝の気持ちでいっぱいでございます」

とここまではちなつちゃんらしく真面目に話しました。

専科の”輝月ゆうまさん”

その後「今日まで本当に」と言いながら急に後ろを振り返ってまゆぽん(輝月ゆうま)に手を差し出して

「輝月ゆうまさん、本当にありがとうございました」

と深々とお辞儀したので、まゆぽんにそれに対して深々とお辞儀し、なんとちなつちゃんに投げキッス!
周りの組子たちもお客さんたちも大喜びでした。

それからちなつちゃんに「泣いてます?」と訊かれ、思いがけない問いにまゆぽんはびっくりしてました。
お髭が取れないように手で口元をおおっていたのがちなつちゃんには泣いてるように見えたのかな?

「泣いてないです」と言いつつ、隣のれんこん(蓮つかさ)に泣いてるように見える?と確認してるまゆぽんが面白くて。

次に幕が開いたときに

「先ほどは雑な振り方をしてしまいましたので」

とあらためてちなつちゃんからまゆぽんへ感謝の言葉があり、それに対してまゆぽんは客席と舞台上の組子たちへ何度もお辞儀をしてました。
その後ちなつちゃんから

「何かございますか?」

と振られ、突然だったのか打ち合わせしてたのかわかりませんが、ちなつちゃんに向かって目くばせした後

「『ELPIDIO』完走、うれピディオ~」

と両手を上げるポーズをしながら言ったまゆぽん!
それにはちなつちゃんはじめ月組生も客席も大笑いでした。

「まゆぽんからやはり舞台人にはユーモアが大事だということを学ばせていただきました」

とちなつちゃん。
本当にまゆぽんのユーモアセンスは素晴らしいです。
作品中もカーテンコールも大いに楽しませていただきました。

この作品のもう一人の立役者ですよね、まゆぽんは。

ELPIDIOという名前について

この『ELPIDIO』には「~希望という名の男~」という副題が付いています。
エルピディオはちなつちゃん演じるロレンシオの本名だった訳ですが、スペイン語で”希望”という意味のある男性名なんですね。

ということで、ちなつちゃんはもし自分が”希望”という名前で生まれてたらものすごくプレッシャーだなとお稽古の時からずっと考えていたそうです(笑)

「なんかいろいろあっても“希望”っていう名前なんだからしっかりしてよとか言われるんじゃないかとか考えたんですけど」

なんて言い出すちなつちゃん、面白いこと考えますね(笑)

でもエルピディオは自分の名前の意味を知った時に、それが生き方の指針となっていったんだなということも感じ、名前はすごく大事だなと思ったそうです。
そして

「私たち一人一人も誰かの希望であり、皆様も誰かの希望なので、自信を持って強くたくましく生きていきましょう」

としっかりとうまくまとめました。
さすが頭の切れるちなつちゃんです。

最後はやっぱり”月組大ジャンプ”で大盛り上がり

その前のカーテンコールで幕が下りる瞬間にスタッフさんがキラキラの紙吹雪を降らせてくれました。

それで最後のカーテンコールでは、まゆぽんをはじめ何人かがおでこに紙吹雪をくっつけていて、まゆぽんなんかちなつちゃんにポーズをして見せたりしてて(笑)

「さすが、体張るんですね~、素晴らしい」

なんて言われてました(笑)
それを見たみちるちゃん(彩みちる)とさちかさん(白雪さち花)もおでこに紙吹雪をくっつけてわざわざちなつちゃんにに見せて「あ、可愛い可愛い」って言ってもらって。

なんかすご~く自由な舞台上にこっちも楽しくなっちゃいました。

そして、客席の皆さんに立っていただいたのでということで、千秋楽恒例の”月組大ジャンプ”をやることになりました。

今回はこの公演から副組長になったさちかさんの音頭でいうことで、さちかさんが丁寧に説明もしてくれました。

出演者たちは隣の人と手をつないでから準備運動をしっかりと。
最近はこの準備運動から”月組大ジャンプ”のルーティンになっていますね~

「次日本物なのでね~」とさちかさんが言ってたけど、日本物の重い衣装を着る前に怪我をしては大変だということでしょうか~?
ちょっと謎でしたが(笑)

で、さちかさんの

「『ELPIDIO』を愛してくださったすべての皆様」

の後みんなで

「グラッシアス!!」

と叫んでから

「月組~!バンザ~イ!」

と劇場全体で”月組大ジャンプ”をやって大盛り上がりのうちに千秋楽のカーテンコールが終わりました。

ちなつちゃんをはじめとして本当に楽しそうなキャストのみんなの笑顔にこちらまで笑顔にしてもらったカーテンコールでした。

  

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