先日東京宝塚劇場で月組『グレート・ギャツビー』を観劇してきました。
ところで、今回の公演プログラム、スペシャルポートレートなんてページもあってギャツビーの写真集かと思うほどでした。
歌詞もなんと12曲の分を載せてくれていて、めちゃくちゃ親切です。
表紙も中の写真もれいこちゃん(月城かなと)のギャツビーがすっごく美しくてインパクトがありますし。
そしたらなんとまだ公演期間中なのにオンラインショップで売り切れていて入荷も未定らしいです。
ちょっとびっくり。
そのプログラムを見ながら観劇した時にツボったところを思い出していきたいと思います。
2022年版『グレート・ギャツビー』の前回と同じところ、変わったところ
宝塚では3度目の上演となる今回の『グレート・ギャツビー』は2008年の瀬奈じゅんさん主演の日生劇場版が元になっていて、大劇場公演の上演時間に合わせていくつかの場面とフィナーレが追加されていました。
私は『グレート・ギャツビー』という作品が大好きで、原作も読んでいて映画も観ています。
杜けあきさん主演の初演はずいぶん前にスカイ・ステージで1回観ただけですが、瀬奈じゅんさん主演のは何度も何度も映像で観ています。
あさこさん(瀬奈じゅんさん)のギャツビーがあまりにも好き過ぎて、セリフの言い方や表情の動きまで脳内再生できるほど。
なので、今回の『グレート・ギャツビー』をどんな思いで観るか自分でもなんとなく心配でした。
でも場面や曲が新しくなっているのもありますし、なんといっても演じる人が違うとやっぱり違う作品として観られますね。
同じ歌、同じ台詞はどうしても頭の中であさこさんの声で再生されてしまってましたが…
そしてついついこの場面はほぼ同じだとか、この場面はこういうところが変わっているというところに注目して観劇していました。
場面の流れ
一幕
まずニック(風間柚乃)がギャツビー邸の隣に引っ越して来てパーティーに参加するところから始まるのは2008年版と全く同じ。
パーティーで客たちが口々にギャツビー(月城かなと)の噂をするところがセリフから歌になっていたのが面白かったです。
そして、突堤でニックがギャツビーと出会った後、デイジー(海乃美月)とトム(鳳月杏)の屋敷を訪ね、トムとニックが青い車で灰の谷に行く流れは変わっていません。
ただトムが歌う「アメリカの貴族」という曲が追加になっていました。
ルイヴィルの場面、アイス・キャッスルの場面、ギャツビーとデイジーの再会、ギャツビー邸でのパーティーはほぼ同じでしたが、パーティーの前にトムとマートル(天紫珠李)が電話で話すというシーンが追加されたことで、マートルがギャツビー邸のパーティーに来た理由がはっきりしました。
二幕
ジーグフェルド・フォリーズ
二幕の始まりが最も変わったところです。
一幕の最後のギャツビー邸のパーティーでトム(鳳月杏)がジーグフェルド・フォリーズの踊り子のヴィッキー(結愛かれん)と知り合ったことから、トムが友人たちとジーグフェルド・フォリーズのレビューを観に行くところが追加されました。
それとその前にトムがニック(風間柚乃)を一緒に行かないかと誘う電話のシーンも追加されています。
レビューの場面では歌手役のはーちゃん(晴音アキ)とあみちゃん(彩海せら)も大活躍でした。
ヴィッキーの楽屋
そしてその流れでトムがヴィッキーの楽屋を訪ねますが、この場面でトムのキャラクターがより強調されています。
デイジー(海乃美月)という奥さんがいて、さらにマートル(天紫珠李)という愛人もいながらまだヴィッキーとも浮気をしようとしているとんでもない奴です、トムって(笑)
そこでヴィッキーを食い物にしているスレイグル(蓮つかさ)に写真をネタに脅されて、何の未練もなくお金を渡してヴィッキーとあっさりサヨナラしちゃうところもトムらしい。
「入り江がひとつだけ」の場面
それとギャツビーとデイジーが逢瀬を重ねるところも追加されました。
ここは2017年の日生劇場での井上芳雄さん主演版からあった場面で、二人が長椅子で愛を交わした後に衣服を整えるかなり色っぽい場面です。
ギャツビーがデイジーのネックレスを着けてあげて、自分は後ろを向いてベストのボタンを留めていましたが、ドキドキしちゃいますね。
ここで新曲の「入り江がひとつだけ」をデュエットします。
「恋のホールインワン」の場面
その後、2008年版では一幕にあったニックとジョーダン(彩みちる)がゴルフのレッスンをするシーンがここに入っていました。
ゴルフのコンペに参加するためのレッスンというのがわかりやすくなりました。
この二人の恋愛模様はギャツビーとデイジーの関係性と対照的で面白いです。
「アイス・キャッスルに別れを」
この場面までが今回追加された場面ですが、ここは井上芳雄さんのバージョンでもありました。
デイジーと再び共に生きるためにこれまでいた裏社会に別れを告げるシーンです。
NOW ON STAGEでれいこちゃん(月城かなと)がこの場面が入ったことでゴルフ対決に向かう気持ちが入りやすくなったと話していました。
確かに2008年版では唐突にゴルフの場面に行っていたのが、この場面と前の二人の逢瀬の場面が入ることで気持ちの流れがよりわかりやすくなったなと思いました。
その代わりに2008年版では「愛の楽園」という歌を登場人物がそれぞれの立場で歌う場面があって、今回はそれがなくなっていました。
「アイス・キャッスルに別れを」の場面までが追加された場面で、その後は2008年版と同じウィルソン(光月るう)がマートルを閉じ込める場面、2台の車がゴルフ場に向かう場面、ゴルフ対決、マートルの事故、ギャツビーとデイジーの場面、ギャツビーとニックの場面、神の眼、突堤、ニックが電話をかける場面、墓地、そして最後の「朝日の昇る前に」の場面と続きます。
楽曲について
初演からの主題歌「朝日の昇る前に」は全く変わっていなかったのは嬉しいです。
あの名曲は変えようがありませんが。
劇中で3回違うシチュエーションでギャツビーが歌うのも一緒。
それと「デイジー」「アウトロー・ブルース」「俺たちの見る夢」「神は見ている」も変わっていませんでした。
トムが歌う「アメリカの貴族」とギャツビーとデイジーがデュエットする「入り江がひとつだけ」とギャツビーが歌う「アイス・キャッスルに別れを」は新曲です。
そして、ルイヴィルで歌われる「王女と王子」は途中セリフだったところが歌になって、一部歌詞が削られたところもありました。デイジーの「イエス!」もなくなっていてそこはちょっと残念。
「時は戻らない」「女の子はバカな方がいい」「恋のホールインワン」は前も同じような歌があったんですが、今回小澤時史さんの作曲で歌詞も少し変わっていたようです。
メロディラインとアレンジが前と違って新しい感じになっていたのがよかったです。
舞台セットについて
プログラムの小池先生のコメントによるとこの公演が宝塚の一本ものは初めてとなる松井るみさんが舞台装置を担当されました。
これまで宝塚でもいくつかの公演でセットを担当されてましたが、どれもお芝居だけとかだったんですね〜
宝塚歌劇所属の舞台装置の先生ももちろん素晴らしいですが、松井るみさんのセットはアイデアが独創的だなと外部の舞台を見ても思っていました。
今回の『グレート・ギャツビー』のセットも豪華ですごかったです。
とくにギャツビー邸は、ディカプリオの映画のギャツビー邸を思わせる装飾が印象的で、2階建てになっているところも迫力がありました。
あとはギャツビーがシャツを投げる有名なシーンのセット。
あれも2階建てになっているので、ギャツビーがシャツを上から投げるんです。
それが映画のあのシーンを思わせてすご〜くよかったです。
あと映像で景色やニックの家などが映されていて、電話のシーンでも後ろに部屋の様子が映像で映っていたのがよかったです。
ギャツビーが突堤で眺める対岸のデイジーの家のあたりは、すごく精密な背景が映像で表現されていてちょっと感動ものでした。
ちょっと気になったところ
ギャツビーの登場シーン
今回観劇前に見逃さないようにしようと思っていたのがギャツビー邸でのギャツビーの登場シーン。
2008年版ではお屋敷の扉をバンと開けて登場しましたが、今回階段の上に他の人たちに紛れていて、「私がギャツビーです!」と言うのと同時に姿を表すという演出だということだったので。
お屋敷のセットの下手の上の段のあたりをずっとオペラグラスで見つめていたら、れいこちゃんギャツビーがそっと影段を上がって他の人に紛れているのがわかりました。
しばらく後ろを向いて立っていました。
ギャツビーが姿を表す瞬間にスポットライトが当たって他の人がさっと低くなるという演出がカッコよかったです。
ギャツビーの影
これは観劇前は全く知らなかったんですが、最後のお墓で少年ギャツビーが日記を読むシーンで、蓮つかさ・英かおと・彩音星凪・彩路ゆりか・七城雅・一輝翔琉の6人がギャツビーの影という役で登場しました。
ルイヴィルで着ていた軍服や黒燕尾、タキシードなどをそれぞれが着ていたので、おそらくその時々のギャツビーを表しているんだなと思いました。
その6人をオペラグラスでよ〜く見ていたら、彩路ゆりかくんが見覚えのある水色のジャケットを着ているのに気が付きました。
おや、あれってもしかしてあさこさんギャツビーがゴルフ場の場面で着ていたジャケットでは?
と思って見ると彩音星凪くんが着ているピンクスーツももしかしたらあさこさんが着ていたピンクスーツなのではと思えてきました。
れいこちゃんが前の場面で着ていた衣装を影の人たちが着るとは考えられないので、きっと別の衣装なんだと思うのですが、それがもしかしたら前回の公演でギャツビー役のあさこさんが着た衣装なんじゃないかとふと思ったわけです。
この場面が写ったこの舞台写真の画像を見てもはっきりわからず…
月組東京公演『グレート・ギャツビー』(舞台写真): ブロマイドオーダーサービス – 宝塚クリエイティブアーツ公式ショッピングサイト|キャトルレーヴオンライン
ものすごく正解が知りたくなってきました〜(汗)
どなたかあの場面の衣装について教えて頂けないでしょうか〜
以上が今回月組『グレート・ギャツビー』を観劇してのツボの数々です。
お話事態は素敵なのはわかってるので、今回は2008年版との違いや、セットや衣装、楽曲などに注目して観てきました。
もちろん演じている出演者の皆さんの素晴らしさにも感動しました。
できればもう一度じっくり観たいものです。
10月9日の千秋楽のライブ配信を観られるかな〜?
読んで頂き、ありがとうございました。
ブログランキングに参加しています。クリックして頂けるとうれしいです。
クリック先はブログランキングなので、他の宝塚歌劇のブログをご覧になれます。