彩風咲奈の集大成、そして未来に繋がるショーでした(『LAST MISSION』ランチショーライブ配信)

8月11日に宝塚大劇場を卒業したばかりの雪組トップスター彩風咲奈が8月14日、15日にパレスホテル東京で、そして8月19日、20日にホテル阪急インターナショナルでディナーショー『LAST MISSION』を開催しました。

そのうちの8月20日のランチショーとディナーショーでライブ配信がありましたが、ランチショーの方のライブ配信を観ることができました。

彩風咲奈 ディナーショー『LAST MISSION』ライブ配信視聴

彩風咲奈 ディナーショー『LAST MISSION』は構成・演出が指田珠子先生、咲ちゃん(彩風咲奈)以外の出演者は縣千(101期)、紗蘭令愛(103期)、蒼波黎也(104期)、華世京(106期)と男役ばかり4人の下級生です。

男役ばかりということで、ショーのコンセプトとしては男達が集う地下のバーをイメージしているそう。
なので、そういう雰囲気のバーのカウンターやお酒のボトルの棚なんかがあるおしゃれなセットでした。

セットリスト

今回のセットリストです。
こういうディナーショーには珍しく咲ちゃん自身がほぼ全部の曲について曲名と、その曲にまつわる思いやエピソードを説明してくれました。
曲名の詳細については、実際に会場で観られた方が載せてくださっていたセットリストを参考にさせていただきました。

 

・This World Will Remember Me(『BONNIE&CLYDE』より)
・Raise a Little Hell(『BONNIE&CLYDE』より)
・How ‘Bout a Dance(『BONNIE&CLYDE』より)

・Be Revived(『ODYSSEY』より)
・ODYSSEY(『ODYSSEY』より)
・未来への道(『灼熱の彼方-オデュセウス編-』より)
・超えろ、想像力を(『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』より)
・When I Drive(『BONNIE&CLYDE』より)

・déjà vuが逃げる頃(タンゴ)
・So In Love(タンゴ)

・Sensational(『Sensational!』より)

・エル・クンバンチェロ
・キエン・セラ
・昴よ(『蒼穹の昴』より)

・WONDERLAND(『CITY HUNTER』より)
・GET WILD(『CITY HUNTER』より)
・バイバイUKそして何か(『愛するには短すぎる』より)

・ALL BY MYSELF(『ALL BY MYSELF』より)
・Jewel de Paris!!(『ジュエル・ド・パリ!!』より)
・見た事のないロードショー(『ハリウッド・ゴシップ』より)

・You Are My Own(『ファントム』より)
・どっせいODYSSEY(『ODYSSEY』より)
・灰の水曜日(『Carnevale睡夢』より)

アンコール
・Still Love Her(『CITY HUNTER』より)

 

ほぼ咲ちゃんがトップになってからの作品の曲でしたが、『灼熱の彼方-オデュセウス編-』や『ハリウッド・ゴシップ』といったトップになる前の主演作品の曲も入ってました。
それ以外に咲ちゃんの夢だった安寿ミラさんに振付をしてもらった妖艶なタンゴの場面もありました。

意外な選曲だったのが水夏希さんがトップ時代のショー『Carnevale睡夢』で咲ちゃんが初めてのカゲソロをやった「灰の水曜日」という曲でした。
私もこの『Carnevale睡夢』というショーが大好きです。
とくにこの「灰の水曜日」の場面は大好きです。

『Carnevale睡夢』は2番手だった彩吹真央さんの突然の退団が発表され、少し異様な雰囲気の中の公演でした。
当時の何とも沈んだ気分とカーニバルに漂う物悲しさが重なって、観るたびに胸が苦しくなる場面です。

とくに宝塚大劇場の放送分は、少し涙声のように聞こえた咲ちゃんのカゲソロが強く印象に残りました。
この曲が咲ちゃんにとっても大切だというのはいろんな意味で嬉しいです。

MCコーナー

メンバー5人で自己紹介

冒頭『BONNIE&CLYDE』の曲で踊りながらクライドのようにカッコよく

「宝塚歌劇団雪組の彩風咲奈だ!」

なんて自己紹介し、他のメンバーの事も「あが」「ぺぺ」「りさ」「かな」と愛称で台詞のように紹介。
おお、かっこいい演出だな〜って思ってたら、改めてご挨拶タイムになって、

「はい、改めまして皆様、ようこそお越しくださいました。雪組の彩風咲奈でございま〜す」

と可愛く自己紹介したので、さっきとのギャップに笑ってしまいました。

他のメンバーも改めて自己紹介することになり、ここでは日替わりで何かやることになっているみたいで、今回はチャームポイントを強調するポーズをするという無茶振りが(笑)

見本で咲ちゃんが先にやったんですが、チャームポイントの顎のほくろを強調して、体をそらして親指でほくろを指差すめちゃくちゃカッコいいポーズをしてくれました。

他の4人はチャームポイントで苦労していてw、大きい口やら小さい耳やら大きい手などをアピールしてましたが、ペッペ(紗蘭令愛)の「存在感」というのが優勝でした(笑)

5人のトークのコーナー以外に下級生4人だけのトークもあって、ここも日替わりになっているようです。

この回はそれぞれが好きな咲ちゃんのショーの作品がテーマで、4人の熱量があまりに高くて面白かったです。
4人とも単なる彩風咲奈ファンでした(笑)

紗蘭令愛と

全員でのMCの他にところどころで下級生一人ずつとデュエットしてからトークするというコーナーも設けられていました。

最初は『BONNIE&CLYDE』に一緒に出ていたぺっぺ(紗蘭令愛)と劇中歌の「When I Drive」を歌ってから『BONNIE&CLYDE』に関するトークを。

公演中咲ちゃんのお誕生日があり、その日銀行強盗の場面でぺっぺが咲ちゃんにハートマークを飛ばしたらカッコよく投げキスを返してくれたというエピソードを披露してくれました。
それ以外にも早変わり室でぺっぺが“存在感”を示している話など笑いに包まれたトークでした。

華世京と

『蒼穹の昴』の「昴よ」を咲ちゃんとかせきょー(華世京)の2人で歌ってからのトークはまずは『蒼穹の昴』の話題でした。

かせきょーは新人公演初主演で咲ちゃんの役の梁文秀を演じたんですが、新人公演ではこの歌はカットされていたんです。
それでこのディナーショーで咲ちゃんが一緒に歌いたいと選んだんだとか。
それに大感激するかせきょー。

他に、『ODYSSEY』の中でかせきょーが囚われの王女を演じて2人でデュエットダンスをした場面の話が面白すぎました。
かせきょーの感情が爆発しすぎて、本人は無意識のうちに「は〜♡」というような声が出ていたって咲ちゃんから暴露されてました。

その場面の時には袖などで咲ちゃんから「姫」と呼ばれていたということもめちゃくちゃ幸せそうに話すかせきょーでした(笑)

蒼波黎也と

よっしー(蒼波黎也)とは『愛するには短すぎる』の「バイバイUKそして何か」をデュエットしました。
よっしーは『ベルサイユのばら』で新人公演初主演を果たし、最後の咲ちゃんの役フェルゼンを演じるという間柄です。

トークの内容は公演には関係ないプライベートの話で、一緒に焼き肉をよく食べに行くそうなんですが、その時の話でした。
前もって咲ちゃんに話してもいいか確認した上で、咲ちゃんが食事の時に絶対に何かを洋服にこぼすということを暴露してました。

ちゃんとエプロンをしていても想像もつかない場所にこぼすらしく、一度全然こぼさなかったと思ったら絞ったレモンを顔に飛ばして「ヒャ〜」と叫んでたということまで教えてくれました(笑)

そんな話を楽しそうに話している2人の様子も面白かったですが、これだけ学年が離れてても全く遠慮なくそういう話ができる関係がいいな〜と思って見ていました。
それも咲ちゃんの人柄ゆえでしょうね〜

縣千と

最後のあがちん(縣千)とは歌う前にトークをしましたが、あがちんからの質問で体力をキープする秘訣を訊かれてました。

咲ちゃんは『ベルサイユのばら』の公演の前にタンゴをウォーミングアップでやって、その後2公演やってからディナーショーのタンゴの自主稽古しようという話になったりするそうで、あがちんから「体力お化け」と言われてました。

咲ちゃんの答えとしてはやることがいっぱいある方が楽しいし、公演もお稽古も充実しているのが楽しいから苦にならないようです。

家に帰ってからもちゃんとストレッチなどしてリカバリーしてからじゃないと寝られないと言う咲ちゃんの話を聞いて、本当にストイックだな〜と感心してたら、あがちんはニヤニヤしながら聞いてました。

「ちさと(縣千)は(ストレッチ)しないの?」

と咲ちゃんから訊かれたあがちん

「私はしないです。その時したいことをして寝ます」

って(爆)
あまりにあがちんらしくて吹き出しちゃいました。

その後あがちんとは『ファントム』の「You Are My Own」を歌いました。
歌う前に咲ちゃんが語ったことが心に沁みました。

咲ちゃんはこの曲は前トップの望海風斗さんとの大切な思い出の宝物のような曲なので、もう二度と歌わないだろうなと思っていたんだとか。
でも下級生の頃から見てきたあがちんとディナーショーに出られることになって、初めて一緒に歌いたいと思ったんだそう。

そんな話を聞いてからこの曲のイントロが鳴って、あがちんがファントムの仮面を着けている仕草をしているのを見た時、自分でも思いがけず涙が出てきました。
あの銀橋での場面と同じく2人の台詞から始まって、2人が歌う「You Are My Own」を聴いている間涙が止まりませんでした。

歌いながらあがちんも涙を流していました。
最後2人が抱き合うところも素敵すぎました。

雪組の未来、彩風咲奈の未来に繋がるディナーショーでした

これからの雪組を担っていく4人の下級生の男役とのディナーショーで、それぞれ一人ずつと縁のある曲を選んでデュエットしたのが本当に素敵だなと思います。
曲を歌う時にさらに2人でトークしたのもよかったです、とても。

最後のアンコール曲の後また全員で感想を言っていったんですが、まだあと一回公演があるのにも関わらず、下級生の4人がみんな終わってしまうのが寂しいと言いつつ涙を流していたのが印象的でした。

この4人にとって本当に宝物のような経験になったはずです。
この経験を糧にこれからの雪組の戦力となって活躍していってくれると思います。

宝塚ってこうやって継承されていくんですよね。

4人の未来だけでなく、咲ちゃんにとっても未来に繋がるディナーショーだったと思います。

『ハリウッド・ゴシップ』の「見た事のないロードショー」を歌った後のトークで
「当時はまだまだ先に向かってこれからの宝塚人生を思って歌っていたけれど、今は違う道に向かって行くんだという思いがこみ上げてきた」
というような話をしていたのが心に残りました。

このディナーショーは男役人生の集大成のような公演だったと思いますが、退団した後の活動についても思いを巡らせる機会となったんじゃないかな〜と、その言葉を聞いて思いました。

まだ『ベルサイユのばら』の東京公演がありますが、その千秋楽に向かってさらに男役道を追求した後は、タカラジェンヌではない彩風咲奈としての活躍も期待したいなと思っています。

  

読んで頂き、ありがとうございました。

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