珠城りょうの「名作ことばの泉スペシャル『忠臣蔵』」に思う

8月26日のアンコールアワーの枠内で「名作ことばの泉」スペシャル『忠臣蔵』が放送されました。

「名作ことばの泉」は私は今まで見たことがなかったのですが、実は何年も続いてる番組だそうです。
いつもは男役娘役混じりで3人の出演だそうですが、今回はスペシャルということで
月組の男役のみ7人で、1992年の雪組公演『忠臣蔵』を朗読劇として演じてくれました。

珠城りょうほか出演メンバー

そして、今回はなんとトップ男役の珠城りょうも出演しました。
他のメンバーは千海華蘭輝月ゆうま佳城葵彩音星凪礼華はる柊木絢斗です。

7人の中で過去に『ことばの泉』に出演したことがあるのは千海華蘭、輝月ゆうま、佳城葵の3人だそうで、その時の思い出話や、今回の朗読劇に際しての準備などみんなでトークしてからのお芝居でした。

 

名作ことばの泉スペシャル『忠臣蔵』と『忠臣蔵〜花に散り雪に散り〜』(1992年)

今回の朗読劇は1992年の雪組の『忠臣蔵〜花に散り雪に散り〜』をもとにしたものです。

『忠臣蔵〜花に散り雪に散り〜』は杜けあきさんの主演で旧宝塚大劇場の最後の公演として上演された作品です。

私はこの作品を宝塚大劇場で観ています。それ以前にも観た作品はあるのですが、記憶がはっきりしているのは92年あたりからです。
主演の杜けあきさんは猛烈にかっこよくて、二番手を務めていらした一路真輝さんは息を呑むような美しさでした。
一路真輝さんが楽屋口から出ていらしたときは、天の岩戸から天照大神がお出ましになったときにはきっとこうだっただろうと思うようなwまばゆさでした。

オリジナルは柴田侑宏先生の作・演出でしたが、今回の脚本・演出は石田昌也先生だそうです。
92年の公演の映像が時々入ったり、バックに舞台セット画が映ったり舞台写真が差し込まれたりとなかなか凝った演出でした。

あらすじやナレーションを下級生の3人が交代で担当し、名場面を役に分かれて演じるという形で約30分にまとめてあり、とっても面白かったです。

 

配役

セリフのみですが配役は以下の通りでした。

珠城りょう:大石内蔵助
千海華蘭:浅野内匠頭、潮田又之丞
輝月ゆうま:吉良上野介、勝田新左衛門
佳城葵:堀部安兵衛
彩音星凪:家臣A、色部又四郎
礼華はる:大石主税
柊木絢斗:近習、家臣B

 

出演者についての感想

珠城りょう

たまきち(珠城りょう)は大石内蔵助、さすがの貫禄でした。
朗読劇なので、台本を見ながらのお芝居でしたが、役に入り込んでいました。
赤穂城の大評定や、討ち入りなどの名場面でのお芝居に引き込まれました。

最後の「もはやこれで思い残すことはござらん!」はじ〜んときました。
カッコよかった〜

とは言うものの…

延期になっている珠城りょうの退団が頭をよぎり、このセリフでいきなり悲しくなりました。
たまきち自身はもしかすると、このセリフのままの心情で辞めるのかもしれません。しかし、私たちはこれから珠城りょうのいない月組、珠城りょうのいない宝塚を観ていくことになります。
たまきちの退団をリアルに想像してしまい、胸が苦しくなってしまいました。

千海華蘭

からんちゃん(千海華蘭)の浅野内匠頭も刃傷に至る経緯が朗読劇とは思えないほど臨場感たっぷりでした。

もう一つの役、潮田又之丞とはまるで別人で、演じ分けがすごかった。
私には浅野内匠頭役の方が生き生きと演じているように見えました。
ほとんど台本を見ずに演じていたのもすごかったです。

輝月ゆうま

私が一番感心したのがまゆぽん(輝月ゆうま)の吉良上野介です。
声色も老人そのもので、狸っぷりも堂に入っててすごく良かった!
さすが芝居巧者のまゆぽんでした。

松の廊下の場面はもちろん、上杉家家老の色部又四郎とのやり取りの場面もすごく良かった。色部又四郎にやり込められる感じも上手く出てました〜
まゆぽんは台本をしっかり見ながらのお芝居でしたが、そのお陰か目線や態度がまた嫌な奴感を出していたように思いました。

佳城葵

やすくん(佳城葵)は堀部安兵衛役。
ナレーションで四十七士の中で唯一人を切ったことがあると何度も言われていましたが、ちょっと人の良い感じの堀部安兵衛で、雪組公演で堀部安兵衛役を演じた轟悠さんの様なギラギラ感が無かったかな〜(笑)
とても実直そうな堀部安兵衛でした。

彩音星凪

下級生たち3人も上手でしたよ。

その中で彩音星凪くんの色部又四郎役がとっても良かった!
頭の切れる狐と言われる色部又四郎を色濃く演じてました。
上野介を見下している感じが本当上手かったです。

彩音くんはあらすじ部分も含めて台本をほとんど見てなくて、スカナビTALKでやすくんが言ってた台本を覚えてきてた下級生というのは彩音くんの事だな〜と思いました。

彩音くんは101期で、先日のタカラヅカニュースの『おうちでおどろう』のコーナーで初めて認識しましたが、どうやら『エリザベート』新人公演でルドルフ役を射止めていたんですね〜
月組で注目の若手のようです。目力が強い!

礼華はる

トークの部分では割とのんびりおっとりしていて、大人しい雰囲気のはるくんですが、いざ役に入るとがらっと変わりますね。
大石主税をしっかり演じていました。

はるくんも101期、次回の月組大劇場公演『ピガール狂騒曲』の新人公演で主演が決まっています。
178cmの長身で、男役として恵まれた容姿、今後が期待されます。

柊木絢斗

みよっしー(柊木絢斗)は主な役は松の廊下での近習の役。
すごく良い味出してました。
あらすじ部分でもハキハキとして、他の2人との掛け合いも楽しく、とても良かったです。

102期で7人の中で最下級生。すごく緊張したと思いますが、頑張っていましたよ〜
たまきちに芝居心があると言われていたので、もっとお芝居する役で見たかったですね。

 

朗読劇『忠臣蔵』の後のトーク

朗読劇の後はそれぞれが感想を語ってましたが、それも楽しかったです。
下級生たちもしっかりした意見を言ってました。
彩音くんがこれをやるまで『忠臣蔵』というものを知らなかったと言っていたのにはびっくりしましたが…(笑)

熱く語るたまきちもカッコよかった。

 

最後に

いや〜、とってもいい番組でした。
今までの『名作ことばの泉』も見たくなりました。
そして、この機会に4月にスカイステージで録画していた雪組公演『忠臣蔵〜花に散り雪に散り〜』をまたまた観ました。

最後の決め台詞「もはやこれで思い残すことはござらん!」は、杜けあきさんが柴田侑宏先生に最後に何か言いたいと言って追加してもらった台詞だそうです。
先日の柴田先生の追悼番組で杜けあきさんが話しておられました。

退団する杜さんに対する愛情が感じられる素晴らしい台詞ですし、旧宝塚大劇場の最後を飾るセリフとしてもこれ以上のものはなかったと思います。今でもTVで録画を観ながら涙涙です。

  

読んで頂き、ありがとうございました。

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