台風10号で新幹線の計画運休など多くの人に影響が出ている中ではありますが、宝塚の公演はどれも予定通り実施されています。
遠征の予定で観劇できなかった方もたくさんいらっしゃいますよね…
雪組『ベルサイユのばら』の東京宝塚劇場公演も初日の幕が上がり、そして新生月組の全国ツアーは今日市川市文化会館の公演がライブ配信されました。
月組 全国ツアー公演『琥珀色の雨にぬれて』『Grande TAKARAZUKA 110!』ライブ配信
『琥珀色の雨にぬれて』
『琥珀色の雨にぬれて』は柴田侑宏先生の名作で何度も再演されてきた作品です。
今回樫畑亜依子先生が演出されたということで、これまで映像で観てきた公演と少し違う印象も持ちましたが、いい作品だな〜と改めて思いました。
登場人物ごとに感想をまとめました。
鳳月杏:クロード
ちなつちゃん(鳳月杏)演じるクロードという役は、フランソワーズという婚約者がいながら偶然出会ったシャロンに惹かれてのめり込んでしまい、一旦別れてフランソワーズと結婚した後にもまたシャロンとよりを戻そうとする端から見たらとんでもない男性です。
貴族のお坊ちゃんで純粋無垢なだけに突き進んでしまうというところはあると思いますが、ヅカファンの中にもこのクロードという役は共感できないという声もけっこうありますね(笑)
でも柴田侑宏先生の脚本のなせる技なのか、なぜか説得力があるんですよね〜
私は憎めないなって思います。
そしてちなつちゃんのクロード、これまで演じてきた高汐巴、匠ひびき、春野寿美礼、柚希礼音、望海風斗といった錚々たるトップスターにも全く引けを取らないというか、安定感が半端ないクロードでした。
とにかく漂う色気がすごい!
スポットライトが消えていく瞬間の表情の色っぽいこと♡
そしてあの「抱きたい」という台詞には腰がくだけちゃいました(笑)
スタイルがめちゃくちゃいいので、トレンチコートをはじめロングコートが本当に似合います。
天紫珠李:シャロン
じゅりちゃん演じるシャロンは、とても美しい女と言われるのにぴったりなゴージャスな美しさがあります。
元男役ならではの長い手足を活かしたダンスは見ていてうっとりしますし、ちなつちゃんとの並びが大人の雰囲気で本当に素敵です。
歌はもうちょっとと思うところもあったけど、お芝居の上手さはさすがです。
水美舞斗:ルイ
かつて瀬奈じゅんさんが演じたこともあって、私はクロードよりルイという役が好きです。
マイティー(水美舞斗)のルイ、ジゴロらしさがピッタリですごくよかったです。
あの黒髪がいい♡
ちなつちゃんのクロードとシャロンを巡って恋のライバルであり奇妙な友情関係も芽生える役どころが、ちなつちゃんとの関係性もあってぴったり。
この物語はルイの成長物語でもあるなと今日改めて思いました。
シャロンとの恋愛とその終焉を通して大人になったルイが、最後クラブにお世話になったエヴァとシャルルに感謝と別れを告げにくるところにはじ〜んときました。
白河りり:フランソワーズ
NOW ON STAGEでも話していましたが、全く悪くないのに一番可哀想なのがりりちゃん(白河りり)演じるフランソワーズです。
私にとっては2002年と2003年の花組公演で演じていた遠野あすかさんのイメージがすごく強いのですが、ちなつちゃんがりりちゃんに「オリジナルでいいんだよ」とアドバイスしたのがよかったのかりりちゃんならではのフランソワーズでした。
遠野あすかさんよりか弱さがあるけど、か弱さの奥に芯の強さを感じさせるフランソワーズでした。
あの「私の前で私を通り越した言葉を交わすのはやめて!」という台詞やっぱりいいな〜
『Grande TAKARAZUKA 110!』
前回の大劇場公演のショーを全国ツアーバージョン、新トップコンビのプレお披露目バージョンに変えてあるので、同じ場面もありつつサヨナラ色が強い場面は全く新しい場面になってました。
プロローグはほぼ変わってなかったですが、やっぱりやっているメンバーが違うと違う印象になります。
れいこちゃん(月城かなと)が着ていた衣装をちなつちゃん(鳳月杏)が、うみちゃん(海乃美月)が着ていた衣装をじゅりちゃん(天紫珠李)が着ているのを見ると胸にぐっとくるものがありますね〜
それと、2つのチーム分かれているので、前回おだちん(風間柚乃)やあみちゃん(彩海せら)がやっていたパートを若手男役が任されているのも胸熱でした。
全国ツアーバージョンの新場面
全く新しくなっていた場面は二場面。
まずはプロローグの後のマスカレードの場面がイタリアのお祭りの場面になっていました。
ここの冒頭でちなつちゃんが客席降り!
お客さん一人一人にロックオンしながら釣っていく様子を見て、あのお客さん失神しなかったかなと心配になりました(笑)
もう一つはとくにサヨナラ仕様が強かった雪月の場面。
みんなが着ていたあのグレーの衣装は同じでしたが、全く雰囲気の違う場面になってました。
最初りんきらさん(凛城きら)が一人で出てきてソロで歌い、その後ちなつちゃんも出てきて同期2人で絡みながら歌うのがすごくよかったです。
みんなが出てきて全員で踊るところではぐっさん(春海ゆう)や桃ちゃん(桃歌雪)といったベテランがソロで歌うのもいい。
途中ちなつちゃんとマイティー(水美舞斗)が肩を組んで真ん中で踊っている全員を眺めるというような振りもあって、全体的にこれからの月組の将来が見える希望に溢れる場面でした。
この場面の最後はマイティーが一人残って踊りながら歌うんですが、けっこう踊っているのに歌の息が上がらないのがすごいなと感心。
ここの曲が「水色の空に北斗の星が輝く」のように水美舞斗の名前をもじった歌詞になっていて、マイティーへのご褒美みたいになっていました。
アバンギャルドの場面
大劇場公演ではちなつちゃん(鳳月杏)が中心だったアバンギャルドの場面はマイティー(水美舞斗)の場面になっていました。
ちなつちゃんが着けていた金色の手袋をマイティーが着けていて、でもブーツは金色ではなく水色になっていてちょっとだけマイティー仕様。
ちなつちゃんのダンスもすごくカッコよかったですが、マイティーの花組仕込のダンスがこれまたギラギラしていてカッコいい。
後ろで一緒に踊っている若手の男役たちはすごく勉強になっただろうな〜と思って見ていました。
中詰の客席降り
中詰は大劇場公演と同じく客席降りがありました。
ですが、最初に上手の通路に降りたちなつちゃんがなんと1階席の一番後ろまで走って行ってました。
一旦真ん中の通路まで戻ってそこから今度は下手の通路の一番後ろまで。
すごい運動量ですよね~
全員が降りて来てあのグルグルパンパンパンをお客さんとやってましたが、ちなつちゃん「千葉県の皆さん盛り上がってますか〜?」と叫んだ後カメラの方も見て「ライブ配信をご覧の皆さんも楽しんでくださいね〜!」って言ってくれたのが嬉しかったです。
デュエットダンス
デュエットダンスも大劇場公演とは全く違う雰囲気。
まず2人の衣装が黄色のタキシードにドレスで黒のハットも被っていて。
ジャズアレンジの曲で陽気に踊るところも違います。
お互いのハットを取って袖に投げるおしゃれな振りもありました。
鳳月杏のご挨拶
カーテンコールはまず組長のみとさん(梨花ますみ)がご挨拶の後全国ツアー恒例のご当地出身者の紹介をしました。
今日は市川市文化会館での公演ですので、もちろん千葉県出身のこの方。
「千葉県船橋市出身、とても魅力的な月組トップスター鳳月杏です」
と紹介。
めちゃくちゃ大きな歓声と拍手を受けながら前に出てきたちなつちゃん、客席とライブ配信を見ているお客さんにお礼の言葉を言った後
「千葉県船橋市出身の鳳月杏でございます」
って。
この市川市文化会館には子どもの頃バレエの発表会で立ったことがあったそうで
「その節はお世話になりました。大人になって戻ってまいりました」
って(笑)
またこの舞台に立つことができて幸せだって言ってました。
最後は
「明日まで千葉県の皆さんと楽しく公演したいと思っていますので、よろしくお願いします。本日は本当にありがとうございました」
という言葉でカーテンコールが終わりました。
カーテンコールが一回きりだったのはちょっと寂しい。
できればライブ配信は千秋楽がいいな〜と改めて思ったんですが、でも楽しいカーテンコールでした。
それにしても無事に公演できてよかったです。
読んで頂き、ありがとうございました。
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