柚香光「こうして持って帰りたい」(はいからさんライブ配信)

昨日9月5日に花組大劇場公演『はいからさんが通る』千秋楽のライブ配信を観ました。

本来なら7月17日から9月5日までの公演期間だったはずが、初日開けて間もなく新型コロナウイルス感染者が出たため休止になって、そして9月3日からようやく再開できることになったこの公演の千秋楽。

出演者、スタッフもそうですが、客席のお客さんやライブ配信で観ていた人たちも皆熱い気持ちが込み上げたのではないでしょうか?

柚香光主演『はいからさんが通る』宝塚大劇場(千秋楽)配信の模様

プロローグ

漫画のキャラクターが描かれた幕が開いて登場人物勢揃いのプロローグ、実に華やかでした。

少尉のれいくん(柚香光)の登場で大きな拍手!
待ってました!

ビジュアルが漫画からそのまま出てきたようでした〜
テレビのこっちでも拍手してましたよ。

その後主要キャストの見せ場があって、少尉と紅緒の2人の場面など盛り沢山。
最後はまた皆んなが出てきて主題歌を歌い踊るのが本当に楽しい。
思わず一緒に踊りたくなるフリですよね〜
そこで『はいからさんが通る』のタイトル文字が上から降りてくる演出も好きでした。

本編

再開されてから演出が変わって、銀橋が使われなくなったようです。
初日あたりで銀橋でお芝居していたシーンはすべて本舞台上でされるようになってました。
オケボックスにもオーケストラさんがいないので、画面に銀橋あたりが映るとやっぱり寂しい感じはしました。
でも、組子の皆さんのお芝居がすごく熱がこもっていて、そんなことはほとんど忘れちゃう勢いでした。

伊集院忍:柚香光

もうとにかく美しくて、画面にアップになる度に『は〜』となっておりました(笑)
全身が映っても立ち姿が美しくて…
衣装も再現率が高くて伊集院忍そのものでした〜

まあそれは初演の時からだったんですが、今回お芝居がものすごく熱くなっていたように思いました。
小倉転属が決まった後の木の上での紅緒との芝居、シベリアでの鬼島軍曹とのやり取り、紅緒が逮捕されてからの高屋敷とのやり取りなど、心の内が痛いほど伝わってきて、見てるこちらも苦しくなるほどでした。

それとは対象的にコミカルなシーンでは本当に楽しそうで、あの笑顔を見る度に幸せになります。
紅緒との場面での壁ドンやお姫様抱っこ、おんぶなどキュンキュンする場面もたっぷり。

伊集院家でのソファのシーンの最後、捌け際に「面白い」ってぼそっと呟いたのはアドリブなんでしょうね〜
客席でも笑いが起こっていました。

花村紅緒:華優希

初演の時より益々生き生きと紅緒を演じていました。
本当に体当たりでという言葉がピッタリな感じでした。
スカイステージの番組などで見るオフの華ちゃんはおっとりしていて、どちらかというと口下手なのかなという印象ですが、お芝居になるとがらっと変わりますね。
見た目も可愛いし、快活な紅緒が当り役という感じです。
特に一幕、激しい動きも多いので、汗だくになって演技してました。

高屋敷要:永久輝せあ

ひとこちゃん(永久輝せあ)にとっては、雪組から組替えしてきて初の大劇場公演。
初演の時より重要な役になった高屋敷要役で、プロローグの幕開きではいからさんの物語の始まりを告げる役割が加わりました。
今回この『はいからさんが通る』の物語は高屋敷が書いたという設定のようです。
もっとストーリーテラー的な役割でちょこちょこ登場するのかと思ってましたが、そういう訳ではなかったようです。

でも、タカラヅカニュースで英真なおきさんが言っていた「いつもひとの事ばかり考えて、自分の本心に気付かないふりをする。そんな生き方は周りの誰も幸せにしない」というセリフは忍の本質を言い得ていて、重要なセリフですよね。

二幕での忍とのやり取りもれいくんの迫真の演技を引き出していて、ひとこちゃん、良い役だな〜って思いました。
着物姿も板についていて、さすが元雪組生です。

北小路環:音くり寿

初演でしろきみちゃん(城妃美伶)が演っていた環はおとくりちゃん(音くり寿)。
私の中ではおとくりちゃんは『花より男子』で演じたつくしを貶める三条桜子役のイメージが強くて、どうしてもつい意地悪な役なんじゃないかと思って見てしまいましたが(笑)、環はとても良い子です。
最初の方こそ忍に思いを寄せていて紅緒の恋敵になるのかと思われたけど、実はとても友達思いで、二幕では紅緒の為に一肌脱いじゃう良い役でした〜
いや、もちろん初演を見て知ってはいたんですが、ついなんとなくね〜(笑)

そして、二幕では環は職業婦人として自立していて、最後には自分の気持ちに正直に鬼島軍曹を追いかけていく強い女性で、とてもかっこよかった。
おとくりちゃんは歌も上手いし、エトワールも素晴らしかったです。

鬼島森吾:水美舞斗

プロローグで出た後は、一幕の最後の方まで出番が無くて、ちょっと寂しかったです。
でも二幕では結構活躍するので、よかったかな〜
とにかくマイティー(水美舞斗)は何でも出来ますね〜
鬼島軍曹のビジュアルはバッチシ、歌も上手いしダンスはキレッキレだし、立ち回りもかっこよかった〜

そして、忍のれいくんとの同期2人のお芝居はじ〜んときました。

青江冬星:瀬戸かずや

冬星役は初演のちなつちゃん(鳳月杏)がとてもよかったので、あきら(瀬戸かずや)はどうかな〜と思っていましたが、いやいやすごく良かったです。
特に女嫌いな演技や冗談社でのコミカルな芝居が面白かった。
両親との確執や、段々と紅緒に惹かれていく芝居も説得力がありました。
最後、紅緒を諦めて心の中で忍との事を応援しつつ教会へ2人を助けにいくシーン、男気があって良かったです。

花乃屋吉次:朝月希和

初演ではべーちゃん(桜咲彩花)が演じていた吉次は雪組から戻ってきたひらめちゃん(朝月希和)。
元雪組生らしく芸者姿がお似合いでした。
研11だけあって、貫禄もありしっとりした感じもバッチリ。
そして、次期雪組トップ娘役が発表されたばかりなので、映る度におめでとう!と思って見てました。

祖父と父:英真なおきと冴月瑠那、羽立光来

タカラヅカニュースの祖父と父の茶話会コーナーを見ていたので、注目して見てました。
プロローグの冬星の父、香月が高い高いするところはやっぱりわかりませんでした〜
舞台の端の方を一生懸命見てたんだけどな〜

忍のお祖父様のじゅんこさん(英真なおき)は本当に良い味出してました。
槍を床にドンとやって召使い達がピョンと飛ぶところ、バッチリ見ました。
でも何回かやるのかと期待してたけど、1回だけなんですね〜
もっとやってほしかったな〜

紅緒の父の政次郎役のるなさん(冴月瑠那)は、あまり目立つ役ではないけど、要所要所で締めてました。
特に伊集院家から逃げ帰って来た紅緒に白い喪服を渡して追い返すところ、すごく良かったです。感動モノでした。

そして、初演では無かった青江香月役の羽立光来くん。
二幕まで出番が無いので、一幕では伊集院家の親戚や印念中佐の部下の役などいろいろやってて、背が高くてお顔も個性的なので、つい目についてました〜
そして、冗談社での冬星との父子の場面。
祖父と父の茶話会で話していた息子への愛情が表れていてよかったな〜
そして、震災の後の火事のところでも息子を心配する父親のお芝居があって、あ〜この事か〜と納得しました。

その他のキャスト

牛五郎の飛龍つかさくん、初演のたそ(天真みちる)があまりにもピッタリだったのでどうかな〜と思ってましたが、すごく頑張ってました。
真剣白刃取りのストップモーションのところが面白かった。
声が高いのがちょっと残念だったかな〜

藤枝蘭丸役のほのかちゃん(聖乃あすか)、美形で華があるので蘭丸にピッタリだな〜と思ってたのですが、もうちょっと目立ってもよかったかな〜
初演の時より舞台が大きくなった分、なんかあまり目立ってなかった気がしました。
ちょっと勿体なかったです。

冗談社の社員3人、楽しい3人でした。

一之瀬航季くん、セリフも結構あって頑張っていましたが、滑舌があまりよくなかったのが残念。
東京ではもっと頑張ってほしいです。
それと、新人公演主演が決まったのにやれなくて残念でしたね〜

ホッティ(帆純まひろ)はどこにいても目立ちます。ついつい目で追ってしまう存在です。
そして、しぃちゃん(和海しょう)は安定感がありますね。安心して見ていられます。

この3人のお芝居で一番面白かったのが、最後の方で高屋敷先生が小説の原稿(『 はいからさんが通る』という設定です)を持ってきた時にそれを読む順番で争うところ。
「学年順でいこう、私が先だ」とホッティ、しぃちゃんと言って、最後に編集長のあきらが「学年順なら私が一番先だ」とキメて大爆笑でした。
あれは千秋楽用のアドリブだったんでしょうか?

【2020年11月15日追記】

タカラヅカニュースの冗談社の記者たちのトークコーナーで言ってましたが、あの“学年順”というのはアドリブではなかったそうです。

ちゃんと台本に書いてあるって。

なので、毎回ちゃんと言っていて、毎回笑ってもらえるそうです。

 

フィナーレ

まずはあきらがソロで『僕だけのはいからさん』を歌いながら本舞台の下手から上手へ。

本来なら銀橋を渡りながら歌うところですが、銀橋が使えないので仕方ないですね。
初日の映像では表情もかたくて音程も安定しない所があったんですが、千秋楽のこの日は安定してました。表情も笑顔で。

その後、モボモガのシーンやロケットがあって、男役の群舞!

あ、そうそう、ロケットの時の曲はアニメ『はいからさんが通る』の主題歌だったようです。
なんか聴いたことある曲だな〜と思いました。アレンジしてあるので、すぐには分かりませんでした。

男役の群舞は初日と違って軍服の“大正バージョン”でした。

初日は黒燕尾の“浪漫バージョン”でしたね〜

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番をアレンジした曲で踊る軍服姿の花男たちがめちゃくちゃかっこよかったです♡
どっちも観られてよかった!

そして、デュエットダンスは結婚式をイメージしたお衣装で、ほんとに素敵!
お芝居では冬星と紅緒のウェディングしか描かれなかったですからね〜
幸せいっぱいのデュエットダンスでした。

パレードはおとくりちゃんのエトワールで始まり、主要メンバーはシャンシャンの代わりにそれぞれのモチーフの小道具を持っての階段降りでした。
それがなんかいいな〜って思いました。
シャンシャンが出会いの時に少尉が紅緒に持っていった黄色い薔薇なのもとても素敵なんですが。
れいくんの大羽根の衣装がまた素敵なんです。
ピンク系の色も軍服をアレンジしたデザインも大好きです♡

柚香光『はいからさんが通る』宝塚大劇場(千秋楽)終演後挨拶

カーテンコール

組長ご挨拶

組長のご挨拶で専科のお二人の紹介に続いて、ひらめちゃん(朝月希和)の次期雪組トップ娘役決定についても触れられました。
お客様からも温かい拍手が。
「帰ってきたばかりで送り出すのも寂しいですが」というふうに仰っていましたが、正にそのとおりですね。
でもおめでたいことですから、喜んで送り出してあげてください(笑)

柚香光ご挨拶

「花組の柚香光でございます」と言った後、感極まって言葉に詰まってしまったれいくん。
その後も一言一言、言葉を絞り出すように語っていました。
「苦しさ、悲しさ、悔しさ、申し訳無さの凍りついた心をお客様が溶かしてくださいました」という言葉はなんと想いがこもった素晴らしい言葉だろうと感激しました。
最後まで想いの詰まった素晴らしいご挨拶でした。

れいくんのご挨拶の後は『FOREVER TAKARAZUKA』

いつもの千秋楽はだいたい退団者がいるので、この曲は退団者を送り出す曲のイメージがあるのですが、今回は『どんな事があっても宝塚は永遠だ』っていう意味を感じながら聴きました。
そういえばこの公演では一人も退団者がいないんですね〜
それは本当によかったと思います。
退団公演がこんな状況なら悲しすぎます。
まあ、それはお披露目公演にも言えることなんですが、お披露目はこれで最後の公演ではないので、これから始まっていくので…

スタンディングオベーション

4回目のカーテンコールでスタンディングオベーションの客席を見たれいくんの目にみるみるうちに涙が溢れてこぼれ落ちました。
またまた一言一言噛みしめるように語ったれいくんが愛おしく思えました。

そして、緞帳が降りて終演のアナウンスが流れましたがお客さんたちは帰らず拍手が続いているので、緞帳の前にれいくんが出てきてくれました
そして、客席の様子をしみじみと見渡して、抱きかかえる仕草をして「こうして持って帰りたい」って言いました!
なんて可愛い♡
もうめちゃくちゃ実感こもっていて、感激している様子が愛おしくて愛おしくて…
ウルウルしました〜

最後に

初日の翌日のライブ配信は見なかったんですが、今回の千秋楽は急遽観ることにしました。
東京公演でもおそらく配信はあるでしょうし、スカイステージでもそのうち放送されるだろうからとも思いましたが、このような特殊な状況の中での宝塚大劇場の千秋楽をリアルタイムで目撃できたのは意義があったと思います。
観て正解でした〜

まだまだ余韻に浸っていますし、主題歌が頭の中でぐるぐるしています(笑)
見逃し配信があったらもっと嬉しかったですけど、千秋楽のダイジェストは明日か明後日にはタカラヅカニュースで放送してくれると思うので、それを楽しみに待ちます。

  

読んで頂き、ありがとうございました。

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