先日雪組『ベルサイユのばら』を東京宝塚劇場で観劇してきました。
友人が手配してくれたチケットはほぼオペラグラス無しで観劇できる程の前方の席で、それも下手の通路に近くて、一幕ラストの咲ちゃん(彩風咲奈)フェルゼンが客席通路を歩いて行くのを間近に観ることができました。
咲ちゃんの退団公演をそんな素晴らしい席で観ることができて本当に幸せでしたが、今回の『ベルばら』あがちん(縣千)のアンドレも素晴らしかったです。
以下、一部ネタバレもあります。
タカラヅカニュースなどで発表されているものがほとんどですが、まっさらでご覧になられたい方はご注意下さい。
雪組 東京宝塚劇場公演『ベルサイユのばら』観劇
雪組『ベルサイユのばら』の東京公演は8月31日に始まりましたが、公演期間の割と最初の方に観劇ができて嬉しいです。
宝塚の『ベルサイユのばら』は映像では数々の公演を観ていましたが、生で観劇するのは星組の『外伝ベルサイユのばら -ベルナール編-』を全国ツアーで観て以来なんです。
あの時もきらびやかな世界に夢見心地になりましたが、やはり大劇場公演は格別ですね。
あの豪華なセットや豪華な衣装で『ベルサイユのばら』の世界を劇場で堪能できて幸せな気持ちになりました。
「ご覧なさい」のプロローグに始まって、仮面舞踏会の場面や今宵一夜の場面、フェルゼンの馬車の場面、バスティーユの場面、そして最後の牢獄の場面など宝塚の『ベルサイユのばら』といえばという数々の名場面が目の前で繰り広げられて感動。
そして今回の公演ならではの新しい場面、ポスターのピンクのお衣装での「夢幻」の場面や二幕最初の『1789』を思わせる「革命」の場面、そしてフェルゼンが亡くなったオスカルやアンドレやパリの人たちを思いながら歌う「セラビ・アデュー」の場面も素晴らしかったです。
「セラビ・アデュー」の最後にフェルゼンが持っている白い薔薇の花びらがはらはらと落ちる演出には感激しました。
そして咲ちゃんが16分間出ずっぱりだというフィナーレも素晴らしかった。
稽古場情報でりーしゃさん(透真かずき)が話していたロケットが始まる前に大階段に映し出される大きな赤い薔薇の花は、実際に見るとかなりの迫力で感動的でした。
そして咲ちゃんへの愛があふれるフィナーレの演出がすべて素晴らしくて、ずっとウルウルしてました。
とくに咲ちゃんに向かって全員で「セラビ・アデュー」をアカペラで歌うところは涙腺崩壊しました。
最後のパレードで咲ちゃん以外のみんなが舞台上からいなくなって、その後客席からみんなが現れる流れは、事前に知ってはいてもやっぱり驚きとともに感動が沸き起こって、なんかいつもの公演とは違う感情が…
シャンシャンを振りながら客席を進んで来て、その後キラキラの笑顔をこちらに向けて歌い踊る雪組生を間近に観られたから余計に感動したのかもしれません。
咲ちゃんの退団公演を良い席で観られて本当に幸せでした。
縣千のアンドレが魅力的でした
咲ちゃん(彩風咲奈)のフェルゼンは長い脚が素敵で、あやちゃん(夢白あや)のアントワネット、あーさ(朝美絢)のオスカルも原作から抜け出てきたかのような美しさでした。
そんな登場人物の中でも、今回とくに衝撃だったのがあがちん(縣千)演じるアンドレでした。
アンドレは一幕の第九場にようやく登場するんですが、その時のあまりのカッコよさにズキュンとハートを撃ち抜かれてしまいました。
オスカルのお屋敷でロザリーとベルナールを迎える場面だったんですが、もうすでに左目が悪い状態だったようで、少し左目に前髪がかかる髪型が本当に素敵で…♡
そして次の出番はフェルゼンからオスカルへの恋心を指摘される場面、その後はもう今宵一夜の場面と出番はそんなに多くはないんですが、出番の度にインパクトが強くて魅了されてしまいました。
今宵一夜の場面
今回の公演はオスカルを毒殺しようとする場面はカットされているのが残念なんですが、今宵一夜の場面だけでもアンドレの魅力がいっぱいでした。
6期も上のあーさ(朝美絢)のオスカルを前にしても包容力がたっぷりで、まず窓の外を二人並んで見る時にさっとオスカルの腰に手を添える仕草にドキッ。
ビクッとしたオスカルに見ているこちらも恥ずかしくなってしまいました(笑)
そして「千の誓いがいるのか、万の誓いが欲しいのか」の名台詞。
最後の「俺は今日まで生きていてよかった」は宝塚大劇場の時はなかったそうなんですが、東京で追加されたようです。
これがあるのとないのでは大違いだったのではないでしょうか!
ここでのあーさオスカルがものすごく“女”で可愛らしく、それに対してあがちんのアンドレがものすごく“漢”でした。
あがちんの表情をオペラグラスで見ていたんですが、本当に男らしくてカッコよかったです♡
ベルばらといえば古典芝居でどうしても大仰な台詞回しになりますが、その中でもあがちんのアンドレは大仰過ぎずにアンドレの心の内から出てくる感情のこもった台詞の言い方なのがまた気に入りました。
最後のキスも一連の型にはまった振付の中で自然な感情が見えるキスでした。
橋の上の最期の場面
今回は『フェルゼン編』なので二幕の回想のシーンでバスティーユの場面を中心としたオスカルやアンドレの最期の場面があります。
市民を守ろうと決意したオスカルがアンドレに「この戦いが終わったら結婚式だ」と言った時のアンドレの子どものように喜んだ笑顔がまた魅力的。
そして、橋の下のオスカルに「来るな」と言ってから銃で撃たれる時の撃たれ方や倒れ方も本当に素晴らしいな〜と感心しました。
とても自然なんです。
一旦地面に倒れてから必死に起き上がり、オスカルに「命だけは大切にしてくれ」と言ってからまた撃たれて橋の欄干にもたれかかって息絶える一連の動きが、これまで私が見たアンドレの中で一番自然だと思いました。
あがちん相当研究して練習したんでしょうね〜
フィナーレの縣千にも魅了されました
フィナーレではロケットの後に咲ちゃん(彩風咲奈)が白い衣装に着替えてから男役と踊る場面があります。
男役一人ずつと咲ちゃんが組んで踊ります。
そのトップバッターがあがちん(縣千)でした。
上手の袖から登場して咲ちゃんと組んで踊るあがちんにまず見惚れました。
その後も群舞で踊るあがちんは人一倍指先の動きや爪先の角度まで洗練されていて、目を引きました。
ジャンプした時の高さもすごく高くて、身体能力の高さにも感心。
そしてそして、パレードの客席降りで、すぐ近くの通路を先頭を切って進んでくるあがちん、最前列のお客さんの一人をロックオンして釣っているあがちんから目が離せませんでした。
私の正面ではかせきょー(華世京)がニコニコしてアピールしていたんですが、そちらも気になりつつやっぱりあがちんの方を見てしまうというジレンマに…(笑)
パレードの最後まで楽しい幸せな時間を過ごすことができました。
それにしてもあがちんは素敵な男役さんになりましたね。
下級生の頃から可愛らしい人柄が好きでずっと注目してきましたが、ここ最近になって本当に男役としての成長が著しいです。
ソロの曲でもかなり安定していました。
『ベルサイユのばら』が終わって咲ちゃんが退団し、あーさ(朝美絢)がトップスターです。
2番手男役が誰になるのかは次の大劇場公演までははっきりしないのかもしれませんが、あがちんはすでに2番手としてあーさを支えられる力があると思いました。
まずは10月13日の千秋楽までアンドレとして全うし、その次の東上初主演公演でまたまた魅了してくれることを期待しています。
読んで頂き、ありがとうございました。
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